劇団員コラム

シーン379Withコロナ時代の演劇を考える』 森田 リョウジ

 新型コロナウィルスが猛威を振るう中、皆様、いかがお過ごしでしょうか。他のエンタメ業界、エンタメ集団と同様に、劇団シブパも苦しい活動を余儀なくされている今日この頃です。


 「リモート演劇」や「リモートドラマ」、そして「ネット配信」などが巷に溢れるようになりました。劇団シブパもご多分に漏れずリモートでの稽古を始めました。けれどもそこで感じるのはやはり「生」の演劇表現の尊さでした。「リモート演劇」はきっと我々(あるいは私)の目指すものとは別のものなのだろうと知ることができました。

 「Withコロナ」の中にあっては、「3密の回避」「ソーシャル・ディスタンスの確保」「マスク着用」が必須であり、これらの問題をクリアしないことには、公演はおろか、稽古さえすることができません。テレビドラマの中では役者の皆さんがマスクなしで密接な演技をしていますが、アレが当たり前と思うことは当然危険です。これらを勘案すると当然のように現れるのが「朗読劇」の需要増加です。東京都等の大都市圏で行われるのを目にする機会が増えたように感じます。それはそれで正解だと思います。けれども、それもシブパ(あるいは私)の正解か、と問われると、迷いなく頷けるほどの正解とも言い難い。

 考えに考えた挙句、私の行き着いた結論は「『アクリル板』があっても成り立つ場面設定の演目」、そして、「近づかず、声を張り上げない関係性の登場人物たちによって展開される演目」でした。


 これらを踏まえたうえで、劇団シブパが次回・次々回とどのような公演を展開していくのか、楽しみにしていただければ幸いです。(とか言って格好つけた割に次回公演、普通の公演だったらごめんなさい…)