劇団員コラム

シーン36020年、または16年越しの対決。意地と決意。』 森田 リョウジ

 境総合文化センターの演劇フェスティバルに参加させていただく形で、第26回公演をさせていただく運びとなりました。劇団シブパは2002年の9月に第3回公演「ハックルベリーにさよならを」で本フェスティバルに参加させていただいて以来、今回で5回目の参加となります。


 今回の作品は、私にとって思い入れの強い作品となりました。まず出演者は、劇団シブパの前主宰の赤石マサエと現主宰の森田リョウジ。演出は、シブパの演出陣の中でも一番の演出歴・演出数を誇る小菅信吾。この劇団シブパの創設メンバー3人がガッチリとスクラムを組んで創り上げました。これでお客様に「ツマラナイ」と思われてしまったら、劇団シブパはそこまでの団体なのだなと思っていただいて構いません。それはもう、仕方がない。

 しかし、そうはならない。そうは思わせないよう、稽古を重ねてきました。劇団シブパという少人数・小規模劇団ができること・できたことを目と耳と肌と心で感じ取ってお帰りいただけたなら幸いです。


 今回のお芝居「姐さん女房の裏切り」は赤石と森田の関係性よろしく、年上の女と年下の男が登場しました。20年間連れ添った二人の、スナックのママとヒモ男の、元・姐さんと元・組の下っ端の、ある意味で対決ともとれる関係性の行方、いかがだったでしょうか。

 そして個人的には、16年前の演劇祭では主演でありながら、準主演の赤石マサエに見事に芝居の隅から隅まで喰われてしまったことへのリベンジを果たしたいと考えておりました。赤石マサエ VS 森田リョウジの、ある意味で対決ともとれる関係性の行方も、合わせてお楽しみいただけたでしょうか。


 ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 16年越しの、劇団シブパの意地と決意、いかがだったでしょうか。