劇団員コラム
シーン294『ワクワク』 瀬山
私は新しいことを始めるのが苦手だ。
ちょっと興味がわいたことでも、できない理由を探してしまう。
上手くできないかも、時間がとれないかも、そこまで楽しくないかも・・・
現状が安定していると、それが一番安心できるし幸せに感じるから、そこから抜け出すことを怖く感じてしまって何かを始めることに二の足を踏むことが多い。
そんな私がここ数ヶ月で、新しいことをいくつもやってのけている。
始めは知らない人たちの多い勉強会にでかけたこと。
演目を見て3ヶ月前くらいから気になっていたものの踏ん切りがつかず、最終日まで予約を伸ばし伸ばしにしていた勉強会。
やっぱり気になる!と出かける決心をしたものの、これがハードル高くて、予約の電話をするのに携帯の前を10往復くらいしてしまった。
たかが勉強会と思っても例のできない理由がぐるぐるするので、つい10往復もするはめになってしまう。
電話がつながるまでのドキドキは本当に嫌。
でも、予約してしまえば後は野となれ山となれ。
当日、その場に行ってみれば、新しい学びがあり、出会いがあり、とても有意義だった。
それならばと、次にはその勉強会で出会った人たちのいる子育てサークルにも入ってみた。
これも前から少し興味はあったものの、気の合う人はいるのだろうかとか、子供がなじめるだろうかとかできない理由を考えて伸ばし伸ばしにしていたことだった。
顔を出す初日は本当にドキドキ。
このドキドキがちょっと嫌。
でも、入ってみたら同じ年くらいの人たちもいたし、みんな気さくで楽しんで過ごせている。
ここまで来たらと最後にはその子育てサークルの人がやっているというヨガ教室にも通い始めた。
しばらく体を動かしていなかったので、これまた気持ちよく、講師の先生の紹介してくださった「外ヨガ」なるものにまで参加してしまった。
教室からの参加者が私だけだったらどうしようとドキドキ。
でも、このドキドキがそんなに嫌じゃない。
そこで最近やっと気づいた。
このドキドキって「ワクワク」なんだって。
今までドキドキを嫌がって「ワクワク」を随分逃していたんだなぁって。
この歳になってだけど、気づいて良かった。
私は新しいことを始めるのが苦手だけど、次は何を始めてみようかな。