劇団員コラム

シーン38『演じることが好きだった?(その壱)』 東 勝

 ふと自分が演劇というものに携わってどのくらいなのか考えた。どうやら6・7年くらいらしい。まず、深夜テレビでやってた演劇をふと見てはまり、おもしろいんだなぁと思っていた矢先、大学の講義の一つ(「NPOについて」)で劇団員とたまたま同じ班になり、劇をやると聞き、シブパの劇を見ることとなった。初めて観た演劇は記憶に残っている限りシブパである。とまあ「演劇」との関わりの年月は他の劇団員と比べると短い・・・。でもよくよく考えると自分は昔から何か演じることが好きだったのかもしれない。「演劇」「劇」と強く意識してやっていたわけではないが、いかに面白いことを人前に出てできるかを考えていた。そんな「劇」ともいえないが自分の「演じる?」ことの好きだったエピソードを これから綴っていきたいと思う。


 中学校の生徒会選挙。今思えば、ともかく真面目というか「堅物」だった。規則を破ることは我慢できず、純粋な気持ちで学校をよくしようと思っていた。正直そんなんだから教師受けは良かったかもしれないが、周りからの信頼はあまりなかったと思う。しかしその反面、選挙の広報活動においては人と違った方向で笑わせて目立って当選しようと考えていた。招き猫の顔の部分をリアルに自分の顔に書き換え「福を招きます」とかポスターにしていた。その流れで演説でも画用紙に胴体(招き猫の顔以外)を描いて自分のあごに当て演説した。今思うと怖いしバカ・・・。普段堅物のやつがそんなことやるもんだから、やりかたも下手だったのでしょう。結果は落選。・・・これが、大勢の前で自分を表現した「演じた」今思い出せる一番古い記憶である。

 笑いのセンスは・・・ない? まあ中学生時代ですから・・・。