劇団員コラム

シーン29『ひたまのえんげき日記3』 柳 緋玉

 みなさん、こんにちは。ひたまです。第3回めは「阿修羅城の瞳」。言わずと知れた“新感染”(市川染五郎主演の劇団☆新感線の公演のこと)の3回めの公演。


 これ、再演なんですよ。しかも3年前ってことで、まだまだ記憶に新しいですよね。そこで染サマ以外はオ-ルキャストチェンジ。何人か出ている劇団員も全く違う役。でもね、主役は一緒だし中身はそれほど変わらないわけだから、“全く新しい”ってわけにはいかないんですよ。違和感の方が強くて、観ていて「あれ?」「アレ?」って思っちゃって。そんなズレを拭い去ってくれたのが、闇のつばき役の天海祐希さん。元宝塚男役トップスタ-の天海さん。舞台姿が何しろ美しい! 同じ舞台に立つ者として「かくありたい」と思いました。立ち居振舞がしなやかで美しくて色っぽい。粋で勝気な姐さんなんだけど、何か影があると言うか、つばきの持つ弱さや脆さが伝わってくるんですよ。阿修羅王になってからはその美しさが鬼の部分を際立たせていて、私的には戯曲を読んだイメ-ジそのものでした。


 天海さんのことで紙面が尽きてしまったわ。いきなりまとめちゃうと、前作よりよかったです。再演はかくあらねば。ではまたね。