劇団員コラム

シーン267ひらがな』 東 勝

 いまさらですが、わたくしの名前の読み方は「あずま まさる」です。「ひがし」ではありません。


 さて、これを明かしてよいものかわかりませんが、私の愛称は「とんかち」といいます。劇団員をはじめ多くの人に、かれこれ15年以上呼んでもらっている愛称です。


  大学四年生の時、「ふるさと探検隊」という県の施策がありました。 県内の小学生から中学生を集めて一週間くらい山の中で過ごすというものです。 私は大学の単位取得のためにスタッフのお手伝いという形で参加させてもらいました。もともとボランティア団体に所属してキャンプは行っていた身なので、キャンプができて単位が取れるなんで素晴らしいと思っていました。その予感は的中! 今思えば幾つものとても有意義な体験ができ、いい出会いもありました。(たぶんこれに参加していなければシブパに在籍していなかった!)


 その良い体験?の1つがこの「とんかち」という愛称の誕生です。 各グループが皆で協力してキャンプテントを立てているとき、私はいろいろその様子を見て回っていました。その中で、そこにいた一人の男の子との会話。「ねぇねぇ、何している人?」「えーっとね、大学で技術の先生になるために勉強してる」「技術って何?」「あぁ、えっと木で本立て作ったり、電気のライトを組み立てたりするの」「どうやって作るの?」「ああ、のこぎりで木を切ったり、トンカチとかで釘売ったり・・・」「トンカチ(笑)」(中略)「他のスタッフには愛称があるのに、なんで無いの?」「あぁ、そうだね・・・」「つくってあげよっか・・・トンカチ!だってトンカチ使うんでしょ!」「・・・」ってな感じで誕生しました。まさかその時はここまで長く続く愛称になろうとは・・・。なお、名付け親(笑)の男の子の名前も学年は覚えていません。


 で、「トンカチ」です。でもですね。私は勝手に自分で自分の名を表記するときは 「トンカチ」ではなく「とんかち」と表記します。そうです。「ひらがな」です。やっとタイトルの話になりました。なぜひらがな表記にするのか?理由は簡単! 「とんかち」という方が柔らかい感じがするから。そして「トンカチ」というと工具感満載だから、それとは違った特別感を出したいからです!どうですか?ただの自己満足でしょう!それでいいのです。だから人に「トンカチ」と書かれてもまったく気にしていません。

 わたし「あずま まさる」ですが、このコラムを読んだ人は気軽に「とんかち」と呼んでくださいね~。