劇団員コラム
シーン228『もうすぐ雨の季節』 しんご
6月に入り、そろそろ入梅の時期かなどと感じながら、去年の今頃に起こった、
“雨”に縁のあるものたちとの出会いを思い出してみたり。
ひとつは、音楽。
畠山美由紀さんのアルバム『rain falls』。
雨にまつわる素敵な楽曲たち。
静かに雨が降る夜に、そっと寄り添ってくれる一枚。
ひとつは、映画。
新海誠監督のアニメーション映画『言の葉の庭』。
雨の描写が美しくも切なくもある素敵な作品。
実際に雨降る中を映画館に観に行ったのが、また良かった。
ひとつは、戯曲。
劇団青☆組主宰の吉田小夏さんの戯曲 『雨と猫といくつかの嘘』。
そして、劇団シブパの第18回公演作品。
劇団員として、演出として、公演そのものがとても思い入れのあるものとなった。
普段、雨は苦手なのだけれど、そんな“お気に入り”との出会いが訪れた一年前は、
「雨の日も悪くないなぁ。」
…なんて感じていたことを思い出した。
そこに“お気に入り”があると、それだけで感じ方は変わるもので。
御飯茶碗や箸を新調すると、いつもの食事がとても新鮮に感じられたりするように。
クラスに気になる子がいると、夏休みが早く終わればいいのにと思ったりするように。
だから、雨の日にも“お気に入り”があると、見える景色が変わるということなのだね。
今年の雨の季節は、どんな出会いがあるだろう。
例えば、雨の日に合う紅茶なんていいなぁ。