劇団員コラム

シーン227『五月の読書歴』 赤石 マサエ

 ゴールデンウィーク明けの五月七日、健康診断を受けに病院へ行きました。 待ち時間にと思い持参した文庫本(何度も繰り返し読んでいるもの)を、帰るまでに読み終えてしまい、少し物足りなさを感じていました。 数日後、人に紹介する本を借りる為、久しぶりに某図書館へ行くと、目に入る本をあれもこれも開いてみたくなりました。「そんなに読む時間ないか…」と思いつつも、気になる本をいくつか借りました。その一部をご紹介します。


●『エマ』 森薫著 8・9巻

 マンガです。この図書館で見つけてハマって、買いもしたのですが、8・9巻だけ手に入らなくて。森薫さんは、視線とか仕草とか風景とか、そういった部分の表現がすごく繊細で、いいです。何度も読みたくなるマンガ。


●『ピアノの森』 蓬莱竜太著

 まだ読んでません。状況として、私、蓬莱竜太祭なので、読みたくなりました。


●『朝1分から始める朝家事のすすめ!』 沖幸子著

 前にも一度読んだような気が…。でも変われてないし、今回も心に残る一文はなかったな。


●『使いきる。』 有元葉子著

 料理研究家の有元葉子さんの、片付け・整理術の本です。有元さんて、見た目ホワワンとした人なのに、かなりタイトな感じの性格なのね。知りませんでした。潔い!一番グッときたのは、「片付けは片っ端から!」という言葉。とりあえず、その晩キッチンカウンターをいつもより無心に 片付けました。一つは実践してみたので、有益な本だったと言えるでしょう。


●『できることから始めています』 廣瀬裕子著

 エコロジーな暮らしをしている人々の紹介本。10組の方々の中で、一番最初に出てきたのが有元くるみさん。前述の有元葉子さんの娘さんだそうです。中身は見ずに借りたんだけど、こういう、意図せずに関連のある本を立て続けに読むことって私はよくあり、いつもビックリしています。


●DVD『ブタがいた教室』

 ずっと観たかった映画。小学生が子ブタを「食べる約束で」教室で飼う話。まだ観てません。そんなの、情が移っちゃったら食べられっこないじゃんねー。と思うのですが。私自身は、小学生の頃、「屠殺場に入る時はブタ、出てきた時は肉」という現実に気付いたとき、その事実を受け入れ難かったのを覚えています。


  こんなところです。『できることから…』は、例えば、環境に負荷を与えるのが少ない石鹸やシャンプーを使うとか、アクリルたわしを使うとか、「私もやってるよ?」ということに共感しつつも、地元で採れた食材を選んで食べるとか、化粧水を手作りするとか、食品をできるだけ手作りするとか、「田舎でずーっと暮らしてきた人間にとっては、フツーのことなんですけど?」という思いもありました。都会の人(じゃなくても、モノは作るより買う方が多い生活をしている人)に向けた内容という気がしますね。悪くなかったけど、特別引き込まれもしませんでした。

  やっぱり、本の中の誰かの生活ではなく、うまくいっていてもうまくいかなくても、今自分が生きているこの生活が一番信じられるものだと思いました。


  次は、しばらく遠退いている小説を読みたいですね。