劇団員コラム

シーン196『お笑いへの一考察』 東 勝

 私はお笑いが好きです。そんな私が最近ちょっと顔がほころんだことがあります。それは芸人ふかわりょうがロケットマン(ROCKETMAN)というミュージシャンとして一線? で活躍していることを知ったからである。決して私はふかわりょうのファンではない。が昔から知っている関係(無論TVで見ていただけである)で親近感がわくのである。


 ここでちょこっと私の知るふかわりょうについて言うと、アマチュア時代(現役慶應義塾大学生)に「コムシコムサ」というコンビ名で「ガハハキング」というお笑い番組に出場。かなりの異彩をはなちネタはおもしろくなかったもののかなりの印象を残す。その後ピンでデビュー。お笑いの大会S-1(2009年のS-1グランプリとは別物)で優勝をかっさらう。その後はいじられキャラでいろいろとバラエティ番組に出る。


 こんなふかわりょうが今のお笑い界の「何気に先駆者説」を私は語ります。1つ目「高学歴芸人」。今ではクイズ番組に良く出るロザン宇治原やオリエンタルラジオ中田を始め 「高学歴芸人」が多くでてきていますが、それまで高学歴(ふかわの場合「慶應」)を表に出す芸人はいなかったように思うのです。ふかわがクイズ番組などに「慶應出身」を掲げて出たことが何気にきっかけになったのでは考えています。2つ目「あるあるネタ芸人」。 お笑いとはその多くが現実とは違った場面や行動を表現し、笑いに変えています。言い換えれば「ありえないシュチュエーション」「奇想天外なお話」をすることで人は笑います。今では「あるあるネタ」は特にピン芸人に多く見られます。ちょっと昔にはあるあるネタが自虐ネタ(ヒロシ、小梅太夫など)や攻撃ネタ?(波田陽区、マシンガンズなど)に広範囲化し、今もそれがさらに色々な形で表現されています。ですが、どうでしょう。あるあるネタは昔あったか? あったかもしれない、でも私は見たことない。ふかわりょうのシュールなあるあるネタを見たとき、おもしろいかはどうかはさておき斬新だった 記憶は残っている。だから何気にあるあるネタの先駆者ではなかろうかと思うのです。


 お笑いへの一考察でした。ちなみに「北斗の拳」を描いた原哲夫はふかわりょうの従兄。