劇団員コラム

シーン183『旬と季語』 りょーじ

 先日、お手紙を書くことがありまして、時候のあいさつを書きました。「新緑の候、ますます…」なんて書き始めましたのですが、その途中、「あぁ、もう新緑か…。今年は5月病にならなくて済みそうだ…。」とか、「…候? …候ってどんな意味だっけ?」とか、まあ、とりとめのないことを考えていたんです。

 で、その考えの一つに「『新緑』ってこの頃の季語だよな…」なんてことを 思ってしまったんです。まあ、当たり前です。5月の季語だから時候のあいさつに使っているわけですから。


 そんなこんなでお手紙を書き終えたのですが、文章量が少なく、余白が目立ってしまったので、「よし、イラスト入れよう」なんて当然のように思い立ちました。

 で、困ってしまいました。「5月と言えば…『子どもの日』。じゃあイラストは『兜』とか『こいのぼり』か? あれ、でも待てよ。もう5月5日を過ぎてるから子どもの日の関連はおかしいか…。植物だと…『つつじ』? いや、つつじは4月か…。あ、『藤』か。藤岡市で藤まつりやってたもんな。ん? あと5月の旬のものってなんだ?」という疑問に突き当たったのです。


 で、ちょっと調べたら、面白いですね。5月の旬と季語。

 「若葉」「青葉」なんていうのは当然思い浮かびますが、「母の日」や「カーネーション」もそうですね。私がちょっとピンとこなかったのは、「つばめ」「椿」。意外だったのは、「苺」。イチゴ狩りなんて言うと、冬がメインですから、当然イチゴは冬のもの、と思っていましたが、考えてみればあれ、ハウス栽培ですからね。


 結局、お手紙のイラストは「藤」をチョイスし、一件落着しました。

 「旬と季語」について、いろんな発見があったことは、単純に良い出会いでした。ハウスじゃなくてイチゴ狩りができるところを捜してみよう、そんなとこあるのかな? なんてちょっと楽しみな気持ちにもなれた「旬と季語探し」なのでした。


 …あれ? 「春キャベツ」とかって言うけど、キャベツはもともと「冬」…だよね…?