劇団員コラム

シーン163『2011』 瀬山

 今年も残すところわずかになりましたね。みなさんは今年一年、どんな年になったのでしょうか。私にとっては忘れられない「変化」の年になりました。


 「出逢いは別れの始まり」と言いますが、私にとってそれはあまりに突然の別れでした。あまりにも早く訪れた別れに、泣いて、泣いて・・・。泣くしかできない自分がいました。

 普段、マイペースな人間なので、辛いことがあっても「何とかなるさ」ってノリで過ごすことが多いですし、大泣きするっていうがらでもないし、泣いていると疲れてしまうので(笑)しばらくすると泣きやむのですが、今回ばかりはいつも通りに行きませんでした。


 そんなとき、私に「変化」をもたらしてくれたのは友人であり、仲間であり、一番近くにいる家族の存在でした。今まではいるのが当たり前だと思って過ごしてきた人たちが、急に視界の中ではっきりと存在してきたのです。

 そりゃあ、今までだって大切に思っていたし、その存在に感謝もしてきたけれど、今までとは比べものにならないくらい、くっきりはっきり大きな存在感をもって私の中に浮かび上がってきました。例えば、今までが・・・と考えたのですが、良い例えが思い浮かばないので例えをやめますが、とにかくたくさんの人たちが 私の周りにはいるんだってことが良く分かったのです。

 良く分かったら、泣いたことで空っぽになっていた私の心に、 その人達の「優しさ」がどわぁ~と流れこんできて、私を「変化」させてしまったのです。


 前より、泣けるようになったかも。

 前より、優しくなったかも。

 前より、強くなったかも(そんなに強くなってどうする?!)。


 思い返してみると今年の始めの頃の私は「変化」を求めていました。

 変わりたい、変わりたいってずっと思っていたのですが、 どうしたら変われるのか分からずにいました。

 だからきっとその願いに応えて辛い別れがやってきたのだと今では思っています。

 周りで私を支えてくれた人たちの優しさがあったから、そう思えるようになりました。

 多くの存在に感謝、感謝です。そう思うと、「変化」の年ではなくて、「感謝」の年と言うべきかしら?


 みなさんにも感謝をこめて、一足早いですが・・・よいお年をお迎えください。