劇団員コラム

シーン133『ありがとうございました』 楓 珠美

 第12回公演『ヒトミ』を終えて、まだ興奮が冷めやらぬうちに書いています。

 思い出しただけでも涙が出てきそうな、多くの経験をしました。 今私は、皆で創ることの充実感と、(生意気ですが)“やり遂げた” という満足感と、全てにおいて感謝の気持ちでいっぱいです。


 今回の公演で私は、もう一人の新人のりかと一緒に、音響を担当しました。演劇に対し、素人で入団して早1年と1か月。初めての公演ということで、右も左もわからないまま8か月前、『ヒトミ』の稽古が始まりました。稽古中は、「音を間違えないように入れなきゃ!」と緊張し通しでしたが、慣れない音響機器の操作への戸惑いと、“音”に対する自分のセンスのなさにガッカリしつつも、何もかもが初めての経験で、毎回の稽古が新鮮でした。

 公演自体に対する実感は暫くは無かったものの、稽古に参加していくうちに、他のメンバーの影響が強く、良いものを観客の方々に観て頂きたいという意識を持つようになっていきました。稽古から公演までの8か月に得られたものはとても大きく、改めて自分を知ることが出来ました。同時に、演目の主人公ヒトミのように、自分は周りの多くの人達に支えられながら、励まされながら、今ここに居られるのだと思いました。

 実際の音響に対する不出来を情けなく思い、緊張のあまりプッレッシャーに 負け、自分をコントロール出来なかった時もありました。そんな時、今回一緒にお芝居を創ることができた仲間に励まされ、勇気をもらいました。


 この場を借りて、お礼が言いたいです。

 陰で支えてくれた、失敗しても励ましてくれた、迷惑かけても見守ってくれた、演劇に出会うきっかけをくれた・・・そんな私の周りに居てくれる全ての人達に、“チャンス”を与えてくれたことを 感謝します。 ありがとうございました。



 小屋入り3日間から2日間の公演までの、計5日間。過ぎてしまえば、あっという間のような気もする、しかし、長かったようにも思える・・・とても中身の濃い、また一つ成長できた5日間 でした。この5日間をこれからの糧に、日々頑張っていきたいと思います。

  今後とも、私 楓珠美 を宜しくお願い致します。