劇団員コラム

シーン129『6年前からの『おめでとう』。そして…』 りょーじ

 私事ではありますが、去る12月15日に誕生日を迎えました。 齢を経てくる度に嬉しくなくなってくる方がいらっしゃるようですが、私はそんなことはなく、今も嬉しく感じます。私が今ここにあるのは、12月15日という日があったからこそで、それなりに苦しい日々もあったけれども、やっぱり喜びの方が多い、幸せな日々だったと思えるからです。


 さて、そんな善き日に、思いがけない、お二人の方から 『おめでとうメール』をいただきました。


 一人目は、『 カオルさん 』でした。6年前、私が初めて主演という大役を任された作品 「ハックルベリーにさよならを」のヒロインその人です。カオルさんは、6年前の当時と同じ、優しく包み込む言葉遣いで、私に「おめでとう」を伝えてくれました。作中では、10年の刻を経て、未来の「ぼく」と電話をしてくれる彼女ですが、そのシチュエーションとこの日届いたメールの内容が、私の中で重なり、涙が出そうになりました。


 そして、二人目は、『 ヒトミ 』でした。

一言、「いい芝居にしようね。」とのことでした。やはり、涙が出そうになりました。


 劇団としては、10年の月日が経ち、「ハックルベリー~」からは、6年の月日が経ちました。カオルさんは言いました。「許してあげてね。あなた自身を。」と。自分の演技について、許せるレベルであるかどうかというのは、いつも自問自答するところで、答えはいつも「No」なのですが、それでも、6年前よりもいくらかはマシになっているだろうと思うのです。


 今回も大役をいただける幸せに、ありがとう。

 時を超え、メールをくれたカオルさんに、ありがとう。

 きっとあなたに見せて恥ずかしくない演技を魅せたいと思います。


 そして、ヒトミへ。 「いい芝居にしようね。」



 ・・・すみません。何だか今回は、シブパの第3回公演 「ハックルベリーにさよならを」をご存じない方には、わかりにくかったですね。

  ともあれ、劇団シブパ10周年記念公演①「ヒトミ」(演出:小菅信吾)を お楽しみに。