劇団員コラム

シーン5『心の栄養』 りょーじ

 四月に入り、新生活が始まった方、多いんじゃないでしょうか? 僕もそんな中の一人で、慣れ親しんだものたちと別れ、新たなことに挑戦し始めている真っ最中です。


 けれども、そんな慌しく変わる毎日の中で、変えたくない時間というものはあるもの。それらは人によって様々であり、くつろぎの時間とか自分の時間なんて呼ばれたりしますが、どんなことをやるにせよ、自分のためだけにさく時間ってものすごく贅沢な時間ですよね。僕の場合は、部屋の温度を適温よりちょっと低めに設定し、ジャズやボサノバをかけながら、八千円も出して買ったお気に入りの椅子に座って、豆から挽いたコーヒー片手に本を読む。そんな贅沢をするように心がけています。誰かが言ってました。「退屈な午後は心の栄養」だって。ホント、そう思います。


 そんな時間の中で、僕はやっぱりというか、もう習慣なんでしょうね、読む本は大抵芝居の戯曲なんです。いろんな人の作品を読むんですが、いつでも「シブパでやるならこの役はこの人だな」とか「このシーンはこう演じたらすっごくおもしろくなるな」とかって考えちゃう。すると自然と2~7人の少人数芝居を好んで読むようになるんです。だって自分の劇団よりもキャストの多い芝居読んでも、上演できませんから(やり方次第でしょうけどね)。


 「忙しい」とは「心」を「亡くす」と書きます。みなさんも退屈な午後にお気に入りの空間で、心の栄養補給、忘れないでくださいね。