劇団員コラム

シーン1『梅の花』 赤石 マサエ

 皆さん、こんにちは。劇団シブパ代表の赤石マサエです。第4回公演の後「HPで、コラムの連載をやろう!」という話が出て、劇団員が交替で書くことになりました。この<シーン001>は、私がお当番です。よろしくお願いします。


 さてさて、この冬は実にたくさん雪が降りましたね(平地基準でスミマセン)。量はそれほどでもないけど、しょっちゅう降ってましたよね。降れば降ったで「雪かき面倒クサイなあ」などと思うんですけど、久しぶりに「きちんと寒い冬」を体験できて、ちょっと嬉しかったりもしました。

 そんな冬も終わり、春を迎えます。ここ2年くらい、毎年この時期は梅の花見に出掛けています。今年もこれから行く予定です。梅の花というのは、媚びるところが無くていいですよね。化粧っ気もなく会社や家庭でせっせと働き、いつも「ガハハ」と笑って済ませる元気なお母さんというイメージです。その奔放な枝振り、こぢんまりとした、でも形の揃った花、嫌味のない香り。「私の事なんて、見てる人いないのよ」と、自分の魅力をさらけ出すことはせず、自然体で生きる姿。それがものすごく魅力的なんですね。ちなみに、桜と桃に対する私のイメージはというと。桜は見る者の心を一瞬にして奪うようなゴージャスな美しさを持った女性。うーん、思い浮かぶのは水商売の人かな。高級クラブのホステスさんとか舞妓さんとか。桃は、あの可愛らしい形といい、甘い香りといい、小さな女の子にしか思えませんね。真っ直ぐな枝にポコポコと丸い花をつけている姿は、素直に生きる少女が笑った時のえくぼのようで、大切に大切にしたくなります。

 桜も桃も好きだけど、私は梅のように生きていきたい。でも飾らなくても人の心を掴んでしまうような魅力はまだまだ無くて。「人生日々修行ですな」などと思いつつ、今日ものんべんだらりと生きている私でありました。<終わり>

※ちなみに赤石、梅干しは大っ嫌いです。