ひとつ曲がり角、ひとつ間違えて
~ 第35回公演『名もなき世界』パンフレットより ~
待ち侘びていた秋は容赦なく駆け抜け、過ぎ行く後ろ姿に物悲しさを感じる11月下旬、皆様いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは。 劇団シブパです。
さて。
運転免許を取ってすぐの頃から、ドライブで遠出をするのが好きでした。あの頃のドライブには地図が必須アイテムでした。片や「かなり頼れるナビになるよ」なんて歌が流行ったこともありました。しかし、今は地図でも同乗者でもなく、多くの人がカーナビや関連アプリを活用しているようで。そんなカーナビの優秀さのひとつは、言わずもがな「目的地」までのルートや所要時間などを教えてくれること。効率的なドライブやスムーズな移動にはとても有効でしょう。けれど、時には寄り道したり道を間違えてみたり、そんな非効率な行動もドライブの楽しみだったりする私にとって、カーナビの最も優れたところと言えば、それは「現在地」を示してくれることだったりします。
「どこから来て どこへ行くのか」なんてキャッチーな言葉を目にすることがあります。ここまでどんな道を通ってきたのか、そしてこの先どんな道を進んで行くのか。もちろんそれも大事なこと。ですが、現在地さえ分かれば、たとえ迷い道になりそうだとしても、一歩踏み出せそうな、やがては辿り着けそうな気になるのです。そんな私は、思わず前出のキャッチーな言葉の間に「今どこにいて」などと付け加えたくなったりするのです。
劇団シブパもかなり非効率なドライブを続けておりますが、まさにこの“場所”こそ、私たちにとっての「現在地」。
そして、何とか35個目の「目的地」に辿り着けそうです。
本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。
どうぞ、最後までごゆっくりご覧ください。