主宰より


選択の先、あるいは。

~ 第34回公演『宇宙からの婚約者』パンフレットより ~


酷暑が居座り続けた夏の後、今度は足早に過ぎていく秋を恋しく思う10月の終わり、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こんにちは。 劇団シブパです。

 

さて。

過ぎて久しい今夏、「君たちはどう生きるか」という言葉を耳にすることが多くありました。誰かにそう問われるまでもなく、幾度となく自問してしまいます。自分は何がしたいのか、何が出来るのか、何をすべきなのか。けれど答えは見つからず、何かを選ぶことも出来ず、結局いくつになっても迷子のように感じることの繰り返しです。

それでも演劇は続けていきたいと変わらず思えているから不思議です。

変わらず演劇に関われていることは嬉しいのですが、地元の演劇界隈の状況は変わり続けているように感じます。小さな劇団がひしめく頃もありました。ミュージカル劇団の台頭に気圧される頃もありました。最近ではプロデュース公演が主流になってきているでしょうか。そんな昨今、小さな劇団には何が出来るのでしょう。

 

劇団シブパは「娯楽としての演劇の地位向上」を目指して活動しています。その実現のために今何が出来るのでしょう。例えば、毎週末のように演劇の公演が地元のどこかで行われていれば、演劇を観たことがあるという人を増やせるかもしれない。そうすることで演劇が身近なものとなりその地位向上につながるかもしれない。ならば、大規模な公演は打てなくても、沢山の人でなくても、誰かが演劇に出会えるような、そんな小さな公演なら、小さな劇団でも出来るかもしれない。そんなことを考えながら、演劇を続けることを選び、今日も公演を行います。

今回の作品に登場する二人は、果たしてどんな選択をするのでしょう。

 

本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。どうぞ、最後までごゆっくりご覧ください。