主宰より


あなたからの便りは風に聞く

~ 第33回公演『花のゆりかご、星の雨』パンフレットより ~


こんにちは。 劇団シブパです。

「もう一度あの人と めぐり逢いたい」と歌いたくなる季節になりました。

ちょっと切なくなるような、ちょっと寂しくなるような、ちょっと人肌恋しくなるような、そんな冬が来る前のこの季節が大好きです。

 

さて。

忘れた頃にふと連絡をしてくる友人がいます。しばらく会う機会もなくて、連絡が取れないことも多いのに、けれど不意に便りが届くのです。

今では時間を共有することはほとんどなくなりましたが、沢山影響を受けた大切な存在です。だから、連絡しても反応がない時は「相手は大切に思ってくれていないのか」なんて愚問が浮かび、寂しく感じたりもするのですが、時折届く便りからは、いつも元気な姿や笑顔が伝わってくるのです。

ご無沙汰している人に連絡する時、相手の近況を気にするように見せて、実はこちらの近況を気にしてほしい、なんてことが少なくないように思います。ですが、その友人はまず自分の近況を示してくるのです。前向きな言葉とともに。それは決して独善的な自己主張ではなく「俺は元気だ。だからお前も元気でいろ」と言わんばかりの、友人なりの存在証明と激励とに聞こえてくるのです。だって、気付けばこちらも元気が湧いてきたりするのですから。

そんなことを感じてからは、その友人に連絡する時、元気であろうが元気でなかろうが、まずは「俺はここにいる!」ということを意識して発信するようになりました。存在証明のお返しと元気をくれることへの感謝を込めて。

でも、やはり返信が来ることは滅多にないのですけどね。

 

本日はご来場いただき、誠にありがとうございます。

どうぞ、最後までごゆっくりご覧ください。