SGEPSS

Conductivity Anomaly (CA) 研究会

Conductivity Anomaly (CA) 研究会とは?


CA研究会は、地震や火山活動に関係した電磁気現象、および地球や惑星内部の電磁気学的構造を研究対象とする研究者・学生の集まりです。研究手段は、野外観測、海底観測、人工衛星観測、室内実験、数値実験など多岐にわたります。また、観測手法や観測装置の開発、得られたデータの解析手法の開発などにも取り組んでいます。本研究会は、1950年頃開始された組織的研究を先駆けとしており、1967年以後はほぼ年1回のペースで、情報交換や研究発表を目的として研究集会を開催しています。また2000年頃からは、地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)の分科会としても活動しています。


CAってなに?

CA研究会がCabin Attendantの研究をしている団体かと思われた方には申し訳ございません。我々の研究会名にあるCAは "Conductivity Anomaly"(電気伝導度異常)の略です。電気伝導度とは、電気の通りやすさを表す物理量のことで、「電気伝導度異常」とは、地下の電気伝導度が周囲よりも顕著に高い部分や低い部分のことをいいます。

CAと地磁気観測

CAの存在は地磁気変化の観測から発見されました。地磁気すなわち地球の磁場は、地球の自転や太陽活動など様々な原因で時々刻々と変化しています。変動する磁場の中に置かれた導体には「電磁誘導」と呼ばれる現象が起こり、結果としてその導体には「誘導電流」が流れます(この現象は皆さんのご家庭にあるIH炊飯器と同じ原理です)。地球は導体ですから、地磁気の変化によって地下には誘導電流が流れることになります。もし地下に強いCAが存在すると、電流は電気伝導度の高い通路に集中して流れます。電流はさらにそれを取り囲むような二次磁場を作りますから、CAの向こう側とこちら側では磁場の方向に違いが生じることになります。このように、場所によって地磁気変化に違いがあると、その地域の地下にCAがあるのではないかと考えられたわけです。

CAの今昔

皆さんは、図鑑などで、地球の内部構造が地殻/マントル/外核/内核のように球殻状のモデルで説明されているのを見たことがあると思います。しかし、実際の地球にはこうした深さ方向の違いだけではなく、水平方向にも強い不均質があることがわかっています。地下の電気伝導度の不均質(つまりCA)は、かつては珍しい事象と思われていたので、「中部日本異常」とか「東北日本異常」などのように固有名詞が付けられたりもしました。しかし現在では、地殻やマントルの不均質は普遍的なものであることが知られるようになったので、CAにこうした地域名を冠して呼ぶことはまずありません。また「異常」に由来するCAという言葉が専門用語として使われること自体も今では少なくなっています。現在のCA研究会では、上に述べた狭義のCAそのものに限らず、電磁気的な手法による地下構造探査一般や、地殻活動に関連する電磁場の変動にも研究対象が広がっています。

日本地球惑星科学連合 連合大会

JpGU Meeting 2023 にて、S-EM14 Electric, magnetic, and electromagnetic survey technologies and the scientific achievements 【5月23日(火)・24日(水)】がハイブリッドで開催されました。

秋学会

第154回 地球電磁気・地球惑星圏学会 総会・講演会で 、R003地球・惑星内部電磁気学(電気伝導度、地殻活動電磁気学)のセッションが一部ハイブリッドで開催されました。

20239月25日()  9:00-12:30 (ポスター発表)@ ポスター会場(H-04 合同C棟

20239月25日()13:45-18:15 (口頭発表)@ D会場(H-24 物理系講義棟)

研究集会

2023年度CA研究会を以下の通り開催しました。

「地球電磁気学的手法による地球内部構造研究と室内実験結果の総合解釈」

   東京大学地震研究所共同利用

                  2023年12月26日()09:00 〜 16:35


The 26th EM Induction Workshop, Beppu, Japan, 2024

IAGA Division VI 主催の地球及び惑星内部構造研究に関する国際ワークショップが、2024年別府にて開催されます。

詳しくは、こちらをご参照ください。

CA論文集アーカイブ

CA研究会では、1966年より研究集会で発表された内容を、論文集として取りまとめております。Web上での公開に同意いただけた論文のみ、以下のページに掲載しております。

CA論文集アーカイブ