これまでは波圧を重複波圧と砕波圧に区分して考え、それぞれに対して個別の式を適用してきました。その結果、一つの防波堤に作用する波圧はある水深で不連続となってしまいます。このようなことから合田は新しい波圧の算定式を提案しました。
このとき、Hbは砕波波高 [m]、haは防波堤から5H1/3だけ前方の水深 [m]、dは捨石マウンドまでの水深 [m]、α1は周期に関したパラメータ、α2は捨石マウンドに関したパラメータ、α3は直線近似に関したパラメータです。
では、例題を1問解いていきます。
例題1:水深12 [m] にある下図のような防波堤に、有義波の波高5.5 [m]、有義波の周期11 [s]、換算沖波波高6 [m]の波が入射角15°で入射するときの水平波力と鉛直力を求めよ。ただし、海底勾配は1/100、海水の単位体積重量は10.1 [kN/m3]、天端幅は5.0 [m]、堤防幅は15.0 [m] とする。
次に、波高の最大値を求めていきます。
さらに、係数を求めていきます。
では、波圧と揚圧力を求めていきます。
最後に、水平波力と鉛直力を計算します。
まとめとして、重複波圧と砕波圧に区分せずに波圧を求める式として合田式があります。