全ての物体には、質量があります。水にも例外なく質量が存在しており、1 [L] で1 [kg] となります。また、質量に重力加速度を掛けたものを重力または重量と呼びます。物理学では重力と呼ぶことがほとんどなのですが、水力学では重量と呼ぶことが多いので、ここでも重量と呼び名を統一しておきます。
このとき、Wは重量 [N]、mは質量 [kg]、gは重力加速度 [m/s2] です。
物質の重さを比較する方法として密度があります。水の密度は1,000 [kg/m3] であり、1 [m3] の容器に水をまんべんなく入れると1000 [kg](1トン)にもなります。実際は、温度や気圧により体積が変化するのですが、微量であるため水力学ではほとんどの場合で無視します。密度を式で書くと次のようになります。
このとき、ρは密度 [kg/m3]、Vは体積 [m3] です。
ちなみに、海水の密度は1,030 [kg/m3]、油は720 [kg/m3]、エタノールは790 [kg/m3]、水銀は1,400 [kg/m3] くらいです。海水が水より重いのは、酸素や水素の他にナトリウムやマグネシウムなど様々なものが混ざっているからです。また、油が水に浮くのは、油の密度が水より小さいからです。このように、比較することで物体の特性がよく見えてきます。
密度以外の比較方法としては単位体積重量があります。水力学ではあまり使いませんが、土質力学ではよく使うので覚えておいて下さい。水の単位体積重量は9,800 [N/m3] または9.8 [kN/m3]です。式は次のようになります。
このとき、γは単位体積重量 [N/m3] です。
他の比較方法としては比重sが挙げられます。比重は物体の密度を水の密度で割った値であり、単位は存在しません。当たり前ですが、水の比重は1.00となります。土質力学では比重の記号がGになるので注意して下さい。
このとき、sは比重 [単位なし] です。
まとめとして、物体の重さの表現方法には重量W、密度ρ、単位体積重量γ、比重sがあります。水の場合は重量W=9.8 [kN]、密度ρ=1,000 [kg/m3]、単位体積重量γ=9.8 [kN/m3]、比重s=1.00となります。