1.3 躍度

躍度(やくど)は単位時間当たりの加速度の変化率を表します。物理で習うことはないので、聞いたことがない人も多くいると思います。躍度は人間の感覚と密接に関係しており、躍度が大きいと人は不快に感じるといいます。

例えば、車のブレーキです。運転の下手な人の車に同乗していると、ブレーキのたびにショックを感じることがあります。運転者本人は気付きにくいものですが、乗り物酔いしやすい人や体調の悪い人にとってこのショックはかなり苦痛となります。一方、上手な人は、いつ停止したかわからないくらいスムーズに車を停止させます。

躍度を徐々に下げることは周りの人に不快感を持たせなくすることが出来ます。エレベーターでなんだかよくわからないけど気持ち悪いと感じる経験をしたことがあると思います。その不快感の元も躍度です。あまり知られていませんがけっこう重要だったりします。では、躍度の式を導出します。

このとき、Jは躍度 [m/s3] です。

躍度が0のとき、加速度aは一定となります。つまり、j=0のとき、等加速度直線運動となります。また、躍度が一定のときは等躍度直線運動(わかりやすく説明するための造語です)となります。等躍度直線運動のときの加速度、速度、距離は次式になります。

速度は微小距離を時間で微分することにより求められます。また、加速度は微小距離を時間で二階微分することにより求められます。つまり、躍度は微小距離を時間で三階微分することにより求められます。

躍度は別名、加加速度またはジャークとも呼ばれています。大きな躍度は、生物に不快感を与えたり、機械装置に対して損傷を与えたりすると覚えておいて下さい。