一般に固体物質は力を加えると変形し、力を加えるのをやめると元の形に戻ろうとする復元力が働きます。この性質を弾性といい、そのときの力を弾性力といいます。一方、変形したまま、元に戻らない性質は塑性と呼ばれるので覚えておいて下さい。変形による変位が小さいときは、弾性力の大きさは変位の大きさに比例します。これをフックの法則といい、式で表すと次のようになります。また、バネはこの比例関係が広い範囲で成立するので、問題によく取り上げられます。
このとき、kはバネ定数 [N/m]、xは変位 [m] です。
では、バネを直列に繋いだときと並列に繋いだときの合成バネ定数を求めていきます。まずは、直列つなぎのバネからです。バネとバネが繋がる部分と重りがある部分で運動方程式を立てていきます。ちなみに、ばねが伸び縮みしない通常の長さを自然長をいいます。
この式から、合成バネ定数は直列つなぎをすることにより小さくなることがわかります。次に、並列つなぎの合成バネ定数を求めていきます。
上式からバネを並列つなぎすると合成バネ定数はどんどん大きくなることが分かります。フックの法則は17世紀におけるイギリスの哲学者ロバート・フックによって発見されました。フックはその他にも生体の最小単位をcell(細胞)と名付けたことでも有名です。フックの肖像画は王立教会を移転するときに行方不明になっており、現在も見つかっていません。肖像画は1枚も現存していないのはニュートンと対立していたのが原因ではないかと言われています。ちなみに、右の絵は2004年に想像で描かれたものです。