物理学の話をするときは必ず速度の話から始まります。速度は物体が進んだ距離を経過時間で割ることにより求まります。この速度を平均速度と言います。
このとき、vは速度 [m/s]、xは距離 [m]、tは時間 [s] です。また、⊿は差を表します。
速度には平均速度ともう一つ、瞬間速度があります。車や新幹線のスピードメーター、球速の測定などは瞬間速度が表示されています。平均速度の時間差を小さくしていくと、平均速度の値は一定値に収束していきます。この値が瞬間速度であり、式にすると次のようになります。
このとき、limは極限に近づけるという意味を持っています。極限には、0か無限大∞しかありません。瞬間速度の式では、時間差⊿tを限りなく0に近づけています。また、時間差⊿tを限りなく0に近づけることを毎回表記するのは面倒です。そこで、差を表す⊿の代わりに小文字のdで表わすことができ、これを微分といいます。瞬間速度は微小距離を時間で微分すれば求まります。
この世界の速度には限界があります。その限界速度で動き続けている物質があります。それは光です。光の速度を光速といい、光速の値は299,792,458[m/s](約3億メートル毎秒)です。1秒間で地球をおよそ7週半することができるほどの速さです。また、光より速いものは存在せず、光の速度は常に一定です。これを光速度普遍の原理といいます。