日本学術振興会 先導的人文学・社会科学研究推進事業(領域開拓プログラム) 公開研究会
課題名:脳機能亢進の神経心理学によって推進する「共生」人文社会科学の開拓
”ここちよい” ”つらい” 感覚の科学
ー多様な感覚をもつ人同士の共生社会に向けてー
生活の中で接する刺激は、例えば、目に飛び込む街灯の光、スピーカーから流れる音、赤ちゃんが母親と触れ合う感触など、多種多様です。そうした刺激は、人によって受けとめ方に差があり、”つらい”、”ここちよい”などと感じます。感覚の個人差や、発達過程、またはその障害などといった、感覚の特性に合わせて住みやすい環境を提案することが望まれます。本研究会では、こうした感覚の発達に関わる研究の最新の研究成果を紹介し、建築士から、負担の少ない自然と調和した生活環境についてレクチャーをいただきます。
※ 参加登録数が定員に達したため、参加申し込みの受付を終了いたしました。
たくさんのお申込みありがとうございました!
日時:平成30年12月26日(水)16:30~19:00(開場16:00)
定員:50名
会場:筑波大学 東京キャンパス 文京校舎 122講義室
参加費:無料
16:30~16:45 研究プロジェクト説明
(筑波大学芸術系/小山慎一)
16:45~17:15 「脳の興奮の調整と自閉スペクトラム症の感覚過敏」
(国立障害者リハビリテーションセンター研究所/井手正和)
自閉スペクトラム症者の多くが抱える感覚過敏は、周囲から共感を得ることが困難であることから、生きにくさの原因になっています。我々は、当事者が時に示す、高い知覚・認知能力に着目し、その基になる脳内の興奮状態と、それを調節する神経伝達物質の状態が、感覚過敏につながる可能性を検討してきました。周囲から見えづらい症状の科学的理解を深め、”感覚のバリアフリー”を実現する環境づくりについて考察します。
17:15~18:00「触れ合いで起こる親や子どもの行動生理変化」
(東邦大学医学部/吉田さちね)
人間の赤ちゃんも含め、多くの哺乳類のこどもにとって、適切な親子関係は生きていく上で欠かせません。視覚や嗅覚、皮膚感覚など様々な感覚を駆使して、親と子は絶えずダイナミックな情報交換を行っています。親子関係の構築には、親だけでなく、こどもから親への働きかけも深く関わっています。今回、親子の身近なスキンシップ「抱っこ」を科学的に検証した研究をご紹介し、ここちよさの発達という観点から考察します。
18:00~18:40 「ここちよい住環境をつくる試み 」
(ヒダマリデザイン設計室/太田陽貴)
当事務所では、陽だまりのようなここちよい場所をデザインすることをコンセプトに活動しています。ここちよさは、自然の中にヒントがあると考えております。おひさまの光(自然光)の取り込み方、夜の灯り(人工照明)の設え、風通し、木の香り、漆喰の手触り等、自然や自然素材の力を借りた、ここちよい住環境をつくる試みを事例を挙げてご紹介します。
18:40~19:00 指定討論&ディスカッション
(中央大学文学部/緑川 晶)
参加申し込みの受付を終了いたしました。
たくさんのお申込みありがとうございました。
アクセス:
筑波大学 東京キャンパス 文京校舎 122講義室
丸ノ内線茗荷谷(みょうがだに)駅下車「出口1」徒歩5分程度
〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1
主催:
○日本学術振興会「課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業 領域開拓プログラム」「脳機能亢進の神経心理学によって推進する「共生」人文社会科学の開拓」
共催:中央大学研究開発機構(研究ユニット:発達障害と認知症の連続的理解 )
中央大学人文科学研究所研究会チーム「高次脳機能の総合的理解」