戦後、広島、長崎の原爆の悪夢から77年。今年もオンライン文化祭で「核廃絶」を訴えたいと思います。
なぜ私たちがこれを訴え続けるのか。その理由は、成城の歴史の中にあります。
昭和29年、成城高校三年生の千葉亮君が白血病に倒れました。原因は、彼が広島を襲った原爆の被害者だったからです。当時の生徒会は、「この悲惨な現実を世間に訴えなければならない」という必要性を強く感じ、記録映画の製作を決定しました。しかしこの映画の製作中、千葉君は若き18年の生涯に別れを告げました。その後この映画は完成し、「無限の瞳」と名付けられ、全国的に大きな反響を得ました。
この自主制作映画は、ポーランドのワルシャワで行われた世界青年平和友好祭に日本代表作品として出展され、総合第2位・脚本賞を獲得しました。
そして、彫刻家の西川宗舟氏が、「千葉君の死に対する怒りと原爆の恐ろしさを永遠に忘れないように」と、「平和の像」を制作してくださいました。この像は今も本校の体育館の前に飾られています。
現在、世界では多くの国々が核を保有しています。今後、千葉君に起こった悲劇が二度と起こらぬよう、私たちは活動を続けます。
核廃絶に向けて、私たちは署名活動を行っています。署名によって、すぐに核兵器がなくなるとは限りません。しかし、日々の生活の中でも戦争から目をそらさず、世界で唯一の被爆国である日本から平和のメッセージを発信することで、一人一人が平和を愛し求める心を持つことができるのではないかと思います。