資料②読書興味の発達表

1.子守り期

平均的な年齢:2歳~4歳

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⑴子守り話(2歳から4歳)

子守り話即興の作り話 

 ⇒短い。                

 ⇒聞き手の子ども自身や語り手の大人が主人公(動植物や無生物の場合も)

 ⇒しつけ話・知恵話・楽しみ話

ⅰ自分たちの日常生活のひとこまを言葉にして再認識する。

ⅱリズムやユーモアがありごくわずかに教訓が配合されている。

※生活の基本的習慣の自立を促す。(社会的適応を支援)

⑵絵本(3歳から6歳)

①生活絵本

②観察絵本(生活の周辺にあるものを命名させる)

③観賞絵本

ⅰ字は読めないので読んで聞かせる。

ⅱ絵について話し合う。        


2昔話期

平均的な年齢4歳~6歳

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⑴絵本 (4歳から6歳)

①やさしい科学絵本

②あいうえお絵本

③かずの絵本

④物語絵本

※自己主張を禁圧せず、

自己中心的想像(物語)の世界で物事の道理をわきまえるよう導く。

  (個人的適応を支援)

⑵昔話(4歳から8歳)

①御伽草子に載っている日本昔話(桃太郎、カチカチ山)

②グリム

ⅰ時と所を超越した現実から遊離した世界。

ⅱ素材は子どもの身辺の生活環境からとられている。

ⅲ無生物が生きて登場し抽象的な観念は物体に表現され、魔法が真実として語られる。

ⅳ物語としての首尾をなし明確な価値判断に導く.

3.寓話期

平均的な年齢:6歳~8歳

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⑴昔話 (4歳から8歳)

⑵寓話 (6歳から8歳)

①昔話の形式を短くし単純な社会生活上のモラルを加えた例え話。

※成人の判断を無条件で受け入れる。

⑶逸話 (6歳から8歳)

①実在の偉人英雄の幼年時代のエピソードのうち社会的に是認された望ましい行動の手本

(広い社会場面への適応を支援)

4.童話期

平均的な年齢:8歳~10歳

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⑴生活童話  (6歳から10歳)

①現実の子どもの世界に取材してこれを想像で裏付けたもの。

※芸術なものへの興味志向として現れる芸術性。客観的な現実を理解。

②詩的内容で正義を学ばせるもの。

 (アンデルセン、宮沢賢治)

⑵英雄物語  (8歳から12歳)

①英雄崇拝の心情をそそるもの。正義の味方、弱者救済に赴く勇気。

⑶架空物語  (9歳から13歳)

①故意に現実を超えた想像を楽しませるもの。

 (アラビアンナイト、ほら吹き男爵)

⑷初歩科学書 (8歳から12歳)

①図鑑

②自然や社会の真実を引き出す本。

5.物語期

平均的な年齢:10歳から12歳

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⑴英雄物語  (8歳~12歳)

⑵架空物語  (8歳から13歳)

⑶少年少女物語(10歳から13歳)

①少年と少女が複数で登場する。

②現実の子どもの社会生活上の問題が提出される。

③友情と正義とで解決される過程を描く

ⅰ世界名作の大部分はこれに属する。

⑷少年少女文学(11歳から13歳)

①少年や英雄を主役にした平易な文学。

 坊ちゃん、トムソーヤー、宝島

⑸冒険物語  (11歳から13歳)

①設定された行動の障壁を勇気によって解決。

⑹推理物語     (11歳から13歳)

①障壁を知的な洞察によって解決する過程を描く。

⑺スポーツ物語(12歳から13歳)

①チームワークとフェアプレイを描く。

⑻感傷物語  (12歳から15歳)

①弱いものへの同情。

⑼発明・発見物語 (12歳から15歳)

①科学者や偉人の成し遂げた苦心の跡をしのぶ物語。

6.伝記期

平均的な年齢:12歳から14歳

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⑴架空物語  (9歳~13歳)

⑵少年少女物語(10歳から13歳)

⑶少年文学  (11歳~13歳)

⑷冒険物語  (11歳から15歳)

⑸推理物語  (11歳から13歳)

⑹スポーツ物語(12歳から13歳)

⑺感傷物語  (12歳から15歳)

⑻発明・発見物語(12歳から15歳)

⑼伝記    (12歳から15歳)

①史実に忠実なのもの。

⑽ロマンス  (13歳~)

①夢のような恋愛・冒険・怪奇などの異常事件を誇張して書いたもの。

 モンテクリスト伯、ああ無常

⑾大衆文学  (13歳~)

①男女の役割と交渉を理解させることと義理人情の矛盾を考えさせる。

⑿科学入門書 (13歳~)

①趣味が分化し一部の者が興味を持つ。

7.文学期

平均的な年齢:14歳から

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⑴推理(11歳~15歳)

⑵感傷物語(12歳から15歳)

⑶発明・発見物語(12歳から15歳)

⑷伝記(12歳~15歳)

①市井の隠れた人たちが、真剣に取り組んだ人生の中に真実があることを知らせる。

⑸伝奇文学  (13歳~)

⑹大衆文学  (13歳~)

⑺純文学   (15歳~)

8.思索期

平均的な年齢:17歳から

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⑴伝奇文学  (13歳~)

⑵大衆文学 (13歳~)

⑶純文学   (15歳~)

⑷思索書   (16歳~)

断片的な随筆から読みはじめこの時期には人生論や幸福論などに興味を持ち19歳ごろには哲学書を読みはじめる。

⑸宗教書   (19歳~)

『聖書物語』などは11歳ごろから読まれているが、このころから宗教に属しない者も、『聖書』『経典』などを直接読むようになる。

⑹学術書   (20歳~)

各自の社会的貢献の予定がおよそつくと、専門の学術書が読みはじめられる。

『新編学校図書館通論』(図書館教育研究会編著/学芸図書刊)p.240~246を参照して作成。