資料①読書技術の発達

1.読書入門期

発達段階:読書レディネスが成熟し、

文字の学習を開始するまでの時期。

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⑴読書レディネス期

対象年齢5歳から6歳半

特徴的傾向▷

①お話を聞きたがる。

②絵本を見てそら読みする。

③文字をおぼえ始める。

読書開始期

対象年齢▷1学年1学期末ごろまで

特徴的傾向▷

①読みのレディネスが成熟し一文字ずつ拾い読みしながら読む。

②本を読んでもらいたがる。

2.初歩読書期

発達段階:基礎読書力が

成熟するまでの時期。

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⑴独立読書開始期

対象年齢▷1学年2学期ごろまで

特徴的傾向▷

①意味が簡単で明瞭なものであって、

未知の語が頻繁に出てこないものならば、独立して読みはじめる。

②未知の語の意味や発音を,前後の関係からつかむ初歩の技術を得る。

③まだ一語ずつ拾い読みするので、速度は極めて遅い。

⑵読書力習熟期

対象年齢▷1学年3学期から2学年1学期ごろまで

特徴的傾向▷

①読解語彙の量が増し、新語を解釈でき、

やや頻繁にそれが出てきてもまごつかず、文意がつかめる。

②読む際の唇の動きはほとんどなくなるが、

文字言葉を話し言葉に翻訳して、内語を行っている。

③まだ一語ずつ読んでいて、速度は遅い。

⑶基礎読書形成期

対象年齢▷2学年2学期から3学年末ごろまで

特徴的傾向▷①初歩の読書技術が急に器用になるのが目立つ。

②ひと目で句がとらえられ、意味の単位が速くつかめる。

③速度が速くなり、なめらかで楽になる。

④眼球の停留が少なくなり、走り読みもできる。

⑤「話しでの読み」から「考えでの読み」に移る。

3.多読期

発達段階:読書技術が成熟して

多読傾向になり、

目的に応じた読書ができるようになる時期

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⑴無差別多読期

対象年齢▷3学年末から5学年中ごろまで

特徴的傾向▷

①自発的に何でも読むようになり、むしろ乱読の傾向にある。

②読んだことの理解と記憶がよくなる。

③読みの速度は上がり、自由自在に読書の技術を使って読めるが、

適書の選択では不十分なところがある。

⑵選択的多読期

この段階に入るとすぐ発達がとまり

かたよった面だけに発達するものなどが出てくる)

対象年齢▷5学年の中ごろから中学1年末ごろまで

特徴的傾向▷

①自分の必要とする問題を解決するために

適当な文献を選びその内容を評価したり、

観賞したりすることができる。

②速読・観賞などを、資料によって使い分けることができる。

4.成熟読書期

発達段階:成熟した読書人としての

水準に達する時期。

(この段階に達しない子どももある。)

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⑴共感的読書期

対象年齢▷中学2年ごろから 高校1学年末ごろまで

特徴的傾向▷

①読書における共感を求めて、

それに応ずる読書材を読むので多読の傾向は次第に減少する。

②読書技術は一層熟練し、

大人の水準で書かれた読書材を読みはじめる。

③共感・感動の書を発見すると、繰り返して耽読する。

⑵個性的読書期

対象年齢▷高校2年ごろから   

特徴的傾向▷

①大人の水準で書かれた読書材

あるいは学術論文を読みこなせるようになる。

②読書の目的・資料に種類に応じて適切な読書技術を用い、

そして思考し、評価し、比較し、統一することができる。

その結果を、自分の個性の伸長に役立てる。

『新編学校図書館通論』(図書館教育研究会編著/学芸図書刊)p.238~240を参照して作成。