東京科学大学理学院物理学系の松下研究室です。このたび、新しくホームページを開設しました。これから少しずつ内容を充実させていきたいと思います。
2026年7月15日 松下 道雄
松下研が得意とする顕微鏡開発
図1. 3次元ナノスコピーの結像系
図1は、クライオ条件にある生体分子の三次元配置をナノメートル分解能で1分子観察するために開発した「3次元ナノスコピー」の結像系の写真です。
この結像系は、2025年度に博士号を取得した成瀬寛太博士が開発したものです。一見すると光学素子が雑然と並んでいるように見えますが、精密な光学設計に基づいて配置されており、それぞれの素子の機能と位置には意味があります。
この装置を用いて、長さ19 nmの二本鎖DNAの長さや向きをクライオ条件で1分子観察することに成功しています。これは、世界初の快挙です。
K. Naruse et al. J. Phys. Chem. B, 129, 11006-11014 (2025).
図2. チタン製試料インサートホルダーの図面.
図2は、我々がクライオ蛍光顕微鏡で用いているチタン製クライオインサートの図面です。このような図面をもとに、当時、修士の学生だった古林 琢博士が図3に示す装置を制作しました。古林博士は、この装置を用いて、世界初の三次元オングストローム精度の1分子観察に成功しました。
松下研究室では、学生一人一人が考え、必要な部品を設計・製作し、世界最高性能のクライオ顕微鏡を作り上げています。
図3. 制作した試料インサートホルダー.
生命科学者との共同研究
図4. フィコビリソームの立体構造が電顕で見えた日に.
東京農業大学・渡辺智研究室の皆さん(右の二人)と、光合成アンテナタンパク質について共同研究をしている時の写真です。後ろには、日本電子製の電子顕微鏡JEM-1400。モニターには、私たちにとって初めて見えたフィコビリソームが映っています。
私たちは顕微鏡開発を得意としていますが、生命科学については学ぶことだらけです。生命科学を専門とする方々と一緒に研究することで、色々と教えてもらいながら、研究を進めています。