総葉鉄道

「この鉄道が好きだからですよ、先輩。」

 かつて軍用路線として敷かれたレールは、千葉を繋ぐ鉄道へと変貌する。

 鉄道連隊演習線が丸々とある私鉄に転用された世界線の架空鉄道、それが総葉鉄道である。
 東日本旅客鉄道や東京地下鉄株式会社など、他の現存の鉄道会社は存在しているが、唯一実際に軍用レールが使われている新京成電鉄は存在しない。総葉鉄道は千葉特化型私鉄として京成電鉄をライバル視している。

 東郷は最近総葉鉄道に入社したひよっこ鉄道員。新人ながらも持ち前の頭の良さで駅務をしっかりこなしている…が、それ以上に社内ではよかれ悪かれ有名人だ。整った顔立ちに惹かれる女性陣、要領のよさに期待する上司たち、その不敵な笑みに警戒する同期たち。だがそんな噂が流れていることに対し、彼は全く気に留めていない、もしくは気づいていない。

 キャラの濃い後輩が入ったことに頭を悩ませたのは、長南駅の駅務員・興津である。仕事ができることが、逆に面倒を呼ぶ結果となってしまったのだ。
 世話役をいつの間にか与えられてしまった興津。優等生で問題児な東郷。

 今日も彼が騒動を起こさなければいいのだが。

千葉市を中心に野田、成田への元軍用路線に加え、南房総への線路を展開しYの字に千葉を縦断する。使用車両は通勤電車から機関車までと幅広い。 東京方面では乗り入れを実施したり、房総の方では観光に力を入れたりと 適材適所を心掛けている。
 コーポレートカラーはローズレッド。ローズとついているが、千葉の花である大賀蓮をイメージしている。
 制服は軍服を意識してデザインされている。鉄道制服は珍しいデザインとして、一部で人気があるようだ。

 各路線は以下のとおりである。

 現在使用されている車両は独自の近郊型車両、『五〇〇〇式電車』とかつて鉄道連隊にて使用されていたものを復元させた『K2形蒸気機関車』がある。(画像は試作時の五〇〇〇式電車)
 主力である五〇〇〇式は安定感があり、快適な車内に人気がある。静かな加速と、小さい走行音、運転のしやすさも癖がなく高い評価を得ている。しかしスピードはあまりでない(最高速度95km)。カーブやトンネルが多いため、速さの優先順位が下げられたが故の仕様。そのため、直通の場合には各駅停車しか運行できないという欠点がある。
 成田空港やゴルフ場、山登りへ向かう人が多いことから、大荷物への配慮が目立つ。料金はそのまま、心地よい旅を大切に、数年前に他社の特別急行にも劣らない広々とした車両が導入された。
 各路線のカラーとコーポレートカラーが前面と側面のラインに反映されており、前面にはカーブのきいた近代的なデザインが施されている。前部標識は上に、後部標識は下にある。

 有人駅、無人駅ともに存在している。無人駅の管理は近くの有人駅、または少し離れた大きな駅が担当する。各路線には10駅程度配置され、それぞれの始発駅かつ中心駅は総葉千葉駅となっている。
 路線ごとに特色があり、乗ってみれば同じ会社内でもサービスの毛色が異なることがわかる。習志野線はせわしく、下志津線は気が強く、主基線はゆったりとした雰囲気を感じることができるだろう。

 乗務員は”野田運輸区”、”成田運輸区”、”主基運輸区”、”千葉車掌区”のいづれかに所属している。創立時は千葉に設けられた”総葉統括センター”のみであった。
 運転士は”鷲沼車両基地”へ担当の編成を迎えに行く。乗務員交代は基本総葉千葉駅と終点駅にて行われるが、路線途中にて交代するダイヤも存在する。