鉄路統括センター
- 世界観
『__開発され、利用され、愛されるものには魂が宿る。』
愛と期待を込めて作られた路線たちは、開業したと同時に身体を得る。それは新橋と横浜を繋いだときから変わらない文化であり、神秘だ。
世間でも彼らは広く認知されており、【付喪神】の一種であるとされている。中にはアイドルのごとく注目を集める活動をするものもいれば、社員に交じり日々業務をこなすものもいる。
人間の姿をした、人間ではない何か。そんな彼らを研究対象とするものや、警戒する人々、敵対視する派閥などがあり、必ずしも認められているとはいえない。しかし、親となる鉄道会社が点検、警備をすることで、彼らは守られる。
路線のみならず、造られたモノが身体を得ることがある。かつて大空へ旅立ったモノにも、海洋を切り開いたモノにも、その存在は確認されていた。
生まれる条件、身体の成り立ち、存在意義など、彼らの秘密は何も明かされていない。
- 路線たち
路線の付喪神で確認されているのは男性のみである。生まれたときは幼い見た目をしているが、年代を重ね、沿線が賑やかになっていくほど、彼らは成長していく。その心は地域に寄り添ったもので、お客さまと同じくらいに、自分のもとで働く人々を敬愛している。
彼ら自身、自分のことはよくわかっておらず、ただ本能的な使命に沿って日々を過ごしている。物理的な攻撃で傷はつけど、外傷による痛覚は無く身体が壊れることはない。実質不老不死である。廃線になるとその姿を見せることがなくなる。
全ての人の安全と、スムーズな運行が路線たちの使命である。これらは彼らの体調に直結しており、事故や事件、遅延があると、該当の路線の体調が悪化する。点検や工事の際は、療養に近い扱いとなる。
路線たちの制服は、親となる鉄道会社が制服を専用のものに仕立て上げなおして供給している。アレンジの仕方は各鉄道会社によって変わるが、路線の色や車両をモチーフにすることが多い。廃線となったモノたちには白服が支給される。
彼らの生活は人間と変わらない。朝起き、ご飯を食べ、活動し、就寝する。しかしこれらは彼らが好んで行っていることであり、本来はやらなくても健康を害することはない。
住居は持っておらず、駅や運輸区などで泊り勤務の社員と同様に活動する。一緒に食堂で食べたり、風呂を共にしたりすることを楽しみとするモノもいる。
彼らに休暇はあるが、体調と運行状況の繋がりが途絶えることはない。路線ごとに個性が強いため、休暇の過ごし方も路線それぞれである。だが外出が好きなものは、上記の理由から旅先で具合を悪くする場合も少なくない。
彼らの生活費や資金は経費として処理される。月末に来月の予算が与えられる場合が多い。
以上の彼らの特徴は共通と思われるが、例外も存在する(お客さまより仕事を優先したり、非人間的生活習慣を持っていたり)。その個性は社員たちへ共有され、影響を与える。故に路線単体のみならず、従業員も担当路線ごとに路線の個性が反映される傾向がある。
いずれにせよ路線は鉄道会社に必要な存在であり、また鉄道会社は路線に欠かせない存在となっている。
- 年齢順
それぞれ開業を基準に歳が与えられている。あくまで後付けの概念に過ぎず、決定的な年齢は存在しない。見た目は路線の中で相対的に決まることが多い。
路線たちもこれに従って先輩後輩や家族構成などを捉えている。
京葉線 1975/05/10
武蔵野線 1973/04/01
内房線 1912/03/28
横浜線 1908/09/23
外房線 1896/01/20
総武線 1894/07/20
横須賀線 1889/06/16
中央線 1889/04/11
- 車両たち
車両には1編成毎に手のひらサイズの車両の形をした付喪神がついている。その見た目から、神というより、妖精とされることが多い。運行中ならば車内(主に運転席)におり、車庫中ならば自由に行動することができる。
言語を話すことはなく、警笛やミュージックホーン、発車メロディーなどを発する。
路線たちはペットのように可愛がっており、餌付けをしたり、一緒に遊んだりしている。車両もまた撫でられて楽しんだり、肩に乗って戯れていたりする。
車両たちは日頃手のひらの大きさだが、もしものときは実物大に変化することができる。実際の車両とは存在が異なり、車両数も自在に変えることができる模様。その姿では触れることはできないが、車両側が接触を試みた場合のみ対物判定がなされる。
ときおり、特別な車両には路線同様人型の存在が確認されることがある。彼らは車両の特性を引き継いでおり、また路線の性格を反映しているモノもいる。
人型の車両たちもまた、路線たちには子供のように親しまれている。
- 作者より
鉄道擬人化の中でも、車両や駅と比べると、路線は少々マイナーなように感じます。路線としてのキャラクター(近況情報や特徴)に特化しなければならないからでしょうか。
弊社擬人化は、路線としてのキャラクター性と制服に特化しています。故に、都心など有名なところからではなく、普段使用している路線から順々にキャラクターを考えております。路線として、そして地域として作者なりの解釈を施し、沿線の方からは「なるほど」と、遠くの方には「そうなんだ」と楽しんでいただけるような作品群を目指しております。
また、制服についてはその会社の鉄道制服をデザインの基としております。弊社の制服への探求を活かせればと思い、採用しました。さらに各個性を引き出すため(そして作者の好みを入れた結果)、既存の制服にそれぞれアレンジを加えたデザインとなっております。それぞれ何が違うのか、よければ探してみてください。
彼らが新しい路線との出会いにつながり、彼らによって路線への愛着が深まる。そのようなお手伝いができれば幸いです。