水稲圃場(田んぼ)で実施された初の本格的な環境DNAメタバーコーディング分析
水田で生物多様性を観測するのに最適なサンプリング回数を検討
圃場の周囲8箇所で採水して、昆虫、魚類、鳥類を対象に環境DNAメタバーコーディング
(本研究の調査圃場では)魚類は数種程度で、4箇回のサンプリングで8回のサンプリングとほぼ同様の種数を検出可能
鳥類も同様に4回の採水で十分だが、鳥については田んぼの水にDNAは多くない感触
昆虫は種数多すぎで(田んぼ1筆あたり数10種以上)8回のサンプリングでも検出されるのは、推定される種数の5〜7割
水口(水路から水を取り入れる場所)は水路由来のDNAが混入するので避けた方がいい
水稲圃場(田んぼ)を利用する鳥類について、目視センサス調査と環境DNA分析を比較
水田の水500mLを使ってMiBirdプライマーで環境DNAメタバーコーディング
目視では18種、環境DNAは8種
目視ではスズメなどの陸生小型鳥類も観測(ただし、そのような小型鳥類も水田圃場内部に侵入していた)。一方、環境DNAは水生で比較的大型の鳥類を主に検出。
鳥類の網羅的観測という観点では専門家による目視調査の方が有効。
環境DNAは目視調査を補完する形で有益(例:夜行性の鳥類を検出する可能性)
おそらく、鳥類は水田圃場内に環境DNAを放出するチャンスが少ない。