乾燥肌と故障
冬の寒い日に、吹き荒れる風。
同じ地域に、2件の家が並んでいます。
片方は外壁が傷んでいて隙間風が入り込む。
もう片方は、入念に壁の手入れを行い、防風・防寒対策は万全。
さて、寒い冬を快適に過ごせるのはどちらでしょうか?
少々無理のある例えかもしれませんが、
家の外壁に相当するのが、人間の「皮膚」なのです。
実は、私自身も現役で走っていた頃は、筋肉のケアや、衣類での防寒ばかりに意識が向き、肌のケアなど考えたこともありませんでした。
しかし、この仕事を始めてから気づいたことがあります。
同じ症状を訴えていても、治療効果が出にくい方(鍼の効きが悪い方)には共通点が見られること。
その一つが「乾燥肌」なのです。
乾燥肌がもたらす内部の冷え
特に素肌を出して走るランナーにとって、乾燥肌は単なる見た目の問題ではありません。
皮膚は外界からの刺激を防ぐバリアであり、同時に体温を保持する役割も担っています。
ところが乾燥によって肌の水分量が低下すると、同時にバリア機能も下がり、筋肉の表層から冷えが進行します。
その結果、筋肉や腱の弾力性が低下し、故障が起こりやすくなるのです。
鍼治療の効果も下がる
鍼は体内に「キズ」をつけて治癒と再生を促すものです。
しかし皮膚が乾燥して内部が冷えていると、当然ながらその反応も鈍くなり、回復力が低下します。
つまり、乾燥肌を放置すると、故障しやすくなり、治療効果までも落ちてしまうのです。
実践的な乾燥肌対策
「1日1回入浴直後に、ワセリンを全身にたっぷり塗る。」
ポイントは
① 目安は1日15g(1週間で100gボトルを使い切るペースで、惜しげなく使う。)
② 浴室内で体の水分を軽くふき取り、脱衣所に出る前に塗る。
→浴室内で塗ってから脱衣所に出ることで、保護膜が冷えと乾燥を防ぎ、冬場でも寒さを感じにくくなります。
③ 白色に近い(精製度が高い)ワセリンを選ぶ。
→匂いやベタつきが少なく、肌なじみが良い。
おすすめは「大洋製薬のワセリンHG(100gボトル)」
→精製度が高く、価格的にも継続しやすい。
(アマゾンなどで、1本400円程度で購入できます。)
アフリカ選手の「ツヤ」は保湿の賜物
アフリカ選手の脚は、驚くほど肌にツヤがあります。
それは体質や遺伝だけでなく、保湿の習慣が根付いていることも大きな要因のようです。
乾燥しがちで日差しの強い地域では、肌を守るために、当たり前のようにオイルを持ち歩き、練習前やケアの時間に入念に保湿をしています。
その積み重ねが、筋肉の柔軟性を保つことにも繋がっているのでしょう。
肌のケアも「トレーニングの一部」
乾燥肌は「見た目の問題」ではなく、全ランナーが今すぐ行うべき対策だと感じています。
つい軽視されがちですが、肌のケアも継続して行うことで必ず効果を実感できるはずです。
まずは外からのアプローチとして保湿が欠かせませんが、当然ながら肌の質は体内の状態とも密接に関連しています。
・毎日、良質ともに充分な睡眠を取ること
・過不足のない食事を摂ること
これらを併せて行うことで、肌質の改善、そして故障予防や回復力向上に必ずプラスになるはずです。