LX200 10" F6.3 (classic) ISO3200 15s x 127 frames EOS6D(normal)
左から、未処理の1フレーム、SIRILによる127フレームのスタック、SIRILでトーンカーブ調整によるストレッチ、PSCCによるストレッチとハイパスフィルターとアンシェープマスク処理です。
M57は小さいけれど輝度の高い天体なので光害の強い街中でもよく写ります。
この頃はまだオフアキシスガイドのシステム導入前につき15秒の短時間露光を多数ショットで撮っていました。
処理はSIRILとPSCCを使って最近、行いました。
ISO3200の15秒露出はこんなに粗いです。
127枚をスタックしたところですがSIRILは32bitで処理するのでEOSのRAWの14ビット画像はこんなに暗く表示されます。
SIRILでトーンカーブを調整してストレッチした画像です。
M1カニ星雲ほどではないですがフィラメント構造がハイパスフィルターで浮かび上がってきました。
PSCCで以下の処理を行っています。
・背景と対象をマスクで分離したトーンカーブ調整
・ハイパスフィルター2段階
・アンシェープマスク
・スターマスク
・彩度強調
・レベル調整による全体トーンの整え
基本的にはM1の画像処理とほぼ同じです。
M1はウェーブレット処理しましたがM57はハイパスフィルターです。
・・・フィラメント構造は実在するのか、アップロードした後、不安になってきました。
上の画像はハイパスフィルターを弱めにかけた画像です。
リングの明るさは一様でなくある種のパターンが認められます。
これは実在するのは確かです。
この濃淡を強調してアンシャープマスクフィルターをかけるとフィラメント構造かのような画像になります。
画像強調の結果、出てきた模様であり作画意図を持って描いたものでないのは確かです。
上の写真の濃淡とフィラメントっぽい構造は一致しているのでノイズのようなものでもありません。
素材画像から何を抽出するのか?という命題に対する処理のやり方一つで意外な絵になる事がこれで分かりますが、それが実体なのかは別の議論です。
自分では答えが出せないので上の画像を追加でアップしました。
「自然さ」という風味ではこちらが正しいとも言えると思います。
2021/03/21追記:M1は超新星爆発の残骸に対してM57は白色矮性として終わりを迎えた星のガスの広がりなので根本的に違う事を失念してました。超新星爆発残骸の場合、衝撃波面にガスが圧縮された(確かそうだったと思う)ガスがフィラメントのようになって見えています。惑星上星雲のM57は誕生の背景が異なるのでフィラメントみたいなのは無いと思います。ガスの広がりの濃淡(発生メカニズムは知りませんが)はあり、濃淡の濃い部分を画像強調すると淡い部分との境目が壁のように現れてくたという事なんだと思います。この方面の物理は知らないので曖昧な言いようですがM1のフィラメントとは全く異なるものであるのは確かです。
発生の理由は別として大口径の望遠鏡で撮影された画像を見るとさらに精細な枝状の構造があります。センサーの波長に対する特性や画像処理過程での波長別の処理にもよりますが、ある種の網目状のパターンは存在するみたいです。
2021/03/24 追追記:惑星状星雲にも衝撃波があるようです。中心星からの紫外線放射によってガスが圧縮されるみたいなメカニズムみたいです。(よう知らんけど)