オーバーラン・ジャット
種族:セントール 性別:M 出身地:ジェグ帝国 氏族:黄色い蹄/軍事
さほど有名でもない傭兵隊の一員。ほとんど出稼ぎ状態で雇われ戦士の旅を続けている。
プレイヤー:チャッピー
フェネルのフェネル
種族:パンサラス 性別:F 出身地:マルディク連合 氏族:毒の牙/犯罪
荒事を得意とする犯罪氏族の党員。氏族の指導者との間にトラブルを起こし、ほとぼりが冷めるまでのあいだ仲間のもとを離れている。(パンサラスとは猫型のヒューマノイド族。黒豹。)
プレイヤー:リサ
ゲームマスター、リプレイ執筆:ナッキー
プレイ日時:1999年7月29日
GM:ランアードというそこそこ賑わった港町がありまして、君たちはそこの宿兼酒場にいる。数日前くらいに隊商護衛とかそんな理由でここまでやってきたのです。
ジャット:ここはジェグ帝国ですか?
GM:どことも決めてませんけど、ジェグにしときましょうか。当然、君たち二人は知り合いね。
フェネル:二人パーティーだよ。
ジャット:酒場でいちばんデカイ二人ずれだろな。(両者2メートルの巨体)
GM:波止場にはジャイアントとかも歩いてますし、そのくらい珍しくないですよ。
ジャット:「見てみろ、あそこ、スリッジがいるぜ」
GM:さて、君たちにここまでの仕事を世話したノーランというブラウニーの男がいます。ある日の午後、彼が君たちのところにやってきて言うわけだ、「やぁ、退屈していないかい?」
ジャット:「いいや、楽しんでいるよ。外を眺めてるだけでも飽きない、いろんな奴がいるもんだ」
フェネル:自分のことは棚に上げてる。
GM/ノーラン:「良い知らせがあるんだ、仕事の話なんだけどどうかな?」
フェネル:「儲け話かな?」
GM/ノーラン:「もちろん」と「商売相手のつてでね、この港じゃ有名な交易氏族の大物から人を紹介してくれと頼まれたんだ。そして俺は、あんたらが最適だろうと思ったわけ」
フェネル:「嬉しいね。また護衛かな?」
GM/ノーラン:「違うと思う。詳しいことは依頼主から直接聞いてくれ。いこう、案内するぜ」
ジャット:交易氏族って商人のことだよね? 「船は勘弁して欲しいなぁ、泳ぎは苦手なんだ」
フェネル:あたしも苦手~。(笑)
GM:はい、港を一望できる高台にある立派なお屋敷までやってきました。そこの庭園で依頼主と面会するわけだ。現れたのは30代後半のハンサムなヒューマンの男性でした、名はリカルドだ。
ジャット:「初めまして、リカルド殿、海を股に掛けた大貿易商殿ですね」
GM/リカルド:「私が、ではないな、私の氏族が、だ」
フェネル:「なるほど」
GM/リカルド:「早速、本題に入らせてもらっても?」
フェネル:「どうぞ、お聞きしましょう」
GM/リカルド:「私の親友に関することだ。名はコーリン」
フェネル:「コーリンさん?」
GM/リカルド:「ああ、彼は我が〈金の羅針〉氏族の指導者の息子だ、一昨年、長が急逝してからは、コーリンが氏族の指導を任されている」
ジャット:ふん? リカルドが偉いんじゃないんだ。
GM:そうみたいだね。
フェネル:「そのご友人に関してなにか心配事でも?」
GM/リカルド:「仲間と向かった遺跡調査とやらの旅から帰ってこない」
ジャット:「なるほど、彼は冒険者だったのですか?」
GM/リカルド:彼は苦い顔で首を振ります。「違う、コーリンは大昔の建物や壺などに興味があるだけだ」
フェネル:「歴史学者?」
GM/リカルド:「違う、彼は〈金の羅針〉氏族の長だ。趣味の範囲なら、カビの生えたガラクタ集めも許されるだろうがね」
フェネル:怒ってるね。
GM/リカルド:「コーリンが港を出てから5日になる、帰る予定を1日こえた」
ジャット:「どこに向かったのです?」
GM/リカルド:「この沖のずっと離れたところにある島だ」
ジャット:「そこに遺跡があるですね」
GM/リカルド:「そう聞いている」
フェネル:「一緒に行った仲間というのは?」
GM/リカルド:「何度かこちらで雇われたことのある者たちだ。素性は問題ないはずだ」
ジャット:モンスターにでも襲われたんだろうか?
GM/リカルド:「明日から1週間、この町に近隣の交易氏族が集まり重要な契約会議が行われる予定だ」
フェネル:「明日からですか」
GM/リカルド:「今回の会合はコーリンの叙任式でもある。これは彼も承知していたことだ。彼は変わり者だが約束は守る男だ、だから心配なのだ、彼の身に何か起こったのではないかとね・・・」
フェネル:いいんじゃないの? 「分かりました、その依頼お受けしましょう」
ジャット:依頼に問題なさそうだ。「できる限りの手助けはしますよ」と言う。
GM/リカルド:「頼んだぞ」
◆二人は船の手配や旅の日程などいくつかの細かい質問を行った後、報酬に関する手配はブラウニーに任せて、自分たちは荷物をまとめるため宿に帰った。次ぎの日、リカルドが用意した小型船に乗り込むことになった。
フェネル:準備オッケーよ! 港に出発するさ!
GM:ノーランが現れて、「報酬ははずんでくれみたいだぜ!」と報告してくれます。
ジャット:「やっほう! 君に任せて正解だったよ」
GM:船着き場を進んで行くと、約束の場所に着きます。バンダナを頭に巻いたエルフが現れ、「船長のヤルスだ」と言う。
ジャット:うお~、海エルフだよ。
GM:ちがうって、船に乗った森エルフだろ。(笑)
ジャット:え~っ、それは残念。
GM:日焼けした小柄なやつだ。
フェネル:かわいい、食べちゃいたい。
ジャット:さあ、さあ、さっそく船に乗り込むぞ、出発しょう。
フェネル:ゴーゴー。
◆目的の島までは1日の船旅だ。二人は目的の島についての情報を船長ヤルスから聞く。そこは大小の島々が点在する場所で、昔は海賊の隠れ家だったこともあるらしいが、今は完全な無人島ばかりだ。コーリンが向かった島は、〈神殿の島〉と呼ばれている、今は忘れられた古い信仰にまつわる場所らしい。
GM:はい、午前に港を離れてまる一日、日暮れ前に島に到着します。
ジャット:船長の話だと、島の中央に神殿があるそうだ。遺跡ってダンジョンのイメージだったんやけど。
フェネル:余談だけどね、君が来る前、マスター、ダンジョン描いてたよ。(笑)
ジャット:マジですか?
フェネル:言っちゃダメだったかしら?
GM:島のまわりは切り立った崖が多い、どうにか船を寄せられそうな砂浜を見つけて停泊します。
フェネル:コーリンの船は見えなかったの?
GM:どこか別の場所でしょうね。水夫たちが荷物をてきぱき運びおろし始めます。砂浜は狭くてすぐにゴツゴツした岩場に変わっています。その奥は鬱蒼とした森。
ジャット:暗くなってから森に入るのはやばいだろ、今夜はここで野営して、明日の朝にしようか。
GM:などと話し合っているとき、突然、水夫の悲鳴があがる、荷物を岩影に運んでいた男です。「うわ~っ!」
フェネル:なに? クラゲでも踏んだの?
GM:転がった水夫の前の砂が持ち上がって、巨大なカニが現れた、鋏を振りながらバリバリいうてるで。
ジャット:マジ?! 助けに走る。
フェネル:る。
GM:戦闘ラウンドです、二人ともPSNを決めてください。カニは20です。
フェネル:23です。
ジャット:10です。
◆PSNとはフェイズシークエンスナンバー、つまりイニシアティブ。1D10を振って、機敏さ、武器の修正などを加える。結果が20を超えると、その数から20を引いたフェイズにも行動ができるようになる。
フェネル:あたしが最初ね。タイガークローで殴る、(ころころ)成功です、ダメジーは・・・。
GM:あっ、先に命中部位を決め手ください。
フェネル:はい、(ころころ)胴体です。
GM:で、ダメージを。
フェネル:(ころころ)6点。
GM:ガリッと堅い甲羅に命中した、傷一つつかないぞ。次ぎはこちらの番ね、カニは鋏でフェネルを襲って、(ころころ)はずれました。
ジャット:堅いのは辛いなぁ、スピアで突きます、(ころころ)成功です、部位は頭部です、ダメージは8点。
GM:おお、頭は柔らかくてね~、グシャと割れてしまった。
ジャット:あれ、死んだの?
GM:ぶくぶく。
フェネル:今夜はカニ料理じゃよ!
GM:ネコは甲殻類ダメなはずだぜ。(笑)
◆一晩の野営の後、二人は森に分け入った。コーリンたちの正確な位置は分からないので、とりあえず島の中央と見晴らしのよい場所を探してみる。
GM:えっちらおっちらと傾斜のある森を歩くと、やがて開けた丘に出ます。感覚のどれかで判定してみてください。
ジャット:おっ? この視覚とか嗅覚とか?
GM:そうです、1D20でそれ以下を出すのだ。
ジャット:(ころころ)全部失敗。
フェネル:(ころころ)視覚でとおった。
GM:フェネルは、海側の方で薄い煙がたなびいているのを見つけた。
フェネル:あれ、あたしたちのキャンプじゃないよね?
ジャット:どれどれ? あれもカニを焼いてるのかしらん。(笑)
フェネル:行ってみましょう。
GM:向きを変えて少し歩いて、岩がちな砂浜に出てきました、静かな入り江に停泊した小型船があります。浜にはキャンプ用具が積まれている。薪が燃えていますが、キャンプには誰もいないように見える。
フェネル:なんでやねん? 近づいてテントとかのぞき込もう。
GM:無人ですね。
ジャット:これって、コーリンの野営地だろな。
フェネル:待ってると帰ってくるかな~?
GM:そうやっていイゴイゴしていると森の方から誰かやってくる音がする。
ジャット:そちらに向かって「やあ」って声をかける。
GM:薮の中に小さい影がいます。枝を払いながら、「帰ってきたのかい?」と言う。
ジャット:あ? うん。
GM:小さい人は「始末はついたのかい?」と言いながら出てくる。薪を抱えたハーフリングですね、そこで始めて君たちを見たのか、はっとした顔で「なんだ? あんたら誰だ!?」と言う。
ジャット:「驚かないで、リカルドさんに雇われた者です」
フェネル:「コーリンさんを探しに来たのよ」
GM:ハーフリングは「コーリンがなんだって」と混乱してるみたいだ。
ジャット:「あなたコーリンさんのお仲間でしょう? 彼は今どこにいます?」
GM:「コーリンは廃墟に・・・ちょいまち、あんたら誰だ!?」
ジャット:だからぁ・・・。
GM:ハーフリングはなんだか慌てている感じです。説明を繰り返すと、少なくとも状況は把握したのか、頷いたり独りごとを言ったりしてから、「コーリンはまだ仲間と神殿にいる」と教えてくれます。
フェネル:へぇ、少なくとも無事みたい。「まだ、調査は終わってないの?」
GM:そうだと言う。彼は足を挫いてしまって、皆の帰りを待ってるんだそうだ。
フェネル:元気そうに見えるけど。
ジャット:いつ頃帰ってくるのか聞く。
GM/ハーフリング:「そろそろだと思う」
フェネル:そろそろ? 待たせてもらおうか?
ジャット:そうするか。
GM:ハーフリングはかまわない、と言ったけど、なんだか落ち着かない様子だ。キャンプをうろうろしながら、ちらちら君たちのほうを盗み見ている。しかし、昼を過ぎてもコーリンが現れる気配はない。
ジャット:(我慢しきれず。)やっぱりこちらから向かおう。時間のこともあるし。
フェネル:そうだニャ。
ジャット:ハーフリング、神殿の場所を教えてくれ。
GM:ハーフリングは待つことを勧めるけど?
ジャット:「急いでるんだ、教えてくれ。それとも、なにか都合の悪いことでもあるのかい?」
GM:まさか!って感じで、砂浜に地図まで描いて教えてくれました。
フェネル:こいつ怪しんやけど、いまいち理由がわかんないニャ。
◆神殿までの道順は分かりやすく、簡単な知性判定だけで、迷うことなくたどり着くことができた。
アシの茂る小さな池のそばに、尖塔をもつ寂れた神殿が、木々に取り囲まれてひっそりとたたずんでいるのを見つける。特に警戒することなく二人は建物に近づくが、どうしたわけか人の気配はない。しかし、明らかに誰かがいた形跡は発見する。
フェネル::声を出して呼んでみるけど反応はない?
GM:ないね。
ジャット:やっぱり、地下室への入り口とかは?(笑)
GM:見つからないぞ。(笑)
ジャット:うむ、神殿の周囲も探してみよう。
GM:視覚で判定しときましょう。
ジャット:(ころころ)ダメ。
フェネル:(ころころ)成功。
GM:建物のちょうど裏の薮に踏み荒らされた跡がありました。そこに肩掛けカバンが落ちていました。
フェネル:拾ってみましょう。
GM:スリングのところがちぎれていますね、よく見ると血のような染みがついています。
ジャット:明らかに新しいカバンですか?
GM:間違いないでしょう。
フェネル:中身を見てみる。
GM:ペンとインクの入ったケースと羊皮紙の束が入っています。羊皮紙には、島のラフな地図とか神殿の見取り図とか、簡単な覚え書きとかが記入されています。
ジャット:なんか、この神殿に関することは書いてないん? なにか手がかりとか?
GM:そうですね、この神殿には怪しいところはなさそう。あと、もう少し縮尺の大きい神殿周辺の地図があるんだけど、それによるとここから1キロくらいの場所にもう一つ建物があるようですね。
ジャット:それだな。
フェネル:じゃあ、行ってみますか。
GM:道は木々が生い茂って歩きにくいです。ときどき誰かに見られているような感じがしたんですけど、どうやら正体はツタやコケに覆われた石像のせいらしい。
フェネル:どんな感じの?
GM:醜悪な怪物、ガーゴイルみたいなのがいくつも道の脇に立っている。
ジャット:ふーん、これも遺跡の一部なんだろうな。
GM:はい、進みます。すると、突然、「たすけてーっ!」と女性の悲鳴があがります。
ジャット:ぶっ! こっちが驚くっちゅ~ねん。
フェネル:どこちらから聞こえますか?
GM:右手の方から。
ジャット&フェネル:ダッシュ!
GM:バリバリッと薮を抜けると、よどんだ池の前に出ました。ぱっと見ると、池のまんなかあたりで水が跳ねて、誰かが溺れています。
ジャット:スピアではとどきませんか? では、飛び込みます。
フェネル:できるだけ近い場所まで池を回り込む。
GM:ジャット、池は君が溺れるほど深くはない。フェネル、君は池の端を走った、すると武器をもったオークとドワーフとはち合わせする。
フェネル:(顔をしかめる)むっ! 「あんたたち何してんのよ! 助けなさいよっ!」
GM:二人は驚きながらも武器をかまえる。
フェネル:なにょ~っ!(怒?)
ジャット:あ、そっちに加勢したい。
GM:かまいませんけど、溺れてる人はそのままね。
ジャット:う、はやくつかまって!(笑)
GM:イニシアチブを決めますよ。こちらは23です。
フェネル:21です。
ジャット:10。
GM:ドワーフは斧で切りかかり、はずれ。オークは小剣で、命中。
フェネル:回避します(ころころ)、あ~っ!
GM:20の目は致命的失敗ですね(ころころ)、転倒しましたね。回避は失敗なんでダメージは、胴体に3ポイントです。
◆スキル判定では、1の目は決定的成功、20の目は致命的失敗となる。各スキルごと表がり結果を求める。
フェネル:さんざんじゃよ。21で立ち上がります。
ジャット:そこの人、僕につかまって~!
GM:1D100で、[機敏さ]の特性値以下。
ジャット:なんで、急にパーセント判定になるんだ? 失敗!
GM:水底がぬかるんでるとかそんな感じ。あと、溺れてる人は両手を縛られてるみたい。
ジャット:なに~っ。
GM:PSN3で、二回ともはずれ。
フェネル:PSN1で、あたんないよ~っ。
◆二人ともいまいちダイス運がふるわないが、3ラウンド目にジャットが救助に成功、次ぎのラウンドにはフェネルの2回攻撃が命中、敵に大ダメージを負わせた。水からあがったジャットも加勢に駆けつける。
GM:オークとドワーフはお互いに罵りあいながら逃げだそうとするけど?
ジャット:一度くらい殴らせろ、(ころころ)ひひ~ん、致命的成功だ!
GM:(ころころ)+1D8の追加ダメージね。
ジャット:オークの頭部に9て~ん。
GM:ん、死んだ。
ジャット&フェネル:ぐへへへへへ。(←汚い笑い)
ジャット:ドワーフはどうしてる? 逃げても無駄やで。
GM:手を挙げながら武器を捨てる。
ジャット:馬乗り。(笑)
◆ドワーフを縛り上げ、とりあえず溺れていた『お嬢さん』に事情をうかがうことに・・・。
ジャット:「大丈夫ですか、お嬢さん」と言う。(笑)
GM:ぬれそぼったラビットマンは震えながら礼を言います。
ジャット:なに~っ、聞いてないぞ。(笑)
フェネル:あははっ、ラビットウーマンだ!
ジャット:かわいい~。(←実は喜んでる)
フェネル:(笑いをこらえながら)事情を聞きましょう。
GM:説明しますよ。「この人たちが私たちを待ち伏せしていたのです」って。
フェネル:「私たちって?」
GM:「調査に来た4人です。コーリン、ザックス、ニロップ、私ライカです。今日は最後の調査の予定だったんです」
ジャット:「ハーフリングはいるのかい?」
GM/ライカ:「ニロップのことですか? 彼はキャンプに残りました、足を痛めたそうで」
フェネル:「じゃあ、3人で来て襲われたんだ」
GM/ライカ:「そうです。こんな人たち島にはいないはずなのに」
フェネル:「あたしたちはコーリンを探しに来たのよ、彼は今どこにいるの?」
GM/ライカ:「失礼ですが、あなたたちは?」
ジャット:「彼の氏族に雇われた者です、味方ですよ」
GM/ライカ:「そうですか・・・。私たちは突然襲われてばらばらになったんです。私は隠れてたのですが、ドワーフに見つかって捕らえられました。その後、池に放り込まれたんです。けど、彼らが話したのを憶えています。コーリンとザックスは、奥の遺跡に逃げ込んだと言っていました。彼らの残りが二人を追いかけているそうです。どうか今すぐ助けに行ってください!」
フェネル:奥の遺跡って地図のアレだよね。
ジャット:間違いないでしょう。「よく分かりました。あとはすべて僕たちに任せてください」と言う。
フェネル:帰っていいよ。神殿に隠れてると連れて帰れるけど。
GM/ライカ:「ありがとう、おねがいします」って駆けていく。
ジャット:さて尋問の時間だ。「こら、ドワーフ、誰かに雇われたのか?」
GM:ドワーフはむっつり黙り込んでいる。
ジャット:肉体的拷問あるよ~。(笑)
フェネル:精神的拷問あるよ~。(笑)
◆PAではキャラクターが自動で会得する技能に拷問が含まれている。
ドワーフに対し、ジャットが『軽く』肉体的拷問を試みるが、失敗した。
GM:ドワーフは何も喋らない。
フェネル:もういいでしょ、先を急ぎましょう。
ジャット:助かったな、ドワーフ。(笑)
GM:少し開けた場所に出ました。そこには小さい塔がある。
ジャット:人の気配は?
GM:周囲には感じられませんね。
フェネル:入る。
GM:塔の内部はがらんとしています。天井まで吹き抜けで、壁には上に登る階段がありますけど、屋上以外には階はないみたいです。
フェネル:あれっ?
ジャット:ここで、床を探るのじゃよ。(笑)
GM:壁の中に下に向かう狭い階段があります。
ジャット:ダンジョンだ~っ!
GM:下りますか?
フェネル:いきましょう。
GM:とんとんとんと階段を下りると、壁に棚のある部屋に出ました。かびの臭いがきつく、使われなくなって久しい感じ。
ジャット:扉とかは?
GM:北から出ていけます。
フェネル:そこから、ちょっと覗いてみましょう。
GM:東西に廊下が延びていますね。西はちょっといってアーチになっています、東はまっすぐ闇の中に消えています。
ジャット:思ったより広いかも・・・、聞き耳してみましょう。
GM:判定してみ。
ジャット:(ころころ)・・・AC-3まで命中。
フェネル:右に進もう。
ジャット:違うだろ、アーチのほうだろ。西、西、もう歩き出すし。
フェネル:横暴だわ。
◆残念ながら左は遠回りのルート。アーチの先に向かうと、かつては図書室だったらしい広い部屋に出た。そこからさらに奥へ延びる廊下があるが、二人は考えを変えて、さきに右の廊下を調べてみることにする。
GM:10メートルくらい歩いて、北に向かって下りる急な階段にでました。そちらからは明らかに人の声が響いてくる。
フェネル:なに喋っているのか分かる?
GM:そこまではちょっと。
ジャット:慎重に急ぎながら進む。
GM:だんだん声が大きくなってきました。2つのアーチを抜けると左右に柱の並んだホールに出ます。奥に両開きの大きな扉があり、そちらからはっきりした声が聞こえています、はやしたてるような笑い声です。
ジャット:扉の前まですすむ。僕が蹴り破るから突入して。
フェネル:おう。
ジャット:せーの、ドカ~ン。
GM:今まででいちばん広い部屋に出ました。部屋の奥は数段高くなっていて、その上には、あぐらをかいた巨大な像があります。その像には、一人の青年が仲間-アヌビン(犬型ヒューマノイド)-を抱えてよじ登っています。下には、2人のゴブリンと1人のミノタウロスが二人を引きずりおろそうとしているのが見えます。
フェネル:あたしたちには気づいていますか?
GM:大きな音で扉が開いたから振り向いています。
フェネル:そのまま走り込みます。
ジャット:僕も突撃する。
GM:では、接近した状態で戦闘に入りましょう。
フェネル:タイガークローが腕に命中。
GM:ゴブリンAはメイスをかかげてそれを受ける。
フェネル:ダメージ10点。
GM:ひえ~、痛い、痛い。こちらは全員同時に行動ね、ゴブリンAがフェネルに命中、胴体に7点。
フェネル:回避成功、アーマーとで6点止まります。
ジャット:最後は僕だ、ミノタウロスを突く、はずれっ。
◆4ラウンドの間、決定打のない消耗戦が続くが、イニシアティブの高いフェネルの2回攻撃が有利に働き、2人のゴブリンをなんとか戦闘不能に陥れた。
GM:ミノタウロスの斧攻撃っ! ぶ~ん。(笑)
ジャット:ぜんぜんあてんじゃんこいつ。
GM:君もだろが、おたがい無傷のくせに。では、第5ラウンドいきましょう。
フェネル:は~い、PSN23でいちばん早いです。ジャットを加勢します。この必殺攻撃を使いたいです。どうすればいいの?
GM:ああ、必殺攻撃で命中を行ってください。成功するとダメージが3倍になる、ただし相手が耐久力チェックに成功すると半分な。あと、自分はこのターン回避とかできなくなるけど?
フェネル:いいです。必殺攻撃です(ころころ)、胴体に命中です。
GM:こちらは(ころころ)、受けは成功、耐久力判定は失敗・・・。まぁ、ヨロイは着てるし、そんなにでかい目はでんじゃろ~。
フェネル:(ころころ)11点。(←最大)
ジャット:33てん! わは~っ。(笑)
GM:し、死ぬ・・・っていうか死んだ。
ジャット:きら~ん、なんかファンタズムの極意が見えてきたぞ~。(笑)
GM:ずるずると2人が像から下りてきます。
ジャット:「大丈夫ですか」と声をかける。
フェネル:「あなたがコーリンさん?」
GM/コーリン:「そうだ。君たちはいったい?」って。
ジャット:「親友のリカルドさんに頼まれて、助けに来ましたよ」
GM/コーリン:「そうか・・・。危ないところだったよ」
ジャット:「とにかくここから出ませんか? 友達は僕が運びますよ」
◆地下神殿を出た一行は、ラビットマンのライカとも合流、無事な再会を喜びながら、船まで戻ることにする。
GM/コーリン:帰る途中、彼は神妙な顔つきで君たちに向かい、「君たちはリカルドに雇われたそうだね・・・」と言う。
ジャット:「ええ」
GM/コーリン:「彼は僕の死体を探せとは言わなかったかのい?」
フェネル:「はぁ、彼を疑っているのね。これらがリカルドのさしがねだと」
GM/コーリン:「確かな証拠はないが、可能性として」
ジャット:「でも、この週の会議のことを話して心配してましたよ」
GM/コーリン:「それも、なかなか劇的な筋書じゃないかな、そんな日に僕の死の知らせが届くなんて」
ジャット:「そう考えれば、事情に詳しい者でなければ予定できない襲撃ではあるな。ニロップの言動も怪しいか・・・」
フェネル:「唯一の生き残りの予定ってわけね」
GM/コーリン:「確かなことは分からない・・・。私の疑心暗鬼だけかもな」
◆一行はいったんコーリンのキャンプ地に戻るが、そこにハーフリングの姿は見えなかった。とりあえず荷物をまとめ自分たちのキャンプへ向かう。
GM:エルフの船長が笑顔で迎えてくれますよ。
ジャット:最後まですがすがしいやつめ。(笑)
GM:船長が言いますよ、「変なお客がきたよ」って。
フェネル:だれ?
GM:指さすほうを見ると、ハーフリングが木に縛り付けられています。「あんたらが出発した後でこいつが現れてな、みんな死んじまったから逃げよう、とかわめいたんだ」
フェネル::だからって縛っちゃったんだ!?(笑)
GM/船長:「怪しいじゃないか、だからちょっと大人しくしてもらってるだけだぜ」(笑)
ジャット:ナイスな判断やな。潮が満ちたら沈む場所に放ったらかして帰ろうぜ。
フェネル:それはかわいそうだよ、それに重要参考人なんだよ、彼。
GM:さて、ぼちぼち荷造りをしてから、帰りますか。
ジャット&フェネル:帰ろう、帰ろう。
GM:では、帰路につきます。力強い追い風に押されて船は滑るように波間を走るのです。コーリンは船長となにやら話し込んでいる様子です。
ジャット:なんだろう?
フェネル:あにゃ?
GM:船長が船員に声をかけると、彼らは忙しく作業を開始しました。コーリンが君たちのところまでやってきて言う、「すまない。私のわがままなんだが・・・、船はランアードへは帰らない。」(笑)
フェネル:ほんまか!
GM/コーリン:「船長に頼んで目的地を変えてもらったんだ」
ジャット:「ど、どこにですか」
GM/コーリン:「少なくともランアードじゃないところ」
フェネル:ほ、報酬・・・。(←小声で)
GM/コーリン:「このままあそこに帰っても、ごたごたが待ってるだけだ」
ジャット&フェネル:「だからぁ?」
GM/コーリン:「リカルドも氏族のみんなも好きなだけ陰謀をやらしておくさ」
ジャット&フェネル:「ぼくたちはぁ?」
GM/コーリン:彼は照れくさそうに、「新しい冒険仲間なんてのは欲しくないかな?」ってさ。
ジャット&フェネル:ひゃ~。気恥ずかしいニャ~。まじ~っ。嬉し恥ずかしじゃよ。(←口々に)
GM:そのやりとりを見ていたエルフの船長が、笑いながら君たちに向かって、親指を立ててみせる。
ジャット&フェネル:おしまい。(笑)
世界のどこかで、カモメたちが歌いながら、降りる場所、休む場所へ向かっていきました。