レイヴン
サイレント・ストライダー、アルーン(満月生まれ)、ルーパス(狼生まれ)
コンセプト:露店商(手作りのアクセサリーなど)
レイヴンという名は、彼の真っ黒な毛並みに由来しています。彼は昔から仲間たち(狼です)に“烏の子”だと、よくからかわれていたのです。人間の姿でいるときは、痩せているが筋肉質で背の高い黒人に見えます。狼生まれらしく、読み書きや機械の操作などは上手くありませんが、会話は好きで、とても流暢に喋ることができます。
プレイヤー:コニタン
リタ・マッカーソン
シルバー・ファング、フィロドックス(半月生まれ)、メティス(ガロウ生まれ)
コンセプト:小学校教師
彼女は禁断のガロウ生まれでありますが、現在は人間としてL.A.の一軒家で住んでいます。とても聡明で落ちついているように見えるのは、彼女がガロウ種族のエリートである“シルバー・ファング”であり、生まれつきの指導者であることの証明でしょう。
プレイヤー:リサ
“まだら尾”マイク
ボーン・ナワー、ジアージ(三日月生まれ)、ホミッド(人間生まれ)
コンセプト:機械工
このガロウはL.A.に住んでいる機械工ですが、“骨かじり”の名にふさわしく、あまり裕福な暮らしはしていないようです。それ程歳はとっていませんが、実際よりも老けて見えますし、身なりもおせじにもきちんとしているとは言いがたいありさまです。地元のホームレスに知り合いが多くいます。
プレイヤー:チャッピー
ST:ナッキー
プレイ日時:1998年7月19日(日曜日)午後4時~午後6時まで
ST:季節は夏、暑い日が続いています。今日の月相は三日月です。
※ワーウルフは、自分の生まれた月相と同じ月を見ることができれば、消費したレイジを最大点まで戻すことができます。
ST:マイク、君は暑くて寝苦しいバラックから出て、夜の街を散歩することにしました。狭い裏道をふらふらと歩いて行きます。でね、路地の曲がり角を過ぎた瞬間、目の前にふっと黒い物が飛び出して来ました。
マイク:ぎょっとする。
ST:そのままドスーンとぶつかって、倒れました。暗いのでよく見えませんが、ペインターパンツとTシャツ姿の若い男が尻もちをついています。
マイク:「いきなり飛び出してくるとは、危ないじゃないか。」
ST:君より少し長いくらいの髪の毛ですが、真っ赤に染めています。そのまま立ち上がって、何も言わずに路地を走り去っていきました。
マイク:後ろ姿に「謝れーっ!」と叫ぶ。
ST:少しすると、向こうの方でガシャーンと何かが倒れる音がして、野良犬がしきりに吠えます。
マイク:何を急いでいるんだろう?「何か妙なことをやらかしたんじゃないの?」とか言いながら路地の奥まで進んで行くんだろ。(笑)
ST:路地を奥の方に進んでいくと、何かの店の裏口にたどり着きました。覗いてみると、カウンターがあって棚が見えます。雑貨屋かな。
マイク:「不用心だぞー、いいのかぁー?」とかいいつつ入っていく。
ST:はい、知覚+始原の力で判定どうぞ。難易度8。
マイク:1個成功。
ST:コーヒーの臭いだけがします。店は何でもありの質屋のように見えます。カウンターを覗いてみると、いろんな売り物が詰まれていますが、奥の壁にカーテンがひかれています。そのカーテンの裾から人の足がのぞいていました。
マイク:寄っていってみる。
ST:カーテンの掛かっている場所は丁度扉になっていました。男性が死んでいます。
マイク:扉の奥の部屋に入っていって、周りを確認しつつドアを閉める。
ST:その男性は背中を割られて死んでいます。
マイク:背中を?そこから何かが出てきた跡とか?(笑)
ST:いやいや。(笑)鉈か何かで一撃を食らったのでしょう。
リタ:男の人の出産って後ろからなのかぁ。(笑)
他の全員:ギャワワワーッ!
悲鳴と当惑
ST:(気を取り直して)表は普通の雑貨屋のようですが、部屋の中に入ったらロレックスの時計や、靴の箱なんかがたくさん積んでいます。知性+裏社会で判定。
マイク:9が1個、あとはダメ。
ST:盗品売買かな?
マイク:ブローカーってわけか…身分を証明する物とか探すけど?
ST:死んでいる男性はヒスパニック系で、オリバー・ブラウンという名前ではないかということが分かりました。こういう店を経営していて、副業として盗品の売買をやっていたんじゃないかということが分かりました。どっちが副業だか分からないけどね。続いて知性+調査で判定してください。
マイク:2個振りで10と8。
ST:テーブルにコーヒーの入ったカップが2つあります。その近くに台帳があり、最後の部分に『インディアンのまじないの品?専門外、価値不明』と書かれていました。そしてその後に『JJ、8月3日』というサインと、『シェリンが興味?』という走り書きが為されています。
マイク:メモしておこう。
ST:君は床に場違いな物を見つけました。踵が高めの女性の靴です。
リタ:え?転がっていたのは男の死体なのに?
ST:さらに、床にキラッと光る物を見つけて拾い上げてみると、銀製のロザリオでした。鎖は切れてますがね。君たちガロウは銀製のものは苦手なんですが、小さな物だからそう害はなさそうですね。
レイヴン:あんまり持ち続けたら発癌したり?
リタ:手の皮剥けてきたり、髪の毛抜けてきたり。うわーっ。(笑)
ST:銀製の銃弾1個でグノーシス1ポイント減少ですから。後は変わった物は見あたりません。靴の持ち主であろう女性はいません。
マイク:ちょっと待って?さっきの若い男には血とかついてなかったよな。
ST:頭は赤かったけどね。
マイク:うそーっ!ホントは銀髪だったとか。(笑)分かった分かった、出ていく。
ST:そうしていると、通りの向こうでパトランプが…
マイク:ひゃっほーっ!(笑)仲間にみやげ話ができたぜ!とか言いつつ走って逃げる。
ST:2日後、君が新聞を見ると『骨董品屋に強盗?』という見出しで、例の事件が小さく載っていました。強盗は未遂に終わったけど、店主は殺されたとか書かれています。
マイク:新聞を拾って「これだよ、これ。」って仲間に見せて自慢するよ。
ST:リタ、君の勤めている学校の教師が一人、産休で抜けています。その代わりに近所の教会から教員免許を持っているシスターが、臨時でやってきます。君の学校は、託児所と一緒になっていてそっちの方の面倒を見てくれる人です。
リタ:ふうん。でも私は小学校の方だから、あまり関係は無いんでは?
ST:……それが不思議な縁でね。(笑)
レイヴン:今変なタイムラグがあったぞ。
リタ:プレイステーションは読み込みが遅くて困るわ。(笑)
ST:そのシスターはレイヴンのつてで来ることになったんですよ。
リタ:え…誰?
レイヴン:俺じゃあ!!
リタ:え?一回会っただけじゃなかったっけ?幼なじみ?
レイヴン:違う、俺は狼生まれ。っていうか俺達パックでしょ!
※パックとは、ガロウ同士の集まりのこと。要するに一緒に行動するチームのようなものだ。
ST:レイヴンは教会にコネを持っているんですよ。で、そこの教会で一番偉いシスターが彼の“血縁者”なのです。
レイヴン:カトリック信者なのでね。雑用をこなすかわりに、住まわせてもらっている教会があるんですよ。
ST:まあリタがそんな話をしたんでしょう。そしたらレイヴンが紹介したってわけです。
リタ:一番人間社会に疎いはずの彼が?
ST:っていうか、驚くなかれ彼はサイレント・ストライダーなんやぞ。(笑)
レイヴン:饒舌なサイレント・ストライダー。(笑)
ST:で、学校にいますと、教頭が君の所に来ます。「リタさん。」
リタ:「はい。」
ST/教頭:「あなたの友達のつてで来ることになった彼女、連絡が取れないんだけど。」
リタ:「どうしてでしょうか?」
ST/教頭:「さあ?こっちで控えている電話番号にもつながらないし。」
リタ:「彼に虚言癖があったりはしないよなぁ。」
ST/教頭:「それは、あなたの友達のこと?」
リタ:「…え?いえいえいえ!とにかく私の方からもう一度連絡してみますから。」
ST/教頭:「そう?お願いするわ。」
リタ:レイヴンは電話持ってないよね。
レイヴン:連絡先は…教会。
リタ:教会に行ってみよう。っていうか教会に行けば彼女もいるのでは?
ST:はい、教会にやってきました。
リタ:臨時でやってくるはずだった人の名前は?
ST:シェリン・ルイスっていう黒人の女性です。礼拝堂に入っていくと、レイヴンが掃除してました。
リタ:「もう!どうしてくれるのよ!」とかいいつつ走り寄る。
レイヴン:怒ってる!?(笑)
リタ:「君に紹介してもらったシェリンって人、全然連絡が取れないんだけど。」
レイヴン:「ちょっと待って、呼んでくる。」
リタ:「居心地が悪いから早くして。」
ST:この教会には数人のシスターがいます。「レイヴン、床の拭き掃除は終わりました?次は庭の花に水をやってください。」って煙草吸いながら…
レイヴン:嘘ーっ!(笑)
ST:うそうそ。(笑)「どうしたんですか?」って聞かれます。
レイヴン:「シェリンさんはどこにいます?」
ST:彼女たちは顔を見合わせて首を傾げます。「さあ、それが2、3日前くらいから連絡が取れなくなっているのよ。」
レイヴン:「自宅の方には連絡がとれないんですか?」
ST:彼女はアパートに一人暮らしをしています。同じ街に両親の住む実家があります。「さあ、何かあったらあらかじめ連絡があるはずだけれど…」と。
レイヴン:「かくかくしかじかで、小学校の臨時の教員に…」
ST/シスター:「それは困りましたね。彼女のアパートと実家の住所を教えましょうか?」
レイヴン:教えてもらう。「様子を見てきます。」と言って出ていく。
ST:君が表に出ると、花に水をやっていたシスターの一人が「レイヴン、レイヴン。」って言ってきます。
レイヴン:「何ですか?」
ST/シスター:「あそこの門の影にいる男、知ってる?」
レイヴン:よく見てみるけど、見覚えは?
ST:デニムの上着と、汚れたTシャツ姿の若い男がいました。真っ赤に染めた頭をしていて、こっちを見ています。
レイヴン:「知りません。」って。
ST/シスター:「一昨日くらいから、この教会の辺りをうろついているんだけれど。あなた前にあんな感じの男の人連れてきたじゃない。」
マイク:こっち見ながら言うな!(笑)
レイヴン:「ああ、彼とは違います。」(笑)「こっちの用事が終わったらすぐに戻ってきますから、その時にまだいたら理由を問いただしましょう。気を付けて。」と言ってシェリン・ルイスの家に行く。
リタ:何?私は教会に置き去り?(笑)
レイヴン:…そんなことはないけど。(←忘れてた)リタに理由を話す。
リタ:「ああそうなの、困ったわね。とにかく、彼女の家に行ってみましょう。」
レイヴン:…歩いていく。(笑)
リタ:私の車に乗せていくよ。
ST:はい、シェリンのアパートに着きました。
レイヴン:ノックして呼んでみます。
ST:よくある話だけど、鍵がかかっています。返事もありません。
レイヴン:変身してドアを引きちぎる。
ST:本気で!?
レイヴン:うそうそ。(笑)
リタ:“鍵開け”を試みよう。祖先の霊を呼び出して力を貸してもらう。
ST:なんでやねん。(笑)偉大なシルバーファングの祖先に鍵開けの名人がいたってか!?却下!
リタ:じゃ、“ステッピング・サイドウェイ”で彼方の世界から…
ST:っていうかこのアパートの大家に訳を話せば開けてくれるけど。(笑)
ゲームの世界観にのめり込みすぎると、こういった当たり前のことをよく見落とすものである。
レイヴン:ああそうか。じゃ、大家にかけあって開けてもらおう。
ST:魅力+共感で判定してください。難易度5。
レイヴン:3個成功。
ST:「あ、はいはい。」って感じですぐに開けてくれることになりましたよ。リタは部屋の扉の前で待っていたんですけれど、部屋の中の電話が鳴り始めました。
リタ:大家さんはまだ来てないの?早く!
ST:レイヴンと大家がやってきた瞬間に電話は切れてしまいました。
リタ:どちくしょう!(怒)
ST:開けてくれました。部屋の中は別に荒らされたような様子はありませんね。
リタ:荷物をまとめた様子とか、書き置きとか。
ST:そういったものも一切ありません。
レイヴン:仕方ない、ここは退散して実家の方に行ってみよう。
ST:そう思って出ていこうとした瞬間、再び電話が鳴り始めました。
リタ:大家さんがとったりしないかな。まあいいいや、私がとる。
ST/電話の声:「もしもし?シェリンさん?」
リタ:「いいえ、違います。」
ST/電話の声:「ええと、電話番号は確かにあっているはずなんですが…」
リタ:「今、ちょっと留守にしていまして。」
ST/電話の声:「ああ、そうでしたか。私、ウェイド・カーチスと申します。彼女に頼まれた件で、ご報告をしようと思ったんですが。」
リタ:「探偵さん?」
ST/ウェイド:「いえいえ、文化人類学を専攻している者ですよ。彼女に頼まれて少し調べ者をしていたんです。じゃ、後日改めて連絡させていただきますから。」
リタ:「待って、彼女はしばらくこっちに戻らないそうだから…」
ST/ウェイド:「あ、じゃあ郵送にしましょうか?」
リタ:「ええ、その方がいいと思いますよ。」
ST:ウェイドは挨拶をして電話をきりました。今気がついたんだけれど、この部屋には珍しい置物や飾りがけっこうたくさんありますね。
リタ:なんだろう?詳しく分からないかな。
ST:知性+オカルトで。難易度5。
リタ:3個成功。
ST:インディアンのまじないの品物でしょう。レプリカが殆どだけどね。
リタ:こういうのが好きなのかな?「そういう人だった?」
レイヴン:「分からん。」
リタ:じゃ、今度は実家の方に電話で連絡を入れてみよう。
ST:はい。「こっちには戻ってません。どうかしたんですか?」と訊かれました。
リタ:「自宅の方に来たんですが、おられなかったので。どこかに出かけているのかもしれませんね。」とでも言っておく。
レイヴン:「戻ってきたら教会の方に連絡をするよう伝えてください。」とも。
ST:はい。これからどうしますか?
レイヴン:一度教会に戻りましょう。戻りながら、他に誰か教員の免許持ってなかったかなと考えてる。(笑)
リタ:ジリジリと君の方を見るよ。
ST:教会に戻ってきました。今までのいきさつを皆に話しているところです。突然、シスターの一人が小声で「ほら、あれ。」と戸口の方を指さします。見ると、入り口の辺りで汚い格好をした男がうろついています。「最近この教会の周りをうろうろしてるっていう…」って、ひそひそ話しています。「ほら、レイヴン。」とつつかれるけど。
リタ:男手少ないから。(笑)
レイヴン:行って来ます。
マイク:今度こそ僕だろう。
ST:近寄ってよく見てみると君の知り合いのマイクでした。
マイク:本当に僕だったー!
レイヴン:後ろから肩をガッと掴んで「おい、おまえ!」(笑)
マイク:俺たちパックだろ?(笑)
レイヴン:「どうした?」って訊くけど。
マイク:「また面白いみやげ話をもってきたのさ、これ見ろよ。」って新聞の切り抜きを見せて。「この現場に偶然居合わせたんだよ!」って。
レイヴン:「とりあえず、中に入れ。」って言って皆に「彼は違います。」と説明しよう。
ST:そうしていると、シスターたちが窓の外を覗き始めました。
レイヴン:「どうかしましたか?」外を見てみるけど。
ST:外では例の髪の毛の赤い男がうろついていました。
レイヴン:ちょっと気付かれないように近寄ってみます。
ST:マイクはその男に見覚えがあるぞ。
マイク:「あっ、あいつだ!俺も行くよ。」
レイヴン:そーっと気付かれないように近付きたい。
ST:敏捷+忍びで判定。難易度7。
レイヴン:1個成功。
マイク:2個成功。
ST:男はレイヴンが近寄って来ているのに気がついて、早足で立ち去ろうとしたんですが、マイクの姿に気がついた瞬間、「あっ」という顔をして走って逃げ出しました。
マイク:「心にやましいことでもあるのか!今悔い改めれば…」ってにわか信者になる。(笑)
ST:すぐにエンジンの音がして、男は単車に乗って逃げ去ってしまいました。
マイク:ナンバーを覚えておこうか。
ST:だったら、知性のみで判定。難易度7。
マイク:2個成功。
ST:はっきり覚えました。
レイヴン:戻ってきます。「バイクで逃げました。」
リタ:「あの男はそこで何をしてるの?ただ見ているだけ?」
ST/シスター:「さあ…1週間くらい前からこの辺でうろついているだけだから。」だって。
リタ:誰かお目当ての人がいるとか。
マイク:まあ、茶でもすすりながらあの夜のことを話すよ。あの赤髪の男のことも。
リタ:「彼は毎日ここへ来てるの?」
ST/シスター:「ええ、ここ毎日。」
リタ:ふーん、あの男も気になるけどシェリンのことの方が気になるなー。「彼女、本当に何も言ってなかった?変わった行動とか。」
ST:思い当たるふしはないってさ。
マイク:こっちの事件から手がかりを出さなアカンか。「何?誰かが行方不明なのか?」って話に割ってはいる。
レイヴン:うーん、話していいものかどうか…
マイク:俺らパックだろ!(笑)
リタ:不仲パック。(笑)
レイヴン:分かった。かいつまんで説明する。
マイク:「そのシスター、ハイヒールは履くかな。銀製のロザリオとか。」
ST:この教会のシスターは全員ロザリオを持っていますよ。それらは全てレイヴンが作ったんです。
レイヴン:(←露店のアクセサリー売り)銀なのに!?
リタ:手がボロボロになりながら作った?(笑)
マイク:あの店で見つけたネックレスと同じもの?「うわっ、その女ひょっとしたら…」って。
レイヴン:「何か知ってるのか?」
マイク:「いや、その殺害現場に靴とロザリオのネックレスが落ちてたんだ。その女の名前は?」
リタ:「シェリン・ルイス。」
マイク:「シェリン?あの台帳にあった名だ。」
レイヴン:すぐに教会の電話で、新聞記者のジョニィに連絡する。
ST:はい。連絡がつきましたよ。
レイヴン:「数日前、故売屋が殺された事件があっただろ、あの事件に友達が巻き込まれたみたいなんだ。」
ST/ジョニィ:「オリバー・ブラウンが殺されたやつだな。奥の部屋からだいぶ盗品が出てきたらしいけど。」
レイヴン:「犯人はまだ見つかってないのか?」
ST/ジョニィ:「まだだよ。で?」
レイヴン:「現場から女性ものの靴と銀のロザリオが出てきた話は知ってるか?」
ST/ジョニィ:「いや、細かいところまでは分からない。」
レイヴン:「そうか、邪魔したな。」電話をきる。現場は今どうなってるのかな?行ってみようか。
リタ:今日中に見つけださないと。現場に行ってみよう。
ST:マイクの案内で現場の店にやってきました。辺りに人はいないようです、戸口には鍵がかかっています。
リタ:ステッピング・サイドウェイであっちの世界から侵入しよう。
ST:グノーシスで難易度7。
レイヴン:判定します。1個成功。
リタ:入ったらすぐに“ワーム感知”で調べてみる。2個成功。
ST:ワームの臭いはしませんね。こっちの世界では建物などが入り口の開いた箱のような存在です。
レイヴン:店の中に入って、そこから現実世界をのぞき見てみるけど。女物の靴とロザリオはあるかな。
ST:店の中は警察の調査できれいに片づけられていました、靴とロザリオは机の上にありました。知性+調査で難易度6。
レイヴン:4個成功。
ST:台帳があって「インディアンのまじないの品物?シェリンが興味?」というような走り書きがありました。その下に、『8月2日/JJ』というサインが入っています。おそらくこの品物を売った人物のサインでしょう。
マイク:JJって誰じゃろか?
リタ:あの赤髪の男かな?
レイヴン:とりあえずもう一度アパートに行ってみて、帰ってきていないかどうか確認しようか。
ST:はい。アパートに行きましたがやはり帰ってきていませんでした。君たちが帰ろうとすると、「まだ帰られてないんですか?」って大家さんが話しかけてきました。
レイヴン:「はい。なにか連絡がありましたか?」
ST/大家:「彼女宛に郵便が来てるんだけれど。」
リタ:ああ、すっかり忘れてた。(笑)
レイヴン:「教会の方で預かりましょう。」中身は何かな?
ST:見るのか。(笑)ウェイド・カーチスの署名があって、内容はこういうものでした。「写真だけではよく分からないので是非実物を確認したいと思います。私も貴女の言うようにインディアンのまじないの品物ではないかと考えていますが、実際の所はどうなのかはっきり分かりません。頭蓋骨は狼のものではないでしょうか。連絡を待っています。」
レイヴン:すぐ教会に戻ってカーチスに連絡を入れよう。
ST:はい、ウェイド・カーチスに連絡が取れました。「あなたは?」と訊かれますけど。
レイヴン:「シェリン・ルイスの友達で教会のものです。彼女は2~3日留守にしてまして、郵便物を預かってます。」
リタ:こう言った方がいいんじゃない?「彼女が何らかの事件に巻き込まれているかもしれないから、あなたの方で何を調べていたのか教えて欲しい、手がかりになるかもしれないから。」って。
レイヴン:電話はリタに任せるわ。(笑)
ST:はい、そう言ったんやな。「送られてきたのは写真だけだったんだよ。」
リタ:「その写真というのは?」
ST/ウェイド:「私には狼の頭蓋骨を何かで飾ったものに見えたね。」シェリンはこの品物の鑑定をウェイドに頼んだそうです。で、彼自身もこういったものを見たのは初めてだったそうです。
リタ:「彼女は以前にもそういった依頼をしてきたことがあったの?」
ST/ウェイド:「ああ、何度かね。」
マイク:後はあの赤髪の男を探して捕まえるしかないな。
リタ:ウサギの罠を仕掛けるのじゃよー!
ST:彼がJJであると仮定して探すんですね?足で稼ぐんだったらダウンタウンへ出かけて、知性+裏社会で判定してください。
レイヴン&リタ:裏社会なんて技能、持ってない。
マイク:僕がうろうろして訊いてまわるよ。…1個成功。
ST:JJって名前を出したらすぐに反応がありましたよ。彼はこの界隈ではちょっと顔がひろいようです。
マイク:何をしている奴だか訊く。
ST:魅力+裏社会で判定、難易度5。
マイク:2個成功。
ST:泥棒だってさ。話を聞いた若者がにやにやしながら言うよ。「命狙われてるんだってさ。」
マイク:「また、どんなことに首をつっこんだんだ?」
ST:「よく分からんが、この辺りの飲み屋を渡り歩いて知り合いにかくまってもらってるんだとさ。あいつ単車に乗ってるだろ?この辺の飲み屋を探して歩いたら見つかるんじゃないの?」
マイク:よし、虱潰しに探すぞ。
ST:じゃ、夜に三人でこの界隈を探して歩くということで。マイクがナンバーと単車の型を覚えていたので、すぐに見つけることができましたよ。
マイク:単車いじって壊しておく。逃げられないように。
ST:知性+修理で、難易度6。
マイク:4個成功。ばっちり、めっちゃ改造してやった。
レイヴン:爆発して死んだり。(笑)
リタ:成功だ!(笑)
ST:店に入っていきました。結構若い衆のたまり場みたいですね、ビバリーヒルズ青春白書に出てくるような。
マイク:「JJって男はいるかい?」ってその辺の奴に訊く。
ST:がたいの大きな男が言います「誰を捜してるって?」
マイク:「JJって赤い髪の毛の小僧だよ。知ってるのか?」
ST:君たちをじろじろと見て「会わせてやるよ、ついて来な。」
マイク:こそっとレイヴンに「後は頼んだぞ。」って。
レイヴン:え?何が?会わせてくれるって言ってるし。(笑)
マイク:お前、そんな朴訥な奴だったか?
レイヴン:いや、それが狼生まれらしいところなんだろう。
ST:裏路地にずんずん入っていって、何度か曲がった先で行き止まりでした。足音がして、路地の向こうから数人の若者がやってきて言います。「俺達はダチ思いなんだよ。」
レイヴン:JJはどこ?(笑)
ST:誰かが言う。「ボビィ、そいつ痛い目にあわせてやれ。そしたらもうJJのこと嗅ぎまわったりしないだろ!」
レイヴン:「騙したな!」ってファングダガー抜いたりして。(笑)
ST:でも“威嚇”とかでビビって逃げ出すでしょう。
レイヴン:やってみましょう。
ST:じゃ、魅力+威嚇で難易度5。
レイヴン:5個成功。「早くJJを連れてこい、さもないと全員殺すぞ。」
ST:転けた。(笑)っていうかめっちゃビビった。「うっ」ってなって全員引く。ぱっと上を見ると、建物の2階の窓から赤髪の男がこっちを見ていました。
マイク:あっ、また目が合った。
ST:その瞬間ぱっと頭を引っ込めました。
マイク:追いかけよう。
ST:丁度建物から出てきたJJが単車にまたがってエンジンをかけようとしていますが、君がさっき壊しておいたから当然エンジンはかかりません。
マイク:キュルルルルルル!キュルルルル!(←エンジンの音)
ST:ドカーン!(笑)
リタ:成功だ!(笑)
ST:うそうそ、捕まってしまいました。「おまえ、俺のバイクに何かしたのか!?」
マイク:「ちょっとした小細工をな。」部品を返してあげよう。路地の行き止まりに連れてきて問いつめよう。「シェリンとオリバー・ブラウンを殺したのはお前か?」
ST/JJ:「バカな!俺が行ったときはもうああなってた!」
マイク:「じゃあ何で逃げ出したんだ。」
ST/JJ:「人が死んでたからさ!あんたも見たんだろう?」
レイヴン:「教会の周りをうろついてたのはなぜだ?」
ST/JJ:「シェリンなんとかっていう女が心配になって見に来てたんだ。」
リタ:「教会にはいなかったでしょ。あなたがあの故売屋に行ったのはなぜ?」
ST/JJ:「品物をどこでさばいていいか分からなかったから、オリバーのところで20ドルで引き取ってもらったのさ。そうしたら何日か後で興味を持っている人がいるからどこで見つけたか教えて欲しいって…シェリンっていうシスターだって聞いたから安心して、あの日あの店に行ったんだ。そうしたらああなっていたんだよ。」
リタ:「その品物はどこで盗んできたものなの?」
ST/JJ:「ああ、ローゼンバーグっていう屋敷だ。高級住宅街にある古い屋敷で、ホテルだか、マンションだか分からない廃屋があって、みんな幽霊が出るとかでビビってたから、俺はあの屋敷で掘り出し物を見つけてやろうと入っていった。で、地下室を歩いてたら床を踏み抜いて下に落ちたんだ、そこは洞窟みたいな横穴になっていて、俺は昔のマフィアの密輸用の通路だと思って、それで、妙な臭いのする部屋に出た。そこには…何て言うか石が積んである場所だった、それから犬か猫の死体も。ヤバいって思った時、足音が聞こえたから、おれは一番近いところにあったものをひっつかんで一目散に逃げ出したんだ。それが、故売屋に売りつけた骸骨みたいなものだったのさ。」
マイク:「おまえ、ケルンを荒らしたな。」
ST/JJ:「何だそりゃ、マフィアか?」
マイク:「それよりもっと恐ろしいものだ。」
リタ:なのに他人のことを心配する余裕はあったのか。(笑)
マイク:「よしよし、その場所まで案内しろ。それがお前が助かる唯一の道だ。」
ST/JJ:「なんだ?これは…悪霊か何かの仕業なのか?」
ST:(レイヴンを見て)あ、こいつ“カンガルーの跳躍”なんか持っとる。糞の役にもたたんのに。
レイヴン:ほっとけ!ドンドンドン!(←机を叩いている)
ST:“早足”よりも“ワーム感知”の方が役に立つのになあ。
レイヴン:速く走れるし、めっちゃ跳べるんやぞ!
リタ:走って走って、跳んで跳んでする狼?こわー。(笑)
ST:タブロイド誌に載るんだろ。見出しは『飛ぶ犬!』でビルを飛び越えている挿し絵付き。(笑)
リタ:『ムー』とかにも載ったり。(笑)
ST:えーと、案内してくれましたよ。ローゼンバウムの屋敷内です。「ここから落ちたんだ。」と床の穴を指さして教えてくれます。
マイク:どうする?こいつは帰そうか、それとも連れていく?
ST/JJ:「勘弁してくれ。」
レイヴン:「帰ってもいいがその前に、教会に寄って今までのことを正直に話すんだ。悔い改めればシスター達も誤解を解くだろうから。」
ST/JJ:「マジっすか?」と言いながら走って去りました。
マイク:ほんじゃ、注意深く穴の中に入っていこう。
ST:はい、入ったらすぐにつんと埃の臭いに混じって腐臭がしてきました。
リタ:“ワーム感知”してみよう。達成値は6、6、7、7。
ST:臭うよ。この近くにいるみたいですね。
リタ:先頭は君だ、僕は後ろだ。
ST:進みますね?しばらく歩くと四角く区切られた小部屋に出ました。床を見ると、猫や鼠の死体が転がっていました。…懐中電灯くらい持ってるよな?
マイク:持ってる。よく照らしてみるけど。
ST:奥の方で女性が縛られて倒れている。
レイヴン:行ってよく見てみるけど、シェリンかな?生きてる?
ST:生きてますよ、間違いなくシェリンです。縛られて口にガムテープを貼られています。
レイヴン:テープをはがすよ…思いきり。
ST:痛い痛い!(笑)「レイヴン?」
レイヴン:「一体どうしたんです?」
ST/シェリン:「後ろ!」
レイヴン:後ろ?あわてて振り向く。
ST:はい、イニシアティブ判定。難易度8で。
リタ:1個成功。
レイヴン&マイク:2個成功。
ST:やるな…うわー!1個成功。
レイヴン:そいつ、何だったの?
ST:かなり大きな体の男性です。両手にでっかい斧を持っていて、そいつを振り上げています。
マイク:レイジを1点消費して変身する。
レイヴン:その斧を拳で叩き落としたい。
ST:敏捷+格闘で判定。難易度7。
レイヴン:レイジを1点消費して行動回数を1回増やします。それから格闘の判定に意志力を1点消費してサイコロ1個ぶん自動成功で…4個成功。
ST:落ちた!巨大な斧が部屋の隅に吹っ飛んでいきます。
レイヴン:2回目の行動、格闘で攻撃。5個成功。
ST:命中した。ダメージくれ。
レイヴン:あー2個成功。まあただのパンチだから。
ST:1段階だけもらった。よく見ると髪の毛がところどころ抜けていて、目つきもちょっと尋常ではない。きっとフォモーリ(ワームが人間に乗り移ったもの)なのだろう。
レイヴン:何だ、普通の人間かと思って手加減してたのに。
リタ:私は側で見てる。
ST:フォモーリは腕を振り回して素手で攻撃。レイヴンに3個成功。
レイヴン:回避は…失敗。
ST:ワーウルフ素手で殴ってもあかんっちゅーに、ダメージ2個。
レイヴン:耐久力チェック…失敗!2段階くらった、痛い。
ST:おいおいおい、何やってんだよ。(笑)次のラウンド、イニシアティブ判定、こっちは3個成功。
マイク:3個成功。
レイヴン&リタ:失敗。(0個成功、ボッチではない)
ST:こっちは逃げようとするぞ。
マイク:逃がさん、組み付く。
ST:敏捷+格闘で判定。難易度8。
マイク:4個成功。
ST:捕まった。
マイク:そのまま締め上げて噛みつく。
ST:はい、死んだでいいでしょう。
マイク:人間の姿に戻ります。この部屋は何だったんだろう?調べてみるけど。
ST:知性+調査で判定どうぞ、難易度は6。
マイク:2個成功。
ST:ここはケルンじゃないぞ、どっちかって言うとケルンを作りかけているように見える。
レイヴン:シェリンに今までの経緯を聞いてみるよ。
ST:彼女の話によると、故売屋にいるところを突然連れてこられたそうです。オリバー・ブラウンはその時に殺されたと。そいつがここで何をしていたかは分からないそうです。何でも猫を殺していたとか。
リタ:うわー素敵。(笑)
マイク:ただの変質者じゃねーか!(笑)
ST:例の狼の頭蓋骨はここにありました。きっと故売屋から持ち帰ったんでしょう。
リタ:頭蓋骨とこの場所の関係は分からんかな?
ST:うーん、何の判定がいいかな…
レイヴン:“エニグマ”とかは?
ST:ああ、それがいいや。知性+エニグマで判定してください。難易度6。
レイヴン:やった、ついにこの技能が役立った。(←エニグマ3ドット)3個成功。
ST:あのね、ここはワーウルフのお墓じゃないかと思いました。例の頭蓋骨は古のワーウルフのものでしょう。で、結局ワームがここで何をしていたかというと、墓暴きとともに…
リタ:猫を殺していた。(笑)
レイヴン:と、ともに女性をさらってきて縛って寝かせた。(笑)
ST:要するに墓の冒涜です。マイクはシャーマンですからグノーシスで判定してみて。
マイク:2個成功。
ST:何か望まない死を迎えたものがいた、という事実が漠然と分かりましたよ。さっきのフォモーリは屋敷の住人だったのでしょう。このローゼンバーグの屋敷で過去に何があったかを伺い知ることはできませんが、彼がワームにとりつかれてしまうほどの何かが起こったのは間違いないでしょう。それで、たまたまこの場所を見つけたワームは、ここを自分たちのケルンとするにふさわしい場所だと思ったのではないでしょうか。
レイヴン:じゃ、帰ろうか。ここにあるものをすっかり壊してから帰る。
ST:“浄化”の儀式は?
レイヴン:浄化するの?でもちょっと時間がかかるから…ってお前ら帰るなよ。(笑)
リタ:それじゃお先に。(笑)
ST:まあ、後から来ましょうってことで。教会に帰るとJJがいました。
レイヴン:おっ、本当に来てる。
ST:JJが照れくさそうに言います。「オバケ出ました?」