ジャック・レイモンド
第13世代ギャンラル
表の個性:生存者、裏の個性:孤独、コンセプト:ヒッピー
街を離れ、荒野に生きるヴァンパイアの一人で、『ビリーの店』周辺を縄張りにしています。タフで力強い男性ですが、保守的で狭量なところもあります。
プレイヤー:チャッピー
フィオ
第13世代ケイティフ(クランなし)
表の個性:生存者、裏の個性:審判者、コンセプト:ジャーナリスト
彼女は医学関連のジャーナリストとして高い名声を得ていましたが、生来の探求心と実直さが災いして、とある街の実力者に命を狙われることになってしまいました。
プレイヤー:リサ
ピート・ミュラー
第13世代トレアドール
表の個性:創造主、裏の個性:洒落者、コンセプト:パフォーマンス・アーティスト
彼はトレアドールらしく、享楽的な生活を送っていました。古い友人のフィオが問題を起こし、それについて“つい”手を貸してしまったために、街を追われてしまいます。
プレイヤー:コニタン
ストーリーテラー:ナッキー
プレイ日時:1998年7月25日(土曜日)17時~19時
ST:始めましょう。ピートとフィオ、あなたがたはある大都市に住んでいましたが、とあるもめ事に巻き込まれて街を離れなければならなくなりました。
ピート:それは、逃げてるってこと?じゃ、この『財産:3』はどうなるの?
ST:一からやり直してください。(笑)
ピート:ひどいや!(泣)そうだ、財産の一部を持って逃げているぞ。
ST:君たちはその街の有力者、おそらくプリモゲンかそれに継ぐ実力者に追われています。今は車で逃亡生活の最中だ。
ピート:俺達はどんな事をしたっての!?っていうかもう横にケイティフが乗ってるし。(笑)
ST:まあ、フィオはジャーナリストだからその有力者のスキャンダルか何かを暴いてしまったのでしょう。ピートは元からフィオの知り合いで、どこかが気に入ってたのか、彼女を逃がしたことで一緒に追われる身になってしまっています。街を離れた生活など考えたこともありませんでしたが、この数週間は車の中で寝泊まりしています。
ジャック:死ぬぞそれ!
ST:確かに命がけですね。飛行機などで逃げるとしても、貨物輸送扱いか何かにして貰わないと無理でしょうね。
ピート:ああ、もう死を覚悟したよ。(笑)
ST:一応ピートのジャケットには44口径コルト・アナコンダが、最後の手段として用意されています。幸い、3日ほど前に偶然出会ったヴァンパイアが、道沿いにロードハウスが一軒あることを教えてくれました。そこはビリーという男が経営していて、野外を根城にしているヴァンパイアが集まる場所だそうです。
フィオ:つかの間の休息ナリ。今はそっちを目指して走ってるの?
ST:そうです。真夜中の道をライトをつけて走っています。音楽を鳴らしていたカセットデッキも、何時間も前にテープが絡み付いてしまって止まっています。
ピート:つらっ!最悪のオープニングやな~。
ST:ラジオをつけてみると、ノイズに混じってニュースが聞こえてきます。「・・・この事件について警察は警備を強化し、ハイウェイに検問の準備を・・・」後はノイズで聞こえなくなってしまいました。誰が運転してるの?
ピート:俺じゃあ。
ST:君が車を走らせていると、一瞬道路上に白い影が映ったのが見えて、すぐに子供だということが分かりました。耐久力+警戒で、この長運転に耐えられているかどうか判定してみてください。難易度8。
ピート:ボッチ・・・(笑)
フィオ:もうボロボロ?ごめん無理させて。(笑)
ピート:気付かずに踏んでいくかも。今「ドンッ!」って・・・(笑)
ST:慌ててハンドルをきって、路肩に突っ込みます。そのまま車がひっくり返ってしまいました。
ピート:ありゃ?
フィオ:りゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!(←!?)
ST:落下したときのルールを使いますね。耐久力でチェックしてください。難易度8。
フィオ:1個成功。
ピート:2個成功。
ST:フィオは一段階の負傷(かすり傷程度)、ピートは無傷ですんだ。
フィオ:子供は?
ST:探すと、茂みで倒れていました。ぐったりしています。
フィオ:助け起こす。“医学”の技能で診ていい?
ST:いいですよ。難易度は6で。
フィオ:4個成功。
ST:かすり傷とかるい打ち身程度ですが、今は何とも言えません。医者に見せた方がいいかもしれません。フィオは“血の蓄え”が残り2だから、ここで自制心チェックを行ってください。
フィオ:1個成功。
ST:それじゃちょっとクラクラしたけど何とか自制することができた。後で血のついた手を嘗めてしまうかもしれへんけど。(笑)その子は6歳ぐらいの男の子でした。
フィオ:男の子?「まあ可愛らしい。」(笑)
ジャック:おい、声が震えとるぞ。(笑)
ST:服が泥だらけで、気を失っているようだけれど、うっすら目を開けて「パパ?ママ?」と言います。
ピート:「困ったな・・・とりあえず、車を何とかしよう。」
ST:車を筋力で起こすなら、作業する者全員で筋力が8ドット必要です。もし8ドットに満たないのならば、足りない1ドットにつき、“意志力”で難易度9の成功が必要です。もしくは、“血の蓄え”を使って筋力を増強させるか。
ピート:・・・(←筋力2ドット)
フィオ:・・・(←筋力1ドット)辺りに何か道具になりそうな物がないか探すよ。
ST:はいはい。辺りを見回していたら、この道から外れた場所に光が点々と見えます。キャンピングカーみたいですね。
フィオ:罠なのじゃよ!
ピート:子供を連れて、キャンピングカーに近づいてみます。
ST:近づくと、つんときつい血の臭いがしました。
フィオ:まずいのじゃよ~(←お腹ペコペコ)私が近づいてみようか、“不可視”の能力を使って。
ST:料理セットがひっくり返っていて、近くの薮の中から足が見えています。のぞくと、めちゃくちゃになった女性の死体でした。
フィオ:その辺を1周して見回ってみるけど。
ST:車を挟んで反対側の薮のなかで男が死んでいました。血はまだ暖かいですから、ここでもう一度自制心チェックを行ってください。
フィオ:1個成功。
ST:おお、止めたか。すごいな。(笑)死体は何か鋭い物で切り刻まれています。
フィオ:詳しく見る。“医学”で、9が2個と6が1個。
ST:はい、動物の爪のようにも見えます。
ジャック:ワーウルフだー!!(恐)
フィオ:どうだろう。キャンピングカーの中も荒らされてる?
ST:ひどく散らかっていて、壁に血が飛んでいたりする。
フィオ:分かった。とりあえず戻って話す。
ピート:聞いた。キャンピングカーに入って様子を見てみる。運転席に行ってみて、キーを回してみるけど。
ST:エンジンはまだ動きます。
ピート:使える、掃除だ!(笑)
ジャック:この状況をどう弁解するの?人間にも追われるようになるぞ。(笑)
フィオ:車を起こすのに何か使える物はないかな。
ST:それならキャンピングカーにウィンチがついています。
ピート:よーし、それで転倒した車を起こすぞ。
ST:車を起こして、道に戻しました。幸いここを通る車はまだありませんね。こんなところにパトカーが来たらどうするんだろうな。(笑)
ピート:それはもう銃を使うしかない。
ST:「俺達じゃねぇー!」って拳銃かまえても全く説得力がないよな。(笑)
フィオ:キャンピングカーの救急セットで、男の子の応急手当をしておく。
ST:応急手当がすんでしばらくすると、男の子は意識を取り戻したようで、「パパ、ママ」とかいいながらめそめそ泣き始めた。
ピート:「君のお父さんとお母さんは?」と聞いてみる。
ST/男の子:「森の中から黒い物が飛び出してきて・・・」
フィオ:「黒い物って?」
ST/男の子:「爪が長くって、ぜえぜえ息してて、臭いんだ。」
ジャック:違うよ、俺じゃない!きっとワーウルフだ!(←うるさい)
フィオ:でもこの子にあれを見せるわけにはいかないから。
ピート:「とりあえず、子供は連れていこう。」
ST:それじゃ子供を車に乗せて走り出しました。
ST:ジャック、君は単車に乗ってビリーの店に到着したところです。まだ宵の口かな。この店には客はあまり立ち寄りません。酒場と雑貨屋、あと燃料補給もできるかな。君が店の前に停車すると、奥の方に天井がへこんだ高級車が隠すように停められています。
ジャック:「ビリー、今度はボロ市でもやろうってのかい?」
ST/ビリー:「ああ、気が付いたか。昨日夜遅くにな、珍しいお客が到着したんだよ。二人の同族だ。」ちなみにビリーはフリーのグールです。多分この辺を縄張りにしている君たちギャングラルたちのグールでしょうが。
ジャック:「俺たちの他に同族が?どこかのお尋ね者だろう、どうせそこらの街から逃げてきたに違いないさ。」
ST/ビリー:「まあ、あまり詮索しない。それが俺達のやり方だろう?」
ジャック:「しけた話を聞いちまったな、酒を貰おうか。」
ST/ビリー:「ああ、それにあいつら子供まで連れて来やがった。もうすぐ起きてくる時間だ、話しを聞いてみるがいいさ。」
ジャック:「ところで、例の事件はどうなっているんだ?」俺は事件のこと知ってるんかな?
ST:知っているでしょう。「ああ、どうとも言えんな。野犬の仕業だって警察の発表を聞いたんだろ?まあ、どう見たってあんなのは野犬がやる事じゃないがな。」と。
ジャック:「不愉快だな。」
ST/ビリー:「それと、ジェイコブ・キングの話は聞いたか?」ジェイコブ・キングは、ここから南に行ったところにある小さな町に住んでいるケイティフで、そこではたった一人のヴァンパイアです。ジャックも数回は会ったことがあるでしょう。
ジャック:「いや、どうした?」
ST/ビリー:「姿が見えないそうだ。その件でセイラ・ラムジーがあんたに会いたいと言っている。今夜、ここに来るそうだ。」セイラはグールで、ジェイコブの下僕です。はい、フィオとピートは起きて階段を下りてきますよ。
フィオ:「子供はどうしてる?」
ST/ビリー:「ああ、奥で寝てるよ。幸い体に異常はなさそうだ。」
ジャック:横目でジロジロ。
ST/ビリー:「ああ、紹介しなきゃな。こちらは昨晩やってきたフィオさんとピートさん。こいつは・・・」
ジャック:「ジャック・レイモンドだ。」
ST/ビリー:「あの子供のことだが、病院につれていくのはいい。だが、あんたらが出会った状況が状況だからな。まさか説明するわけにもいくまい。」
ジャック:「ここら辺は静かな土地だ、もめ事はごめんだぜ。」
ピート:「座りましょうか。ごきげんよう、ジャックさん。」とにこやかに挨拶する。
ジャック:「訳を話して貰おうか。」
フィオ:「道を走っていて、子供が飛び出してきたので慌ててハンドルをきったら車が横転してしまって。」
ピート:「僕たちだって、好きでもめ事をもってきたわけじゃないんですけどね。」と、あとはかくかくしかじか。
フィオ:「何だか知らないうちに巻き込まれてしまって。」
ST:そうこうしていると、表の方に車が一台止まりました。入り口が開いて、20代半ばくらいの女性が入ってきます。
ジャック:ビリーに「セイラか?」と訊いてみる。
ST:彼は「そうだ。」と、うなずきます。
ジャック:立ち上がってそっちに歩いていく。「ジャック・レイモンドだ。」
ST/セイラ:「セイラ・ラムジーです。ジェイコブがあなたを頼れって言ってたんです、だから来ました。」
ジャック:「ジェイコブが?それで?」
ST/セイラ:「彼、一昨日の夜から帰ってきてないんです。こんなことあり得ないはずなのに。」
ジャック:「初めてのことか?」
ST/セイラ:「一週間ほど前のことです。彼が私に言いました。妙な連中が来ているって。彼はそのことについて調べていたようです。あまり教えてくれなかったけれど、あまり夜出歩くなとも言われました。」
ジャック:「その連中について分かっていることはあるか。」
ST/セイラ:「流れ者のようでした。詳しくは知りませんが、町の安モーテルに泊まっていたようです。そういえば先ほど、ここへ来る途中でパトカーをたくさん見かけたんですけれど何かあったのですか?」
ジャック:笑う。「あいつらだよ。」って二人の方を見る。
フィオ:「いい加減なこと言わないでくれる?」
ジャック:二人に言う。「どうだろう、君たち。この近くで何か厄介事が起きたようだ。この件について協力してくれたら、君たちの手伝いをしてやろう。」
ST/ビリー:「そういうことなら、あの子はここで預からせて貰うぜ。」
ジャック:「納屋に、使っていない車が一台あっただろう。そいつをくれてやろう。それなら足もつかんだろう。」
ST:すごいオンボロ。っていうかオープンカー。夜明けと競争だ!(笑)
フィオ:光速をこえるぜ。
ST:タイムスリップするぞ。(笑)セイラが不安そうに君たちの方を見て「それじゃよろしくお願いします。」って言います。
ST:着きました。人口10万人未満の林業が中心の小さな町です。この町には宿泊所が3軒しかありません。そのうちの1軒がモーテルになっていて、“オークリーフ・イン”というところです。ジェイコブが言っていたという“あやしげな連中”が泊まっていたのもここでしょう。
フィオ:とりあえず、中に入ってみますが?
ST:部屋というかコテージみたいなのが何軒もあって、そのうちの一つが管理人のいる部屋みたいですね。入っていくと、チェックのシャツを着たおじさんが言います。「お泊まりは3名様で?」
ジャック:「ああ、ちょっと訊きたいことがあるんだ。」
ピート:このモーテルに泊まる人は少ないの?
ST:はい、外から人が来て泊まることはめったにありません。
ピート:「ここに一週間以上滞在していた人はいませんか?」
ST:交渉力+策略で判定、難易度6。
ピート:2個成功。
ST:男は君たちの方を見て、「あんたら探偵か何かかい?」
ジャック:「まあ、そんなところだ。」
ST:彼の話によると、最近一週間以上滞在していたのは3人組で、3日前に出ていったそうです。パッとしない女と、無愛想そうな男、それからしょっちゅう咳き込んでいたオヤジという組み合わせだったそうで、宿帳の署名には“ダンカン・ベック”とあったそうです。
ピート:「それで、その3人組を訪ねてきた人はいませんでしたか?」
ST/管理人:「いや、ここには誰も来なかったと思うんだがね・・・その3人はそこの角の店でよく飯を食っていたから。」
ジャック:「その部屋はそのままになってるんだってな、ちょいと調べさせてくれないか。」
管理人に頼んで3人組が泊まった部屋を調べてみるも、手がかりは得られず。3人がよく行っていたという、レストランに行って話を聞くことになる。
ST:はい、田舎にある典型的なレストランです。ぐちゃぐちゃのスルランブルエッグとかを出すところ。店に入ると、「いらっしゃいませ。」とかって言われますよ。
ジャック:スクランブルエッグとコーヒーを注文する。
ピート:ウェイトレスに「ちょっと前に、この店へ見慣れない3人が来たことはありませんか?」と訊く。
ST:ウェイトレスはユーモアのある笑顔を見せながら、「あなたたち以外に?」といいます。
ピート:「そうです、教えてください。」
ST/ウェイトレス:「覚えているわ、あの若い男の人とおじさん、それに女性でしょ。」
ジャック:「そんなに目立つ連中だったのかい?」
ST/ウェイトレス:「この町によその人が来ることは珍しいから。たまにだけど、ここへご飯を食べに来てたみたい。そこのモーテルへ泊まっていたんでしょ?」
フィオ:「彼らがこんなところで何をしていたのか分かる?」
ST:機知+警戒で、難易度7。
ピート:よっしゃ、3個成功。
ST:店の前にパトカーが来ている。
ピート:ええっ!!(恐)
ST/ウェイトレス:「地図を見ているみたいだったわ、この町付近だと思うけど。その時は人を待っている風で、すぐにもう一人やってきたけど。」
ジャック:「そいつは・・・」とジェイコブ・キングの容姿を言うけど。
ST/ウェイトレス:「違うと思う。その人も見ない顔だった、きれいな金髪で、ぞっとするような雰囲気の男だったわ。それで、地図を見て話していたから、ハイキングにでも行かれるんですかって訊いたの、そうしたらその男の人がニヤっとして、そうだって。本当にあのときは背筋が寒くなったわ。」
ピート:よし、立ち上がるぞ。「ありがとう、ここの食事はおいしいからまた来るよ。」小声で二人に「パトカーが来ています!」(笑)
ジャック:「大丈夫だろ、堂々と構えてりゃいいんだよ。」
ST:警官2人が店に入ってきました。「コーヒー、頼むよ。」ってウェイトレスに頼んでいます。警官の1人、若い男がちらっと君たちの様子をうかがっていますよ。
フィオ:笑顔で「こんにちは。」って挨拶する。
ST:若い警官はちょっと会釈しました。もう一人の禿げた保安官も君たちの方をちらっと見るけど、すぐに興味なさそうにウェイトレスとおしゃべりし始めます。
ピート:やばいよ、出ていこう。
ST:店を出る直前に、警官とウェイトレスの会話がちらっと聞こえます。「この前言ってたキャンパーが野犬に殺された事件はどうなの?」とか。
フィオ:一度店から出てから、“不可視”の能力を使ってもう一度店の中に入って聞こう。
ST:君がもう一度店に入ると、警官とウェイトレスはまだそのことについて話していた。「今、町のハンタークラブに連絡して、山狩りをしようかってことになってるんだけれど、狼か熊の仕業じゃないかとも言われてるし、最近は、この先のハイウェイのそばでキャンパーがやられてる事件もあった。すぐに車のナンバーから身元を確認したら、子供が一人いなくなってるらしいしね。」(笑)
ジャック:心配するなって、俺にまかせとけ。
ピート&フィオ:なんでやねん・・・
ジャック:何で!?それはキャラクターが頼りにならんのか、プレイヤーが頼りにならんのか、どっちな!
フィオ:両方じゃ、相乗効果じゃ。
ジャック:ひどい、僕のキャラクターが頼りになった試しがない。(泣)
ST:若い方の警官が出入口の方に歩いてきて、窓から外の様子をうかがいながら「さっきの3人は?」と訊く。ウェイトレスは「突然来て、何だか人のことを訊いてきたわ。前のモーテルにも立ち寄ったみたいだし。」
ピート:おしゃべりなウェイトレスめ~。
ST:「よそ者は目立つから。」って。もう一人の禿げた保安官は「私はあまり野犬のせいだとは思えんのだがな、それについては署長が・・・」と事件のことについて話している。それからしばらくして、警官達は帰っていきました。店も閉まってしまいます。
ジャック:「どうだった?」って訊く。
フィオ:「やっぱり警官達も狼の仕業だとは考えていないみたい。あと男の子一人が行方不明になったとか・・・」
ST:近くに車の横転したあとがあったとかは、もうばれているでしょうね。さあ、夜も更けていきますが?
3人は『地図を持った3人組』のことについてあれこれ可能性を挙げ、今後の捜査の展開を考えるが、よいアイデアが浮かばず、ビリーの店まで戻ることとなった。
フィオ:とりあえず、もう一度あの町に行っていろいろ調べてみよう。
ST:町に入ってすぐ検問に止められました。「この町の方じゃないですね?」
ピート:「ええ、違います。」
フィオ:「ちょっとした旅行で。」
ST/警官:「野外でキャンプなさっているわけじゃないでしょうね?」
フィオ:「モーテルに泊まっていますから。」
ST/警官:「脅すわけじゃありませんが、ここらは野犬の被害がでてましてね。」って警告してくれる。
フィオ:びっくりしたような反応を見せる。
ジャック:「どの辺だ?」
ST/警官:「この辺り全部ですよ。まあ今の所被害が出ているのは2軒だけなのですが。」
ジャック:「ごくろうさん。」
ST:町にやってきました。ちなみに、セイラ・ラムジーの住んでいる場所は知っていますよ。それから、ジェイコブ・キングのヘブンの場所を知っているのも彼女です。
※ヘブンとは、ヴァンパイアが安全に暮らせる住処のこと。普通は日光などの脅威から身を守れるようになっている。ヘブンの種類は多く、ヴァンパイアによって違う。
ジャック:それじゃ、セイラにもう一度会って話を聞こう。
ST:彼女は町の工場で働いていて、小さな家にお婆さんと二人で住んでる。
ジャック:「こんばんわ。」って呼ぶ。
ST:すぐに彼女が出てきました。「分かりましたか?」って言う。
ジャック:「怪しげな4人の話は聞いたんだが、そこからはどうもな。」
ST/セイラ:「ジェイコブの住処を教えましょうか?」
ジャック:「彼が何か掴んでいたかもしれないなら、助かる。」
ST:裏通りにある、古い映画館跡だそうです。そこにある映写室か、地下室です。
ジャック:「野犬が出るらしい、気をつけてな。」映画館跡へ急ごう。
ST:着きました。映画館跡です。知性+調査で判定、難易度6。
フィオ:4個成功。
ST:いいでしょう。本立てを調べていたら、この町の地図が一枚出てきました。町からずっと離れて、森の奥、渓谷の辺りに赤丸がしてあります。
フィオ:何かあからさまに怪しい場所があるよ。(笑)
ジャック:っていうかもう行くしかないでしょう、これは。
ピート:そこは遠いの?
ST:車で40分くらいかかります。ちょっと遠いかな。
フィオ:まだ日も沈んだばっかりだし、大丈夫でしょう。そこへ車で移動する。
ST:途中まで舗装された道が続いていました。山の奥の方まで進んで行くと、チェーンが張ってあります。そこから先は山道になっています。
フィオ:チェーン切れるかな・・・外せる?だったら外して進む。
ST:チェーンを外したとき、後ろの方からパトカーがやってきました。
全員:うわー!!
ST:一回だけパトランプを回して、ライトをつけたまま車を止めました。ドアが開いて、保安官の服装をした男が一人、懐中電灯を持って出てきますよ。背が非常に高い50歳過ぎの男性で、濃いめの髭を生やしています。ライトで君たちの方を照らしながら、「こんなところで何を?」と訊いてきます。「ここから先は病院跡しか無いが。」
ピート:「どうやら道を間違えたようですね。」って笑う。「ここにチェーンが張ってあるのでおかしいとは思ったのですが。」
フィオ:「見ていた地図と違っていたようです。」
ST/警官:「地図を見せてもらえますか?」地図を見て、「ああ、多いんですよね。」って言う。
フィオ:肝試し?
ST/警官:「そう。ここは精神病院跡なんですよ。」街の方のお金持ちの患者ばかりが来るところ。「十数年前に火災があって、それからたまに人が見に来るようなところになってしまって。」
フィオ:「ええ、せっかくだからこの辺まで来たついでに見に行ってみようかと。」
ST/警官:「あれでしょ、いつ頃だか、火事を起こした原因の狂人がここに住み着いてるって噂。サム・フックって名前の。それから、ここら辺では最近野犬の被害が多いんですよ。」
フィオ:「それも聞きました。」
ジャック:「あんたはこんなところで何をしてるんだい?警察が野犬騒ぎであちこちかけずりまわってるってのに。」
ST/警官:「下の通りをパトロールしていたら、この道へ入っていくヘッドライトが見えたものでな。」で、知性+警戒で判定してください。難易度は8。
ピート:1個成功。
フィオ&ジャック:ボッチ!
ST:ピートは気付くけど、その警官の髭、もしかしたらやけどの跡か何かを隠しているのかもしれない。それから彼の胸のバッジには、アーロン・ヘイスティングとあった。
フィオ:「1度見ていったらダメですか?」
ST:魅力+策略で判定。難易度6。
フィオ:2個成功。
ST/アーロン:「・・・まあ、パトロールがてらということで、ついてきてください。」
フィオ:恐いよー、肝試しナリ!(笑)
ST/アーロン:「じゃ、この道舗装されてないし、この間の雨でぬかるんでいるから気をつけてください。」と言って、パトカーで山道を登って行きます。
ピート:一応あの彼のやけどの話はしておこうか。
フィオ:うわぁ、またそうやって恐がらせようとする。(笑)
ST:つきましたよ。火災の跡ももう目立たない、古い病院跡が見えました。「床を踏み抜かないように気をつけてください。」
ピート:“オーラ視覚”の能力でアーロンを見ておきます。
ST:判定してください。難易度は秘密。
ピート:10、8、4、4。
ST:分かりました、おそらくグールでしょう。落ちついていますね。「どうです?」って天井なんかをライトで照らすけど。ボロボロの布きれや、割れた材木、壁には変な染みなどがついていて、嫌な雰囲気です。
ジャック:「地下室はあるのかい?」
ST/アーロン:「あると聞いているが?」
フィオ:「見てみたいんですけどいいですか?」
ST/アーロン:じゃ、君の方を照らして「・・・いいんじゃないか。」と。
フィオ:懐中電灯持って、降りていく。
ST/アーロン:彼は階段を下りながら言う。「サム・フックの噂、本当だと思います?」
フィオ:「見たわけじゃないから、分かんないけど。」
ジャック:「そんな話、どこにでも転がっているじゃないか。」
ST/アーロン:「しかし、火のない所に煙は立ちませんよ。もしかしたら違う者がいるのかもしれない、そのサム・フックを連想させるような・・・もし、そうだとしたら、ここはちょうどいい隠れ家にならないかな。」って歩きながら言います。
フィオ:「こういう話がお好きなんですか?」
ST/アーロン:「君たちは少し臆病なようだね。」地下室に着いて立ち止まって言います。「意外と広いんですよ。手に負えない連中をね、ここに閉じこめたわけです。」
フィオ:「やけに詳しいんですね。」
ST/アーロン:「しかしまあ、」って言いながら辺りを見回して「よくもこんな場所に住む気になったものだ。」と言います。
ピート:「住む?閉じこめられたのでしょう。」
ST:彼は黙ったままライトをぱっと左右に振ります。壁にべっとりと付いた赤い染みが一瞬、目に入ります。
フィオ:調査していい?
ST:知性+医術で判定してみてください。難易度6。
フィオ:2個成功。
ST:乾いているけど本物の血ですよ。アーロンは奥の部屋へ歩いていきながら言う。「本当に、こんな所へ住みたがるのはだいぶ変わった奴ですよ・・・わたしも結局あの人の考えていることは分からずじまいだった。」一瞬、彼の照らす懐中電灯の光の先に、一人の男が見えました。金髪で、色の白い、若い男性でした。
ピート:「今、誰か見えたような気がしませんでした?」
ST/アーロン:「それは、あなた方ならば分かっているのではないですか?・・・それにしても、3人も同時にとは。」
フィオ:「何が言いたいのですか?」
ST:「そのくらいにしておけよ。」と声がして、さっきの男性が出てきますよ。「おお、3人もつれてきたのか、アーロン。」というと、アーロンは眉をひそめて「お前もあの獣野郎をもっと大人しくさせるんだな、いくら私でも庇いきれなくなるぞ。」と。それから、金髪の男が笑って言います。「主人のいなくなった猟犬には好きにさせておくさ、誰の手に負えるって言うんだ?あの化け物を・・・そいつは、ジェイコブの連れらしいな。ん?お前たちは?」
ジャック:「俺の友人だ。」
ST:「ははは、なるほど、街を追われてきた連中か。年寄りの靴を嘗めるような奴等だろう、従うのが得意なら新しい環境にも馴染んでくれるだろうさ。」ぱさっと音がして、アーロンがホルスターから銃を抜いて君たちの方に向けていました。目の前の男も後ろに手を伸ばしてサブマシンガンを手に取っています。少し行くと、鉄の扉がついている部屋があって、そこに拘束具をつけられて縛られた男がベッドに寝かされています。それから、もう一人の男は天井から逆さまに吊り下げられています。
ジャック:誰だか分かるかな?
ST:ベッドに寝かされているのはジェイコブ・キング。それに寄り添うように手を握っているのが、セイラ・ラムジーです。
ジャック:こらっ!(笑)できるだけ怒りを押し殺して、「ここへ連れてこいと言われたのか?」と訊いてみる。
ST:何かトロンとした目で君の方を見ながら、ジェイコブの手首からにじみ出す血を嘗めています。
「説明が足りんようだな、」男が言う。「この場所はノスフェラトゥの住処だったんだよ、そこへ我々の主人たちが襲撃をかけた。戦いの末、双方とも致命傷の傷を負った。結果、我々は自由を得た。」
要するに、ここでノスフェラトゥとサバト・パックの戦いがあったんです、その結果相打ちになったと。
それで、のこされたグールの下僕達は、自分たちが生き続けるためにヴァンパイアの血が必要だったんですね。アーロンはノスフェラトゥの下僕の一人で、金髪の男、ダンカンはラソンブラの下僕の一人ですが、自由になった二人はここで手を組んだんです。
で、もう一人ツマイシの下僕がいましたが、ツマイシは魔法で化け物みたいなグールを作りますから、そいつは今もこの近辺で暴れています。で、そいつは例の野犬騒ぎの張本人であったというわけです。
ジャック:「なるほど、ようやく分かった。いま、何をすべきなのかもな。」といって歯をむき出してみせる。
ST/ダンカン:「さあ、今から俺たちがお前らのご主人だ。ベッドは選ばせてやろう。」