アレックス・ホルス
第13世代ヴェントルー
外見年齢20歳 / 実年齢40歳
表の個性:創造主 / 裏の個性:従者
コンセプト:青年実業家
アレックスは合衆国でも屈指の大財閥、バーミリオン財団に生まれました。 20歳の時“いつまでも年をとらない”叔母のシェリーからはじめて一族の秘密を聞かされ、抱擁を受けます。 以来、財団は彼が取り仕切り、現在も資産家としてシカゴに君臨しています。
プレイヤー:チャッピー
ヴァレリー
第13世代トレアドール
外見年齢18歳 / 実年齢62歳
表の個性:創造主 / 裏の個性:享楽主義
コンセプト:エンターティナー
ヴァレリーは、とある劇団のオペラ歌手として知られている女性です。 親はその劇団の先輩ですが、現在の保護者はどういうわけかシカゴの権力者であるヒューザーと言う男性です。 現在はシカゴにある高級分譲マンションに、忠実な下僕であるロンファンという男と共に住んでいます。
プレイヤー:リサ
ジェイスン・ウェルズ
第13世代マルカヴィアン
外見年齢25歳 / 実年齢30歳
表の個性:審判者 / 裏の個性:道化
コンセプト:探偵
ジェイスンはまだ若いヴァンパイアです。 彼は以前から私立探偵として身を立てていましたが、同時に別の人格に悩まされることがしばしばありました。 “第二の”彼は、いつものまじめな青年からは一転して、狡猾で非情な殺人鬼となります。 彼を見たある精神科医は、彼を同族とするに足る人物だと判断し、その時から彼のヴァンパイアとしての人生がはじまりました。
プレイヤー:コニタン
ストーリーテラー:ナッキー
プレイ日時:1998年6月14日(土曜日) 16時~18時
ST(ストーリー・テラー):いいですか?始めますよ。真夜中、人気のないオフィスビルに君たちは集まった。誰の呼び出しかというと、もちろん君たちの直接の後見人であるアーサーという男だ。君たちは接客室に案内され、着席すると数分後、アーサーがやってきた。
ST/アーサー:「ごきげんよう、君たち。今回集まってもらったのは少し調べてもらいたいことがあったからだ。一週間前の新聞を読んだかね?」
アレックス:「経済欄なら。」
ST/アーサー:「いや、この街の出来事だよ。」彼はそう言って新聞をめくると、小さな欄を指さした。
「“ノーブル・ドリーム”が全焼」
ヴァレリー:ノーブル・ドリーム?
ST:市内の風俗店だよ、いわゆるのぞき部屋ってやつ。出火原因は建物の老朽化による漏電が原因だと書かれている。幸い真夜中だったため、死傷者はいなかったとなっている。
ヴァレリー:「これが何か?」
ST/アーサー:「“ノーブル・ドリーム”のオーナーは、エリック・ディールと言う男だった。経営者、支配人ということになっているが、実際のところはディビッド・ハガディという男の店だった。ディビッドは流れ者で、数年前にシカゴにやって来たケイティフだ。」
※ケイティフというのは、どのクラン(氏族)にも属さない、いわゆるアウトローだ。
ST/アーサー:「本人は」と言いながら椅子にもたれる。「ヴェントルーだと主張しているがな。私も一度会ったことがあるが、実に嫌な男だった。一言で言うと、人間の屑だ。」
ジェイスン:それをいうなら“ヴァンパイアの屑”やろ?
アレックス:「そういう輩だからこそ、カマリラに憧れるのでしょう。」
※カマリラとは、ヴァンパイアの集まりのこと。
ST:“ノーブル・ドリーム”は、裏では売春斡旋や麻薬の売買などの非合法な商売もやってたみたいだ。それなりに成功していたみたいで、近く2号店を開く予定だった。
ST/アーサー:「それでだ、これを見てくれ。」そう言って1枚の写真を見せる。そこには、火災現場の灰の上で黒こげになった人物が写っていた。「ディビッド・ハガディの死体だ。見ての通り、ご丁寧に胸に杭まで打ってある。」
アレックス:これはまた古風な。
ST/アーサー:「他にも銃で撃たれた後が2カ所ある。例え被害者がケイティフと言えど、これは同族殺しに他ならない。我々は“マスカレードの掟”に乗っ取って犯人を見つけ、同族殺しの罪を問わなければならない。」
アレックス:同族の仕業だとは思えんな、我々が杭などで死ぬと思っている者はいないだろうし。
ジェイスン:死ぬんじゃねーの? ※ダメージで死にます。
ヴァレリー:でも人間にこんな真似が出来るとは思えないよ。
ジェイスン:ウィッチハンターとか。
ST:だとしたら最悪だな。現在でも本物が実在するからね。“レオポルドの会”とか。
ヴァレリー:月に1回、文化センターの3階で会合?(笑)
ジェイスン:海岸でゴミ拾い?(笑)
ST:ウィッチハンター並びにゴミ拾い・・・世界貢献してるな。 それで、エリックはおそらくディビッドのグールだと思われる。
※グールとは、ヴァンパイアの忠実な下僕のこと。 ヴァンパイアは誰でもこのような下僕を作ることが出来る。 グールは歳をとらず、常人を遥かに越えた能力を発揮するが、ヴァンパイアと違い特殊能力は無いし、日光にあたっても平気だ。
ST/アーサー:「このディビッド・ハガディを殺した犯人を調べて欲しい。これが、エリック・ディールの住所だ。」と、メモを渡してくれるよ。
アレックス:「かしこまりました、必ず。」
ヴァレリー:そこまで分かってるのに、どうして・・・
ST:そこからが、君たちの仕事じゃないか。足だよ、足。
ジェイスン:パシリかー!
ST/アーサー:「いつもの君たちの活躍は、私もたいへん買っているのだよ。今回も期待を裏切らないと信じているよ。」
アレックス:「ありがとうございます。」まず、エリック・ディールのアパートに行こう。
アレックス:…何で俺のリムジンで行かなあかんのやー!
ジェイスン:ええやん、金持ちなんやろ。
ST:着きました、エリック・ディールのアパートです。相当古い建物で、近くに電車が通っています。彼の部屋の前まで来ました。ボロっちい木のドアです。
ジェイスン:インターホンはあるかな?
ST:無いよ。
ヴァレリー:じゃ、ライオンのノッカーでコツコツと。
全員:なんでやねん!
ヴァレリー:ここぞとばかりに突っ込むなー。
ST:獲物に飢えてんねん。えーと、数回ノックしましたが返事がありません。って、これ何時に行ったの?
アレックス:夜中の1時くらいかな?
ST:通りにはまだ人がちらちらいるけどね。返事は無かったよ。
ヴァレリー:でも昼間に行くよりも会える可能性は高いんだよね?寝てるかもしれないんだから。
ST:鍵はかかってるよ。
ジェイスン:留守か・・・侵入する?
ST:筋力が4ドット以上あれば木製のドアを引きちぎれるよ。
ジェイスン:無いって!“侵入”技能で鍵開けを試みます。
ST:じゃ、敏捷度+侵入で難易度6。
※このゲームの判定方法は、GMが提示した能力値や技能の値の個数だけ、10面体サイコロを振り、何個が難易度の値を超えたかで成功の度合いを決める。
ジェイスン:2個成功。
ST:開いたよ。留守みたいだね。
結局エリックは戻ってこず、めぼしい物は見つからなかった。彼は今もこの部屋で生活しているようだ。3人は“ノーブル・ドリーム”のあった歓楽街でエリックに関するうわさ話を聞くことにした。
ST:リムジンで行くのか?目立つぞ。
ヴァレリー:じゃ、私の車で行こう。軽だよ。
アレックス:狭いわー!「これだから日本車は・・・」
ST:あのですね、“ノーブル・ドリーム”は今でもありますが、中は全焼してますね。立入禁止の表示とかありますが、あまり周りに人はいないみたいですね。
ジェイスン:適当にその辺の店に入って話を聞こう。
ST:ポルノショップ?のぞき部屋?
ヴァレリー:えー、のぞかなあかんの?
ジェイスン:「本当のことを聞かせてくれないか?」というメモをガラス越しに。(笑)
ST:捕まるわ!
アレックス:飲み屋にしましょう。カジュアルな格好で。俗世にもまみれてみたいので。
ヴァレリー:膝でちぎったジーンズとか?
全員:なんでやねん!(笑)
ST:じゃその辺のバーに入ってうわさ話をかき集めたと。裏社会+交渉で難易度7。
アレックス:1個成功。
ジェイスン:ぼ・・・ボッチ。
※判定の際、1が出たら成功のサイコロを1個無効にする。その時1のサイコロの数が、成功のサイコロの数以上になると、ボッチと言ってひどい、致命的な失敗となる。
ヴァレリー:2個成功。
ST:じゃ、一人は蹴り出された、と。
ジェイスン:えー!
ST:・・・は酷いのでやめ。「あんた、サツだろ。」と言われましたが、そこは2人がとりなしたと言うことで。
ここではアレックスが財力にものを言わせ、小銭を渡すことで情報を聞き出したが、うわさは全くあてにならなかった。 知っている以上の情報を得ることは出来なかったのだ。 店で働いていた女達はあちこちの店に散らばったようだ。3人はあきらめ、次の日にもう一度エリックを訪ねてみようということになった。
ST:次の日だよ、と言っても日が沈んでからだけど。血の蓄えを1点減しといてね。
※血の蓄えは要するに、満腹度だ。これを1点使うごとに様々な超人的能力を発揮したり、傷を癒したり出来る。
アレックス:あ、マスター、昼間はエリックのアパートに雇っておいた探偵をはらせておくから。
ST:じゃ、夜になると彼から連絡があります。「今日は朝から家にいるみたいだぜ、今も家の中だ。」
アレックス:「ご苦労、帰っていいぞ。」で、皆に連絡をつけてアパートに直行しよう。
ST:じゃ、夜の8時頃。明かりがついてますよ。
ヴァレリー:ノックしよう・・・えーと、エリック・ディールの身柄を拘束して連れて行くんだったっけ?
アレックス:誰がやねん!(笑)情報を聞き出すんやろ!
ST/エリック:すぐにドアが開いて、やせ顔の男が顔を出すよ。「あんた、誰だよ?」
ジェイスン:「ディビッド・ハガディの仲間の者だ。話を聞かせてもらおう。」
ST/エリック:「まさかサツじゃねえよな、あんたら。」
ジェイスン:笑って、「もしそうだとしても、あんたをしょっ引くようなことはしない。知りたいのはディビッド・ハガディを殺った奴だ。」
ST/エリック:「俺を疑ってるのか?」じろっと見て、「ディビッドが死んだことは公にはなっていないんだろ、だとしたらお前たち・・・まあいい、入れ。」とドアを開けます。
全員:入っていく。
ST/エリック:「まいったなあ、あと1時間で仕事に行かなきゃならないんだ。」
ジェイスン:「新しい働き口は決まったのか?」
ST/エリック:「清掃員だよ。」
アレックス:何でもいいから、ディビッド殺害についての情報を話してくれ。」と札束をちらつかせる。
ST:なんて分かりやすい(笑)
ここで手に入った情報は3つ。
その日ディビッドは一人店に残って売上金の勘定をしていた。 その日はこの歓楽街を取り仕切っている、ルーカスと言うマフィアのボスに売上金の一部をおさめる“集金”の日だった。 その日、ディビッドと店の娘とが何か言い争っていた。 プレイヤーはこの辺から無口になってしまった。 上記の情報もエリックが「いつものこと」と言ったので、捜査は壁にぶちあたってしまったのだ。
ヴァレリー:こいつを犯人にしてしまおうか。(←おい)
アレックス:とりあえず帰って考えよう。「邪魔したな。また来るからな。」
ST/エリック:小声で、「ファック!」
アレックス:「あ、そうそう。その言い争っていた女の名前を教えてくれ。」
ST/エリック:「リサ・マクニールだ。今どこにいるかは知らん。」
プレイヤー達はここで“次にどうするか”と言うことについて話し合い始めたが、どうしたらいいのか分からなくなってきていたため、まとまらず。 「アカンて!」「分からんちゅーねん!」「血を吸いたいナリ」など、悲鳴に近い発言が続いた後、とりあえずリサ・マクニールの行方を追って、彼女に関する情報を集めるために再び歓楽街のバーへ行くことになった。
アレックス:「度々すまんな。」と言って、こないだバーにたむろっていた人に話しかける。
ST:「分かったぞ、あんたら保険の勧誘だろ。」とか言われる。
アレックス:「当たらずとも遠からずだ。“ノーブル・ドリーム”にはリサ・マクニールという売れっ子がいたそうだな、ここらへんで見なかったか?行方が知りたいんだ。」
ST:「そんなこと聞かれてもな・・・その辺ののぞき部屋に片っ端から行ってみれば?」
アレックス:一軒一軒、のぞいていく?(笑)
ヴァレリー:マジで!?
アレックス:もうわしら後には引けんのじゃよー!(笑)
ヴァレリー:強制横スクロールでただ止まっているだけの敵をアイテムと間違って取るばかりの毎日であるのじゃよー!
ジェイスン:帰ろう。(笑)
ST:帰った!仕切り直した!
ヴァレリー:血を吸いたい。
ST:群れから?じゃ、難易度4で。
※ヴァンパイアはある程度血の蓄えが減ったら、その度補給をしなければならないが、いつでも安全に血を補給出来るように“群れ”(もちろん人間)を持っている者もいる。
ヴァレリー:8点回復。満足。
ST:次の日でいいですか?
ヴァレリー:エリック・ディールに電話でリサ・マクニールの元の住所を聞き出します。
ST/エリック:それじゃ、起こった風に「住所録はあの火事で通帳なんかと一緒に燃えちまったよ。」と言う。
ヴァレリー:他に彼女について知っていることは?
ST/エリック:「そうだ、エレン・ベッカムっていう女だ。その女は他の女達の相談役でまとめ役だった。そいつに話を聞いてみろ、今は“ジュエル・ケース”という店で働いている。」
ヴァレリー:「分かった。」
ST:“ジュエル・ケース”に行くんですね。大きな店です。大音響で音楽がかかっており、ステージではストリッパーが踊ってます。その周りには客が群がって、
ヴァレリー:パンツに札束挟んだり。って、私も店内にいるのかな。
アレックス:『あらまー、若い子っていいわね!』とかって言ってたり。
ST:どこぞのオカンか。(笑)えー、控え室への通路前には屈強そうなボディガードが数人。
アレックス:まず、バーテンにでも話を聞こう。
バーテンを“催眠術”(特殊能力のひとつ)にかけ、エレン・ベッカムと話が出来るように説得。続いてボディガードをこれまた“催眠術”にかけ、エレンの控え室へと向かった。
アレックス:ノックするよ。
ST/エレン:「はい、どなた?」
アレックス:「ディビッド・ハガディの知り合いだが、少し話がしたい。」
ST/エレン:「どうぞ、開いているわ。」
アレックス:「お邪魔するよ」と入っていって、「火事があったんだって?」
ST/エレン:彼女はタオルで汗を拭きながら「そうよ?」
アレックス:「あの日、ディビッドと争っていたリサ・マクニールっていう女の子の行方を知りたいんだけど。」
ST/エレン:「たぶんこの街を出ていったわ。」
アレックス:「またどうして?」
ST/エレン:彼女は「さあ?」とつぶやいて、何事もなかったかのように身支度を始めます。「彼女、以前からもう辞めたいって言ってたの、その事でディビッドともめてたんじゃないかしら。」
ジェイスン:オーラ感知!3個成功!
※“オーラ感知”は特殊能力の1つで、対象が人間かどうかから、今の感情までを視覚的に確認できる。
ST:疑ってるね、それから怯えてる。君たちを全く信用してない。
アレックス:“催眠術”・・・しかないか。3個成功。「リサ・マクニールは今どこにいるんだ?」
ST/エレン:「知らない。」
アレックス:「じゃ、火事が起きたのには心当たりは無いかな?ディビッドを恨んでいた人物がいたとか?」
ST/エレン:笑って、「どうして私があんな男の心配をしなければ?あの男は屑よ、女を物としか見ていないような。」
アレックス:アーサー様に「私情のもつれです」って言って帰るか(笑)
ヴァレリー:いいけど、君のヴェントルーとしての出世はそこまでだよ。
ジェイスン:アラスカにとばされる。(笑)
アレックス:最後にひとつ「“ノーブル・ドリーム”に火をつけたのはリサ・マクニールかい?」
ST/エレン:「だとしても私は驚かないわ。」
アレックス:引き時が肝心だろう、今日は帰ろう。「ありがとう、邪魔したな。」
ここで再びプレイヤー達は思考モードに入ってしまう。(といっても半分以上機能してないが) ディビッドに知り合いはいないし、エリックもエレンも重要なことはなに一つ知らない。 接触できる相手は限られているが、誰が当たりなのか見当もつかない・・・ 「困ったニャー」「ジェイスン、君も考えろ!」「人格変わりそう」等、再び悲鳴に近い台詞の後、「藁にもすがるか」ということで、もう一度エリック・ディールに話を聞きに行くことにした。
ST:次の日です。エリックは家にいました。会ってくれたけど、何か、たまらんって顔しとるな。
アレックス:「お互いもう隠し立てはやめよう。」
ST/エリック:「こっちの台詞だ、エレン・ベッカムには会ったんだろう?」
アレックス:「会ったとも!リサ・マクニールの事なんか殆ど知らなかったぞ、彼女は!」ちょっと半ギレ。
ST/エリック:「知らなかったって、どういうことだ。」
アレックス:「リサは街を出た!が、彼女は行き先を知らなかった!」
ST/エリック:「だったら答えは出てんじゃん、もういねえんだよ。」
アレックス:「それでは困るんだよ、お気楽なケイティフとは違うんでね。」
ST/エリック:「悪かったな!」
結局ここはアレックスが“催眠術”をかけてリサの居場所を聞いてみるも、エリックは一切知らなかった。(当たり前だ)仕方がないので、手当たり次第に人と会うことに決定。まずは、マフィアのボス、ルーカス。
ST:アポとって行く?直接行く?
ジェイスン:電話でアポ取って行こう。“ディビッド・ハガディの知り合い”ということにして、「集金を届けに行く」と言います。
ST:じゃ、すぐに会ってくれるよ。場所は“ジュエル・ケース”だ。
ジェイスン:すぐに行きました。ルーカスさんはどなたかな?
ST/ルーカス:ちょっと経ったら出てくるよ、「電話をくれたのは君たちだね、まあ座ってくれ。」
ジェイスン:「ありがとう。」
ST/ルーカス:「それで、君たちがあの店の“集金”を持っていると?」
ジェイスン:「実は、“集金”というのはあなたに会うための口実でして・・・もちろんお金はお支払いいたしますが。」
ST/ルーカス:「ほう、それはまたどうして?」
ここでは、ルーカスにディビッドについての話を聞き出そうとした。ディビッドに直接接触した数少ない人物だからだ。もちろん彼がそんな個人的なことを知っているはずもなく、完全に白だという結論に達した・・・
アレックス:「それで、“集金”というのは如何程で?」
ST:1ヶ月分だから・・・8千ドル弱かな?
アレックス:「どうぞ、お納めください。」とポケットマネーで。
ヴァレリー:嫌な男だ。
エリックは白、ルーカスは白、他にディビッドと交友関係にあった人物はいない… ということで、結局リサ・マクニールが犯人らしい、という結論には達したが、肝心の居場所がまったく分からない。 そこで、唯一リサのことを知っているであろう、エレン・ベッカムに再度接触をしようということになったが・・・
ヴァレリー:私たちは面が割れている上に信用されてないから、(ディビッド・ハガディの知り合いだと言ってしまったため)うちのロンファン(男前)に代わりに行ってもらおう。リサ・マクニールのファンだったということにして。
※ロンファンというのはヴァレリーのグール(下僕)である。
ST:ロンファンは嫌だって言うよ。(笑)「のぞき部屋ですよぉ、それ。」
ヴァレリー:歯をむき出して「イーッ!」って怒る。
ST:ロンファンはしぶしぶ出て行きました。
ジェイスン:さて、我々に出来ることはもう無いし、ロンファン君が帰ってくるのを待ちますか。
ST/ロンファン:数時間後、帰ってきます。「リサの友達だということにしました。エレン・ベッカムは彼女がどこに行ったか知らないそうです。」
ヴァレリー:「ロンファン~(怒)」
ST/ロンファン:「なんでですか!(泣)」
ヴァレリー:「分からなかったら戻ってくるなって言ったでしょ!」
ST:玄関でイゴイゴするよ、3日ぐらい(笑)
エレンが知らないのは当然、1回目に会ったとき、アレックスの“催眠術”は完全に効果があったからだ。
ジェイスン:「他の女たちをあたってみますか。」
ここまで来てやっと当たり。元“ノーブル・ドリーム”のダンサーはエレンだけではないのだから、最初からそうしていればよかったのだが・・・
ST/女:「リサ・マクニールには兄弟がいたみたい、3人。彼女は次女で、末っ子の男の子はどこかの孤児院に預けられてるって聞いた。彼女たち、小さいころから身寄りがなかったのよね。」
ヴァレリー:「その孤児院の名前は分かる?」
ST/女:「えーと、ケイシー・何とかって言ってたけど・・・ここから車で2時間ほど西に行った場所。」
ジェイスン:2時間・・・いま十時ごろだから、車でパっと行けば夜明けまでに帰ってこられる。
ヴァレリー:じゃ、行きました。その孤児院は分かるのかな?
ST:はい、見つかりました。“ケイシー・ハウス”という孤児院です。
ヴァレリー:今夜遅いんだよね・・・まあいいか、インターホン押してみる。
ST:「はい?」と返事があって、管理人らしき人が出てくるね。
ヴァレリー:名前分からないから・・・「マクニールさんに会いたいんだけれど。」
ST:「はいはい」と帳簿をペラペラめくって、「ああ、ダレン君なら3日前に親族の方が連れて行かれましたよ。何でも実家の方に戻られるそうで・・・」
アレックス:3日前・・・(絶句)
ヴァレリー:「住所分かりますか?」
ST:「あ、はい、ここです」とメモを渡してくれるよ。
ヴァレリー:「ありがとう、それじゃ失礼します。」
ジェイスン:完璧じゃん、すぐにそこへ行こう。
ST:はい、やってきました。ここのはずです。家はありますが、“売地”の看板もあります。
ジェイスン:えー!?まあ、とりあえず入ってみよう。
ST:1階はボロボロになってますね、誰かが侵入して、荒らしたようですね。
ヴァレリー:辺りをもう少しよく調べてみる。
ST:夜明けまで時間があまりありませんよ?
ヴァレリー:真剣マズなったら、ダッシュして帰ろう。車の車輪担いで。(←!?)
ST:数分探すと、地下室が見つかりましたね。
ジェイスン:地下室!すぐ入っていく。“不可視”使っておきます。
※“不可視”の特殊能力を使うと、誰にも全く気にされない、“透明”状態になることができます。
ST:はい、しばらく階段を下りて行ったところで…知覚+警戒で判定。難易度8。
ヴァレリー:4個成功!
ST:化け物め、それじゃ分かるけど、奥で複数の気配がする。待ち伏せされてるね。
ヴァレリー:小声で「気をつけろ。」
ジェイスン:それじゃ、先に行って様子を見てくる。2人はここで待っといて。
ST:少し降りたところに、物置きらしい部屋があって、その影にピストルを構えた女が一人いるよ。
ジェイスン:他に誰かおらへん?
ST:古いバーベキューセットの影に女がもう一人、男の子を抱いて隠れている。
ジェイスン:よし…じゃ、ピストルを叩き落とすよ。
ST:床にピストルが転がった。女ははっとして振り返る。それから君の姿を確認すると、1歩後ずさって、獣のように歯をむきだして見せます。
アレックス:もしかして…
ジェイスン:オーラ知覚!スイッチオン!
ST:その部屋にいる全員がヴァンパイアですね。
ジェイスン:ギャー!!何てこった!とりあえず、「落ち着け、リサ・マクニールだな?」と言ってみます。
ST:そうすると、男の子を抱いている方の女が反応します。
ジェイスン:ということは、この人はリサのお姉さん?
ST:だろうね、女は叫ぶ。「立ち去れ!もうこれ以上おまえたちの厄介になるのは御免だ。」
アレックス:もう駆けつけてもいいかな?「失礼だが、君たちはプリンスには面通しされたかね?」
ST:「そんなはずはないだろう。」
アレックス:「それでは、捨て置くわけにはいかんな。君たちのした行為は、同族殺し。ヴァンパイア唯一の犯罪だ。」
ST:「知るか!ディビッド・ハガディは、あのクソ野郎は、私の妹まで同族にしようとしたんだ。私は妹を助けに行った。そうしたらあいつ、私たちを銃で脅したんだ。銃弾は、妹に当たった。助からなかった、だからこうするしかなかったんだ!これから西にでもいって、3人でずっと暮らしていくつもりなんだ。」 部屋の隅には、金の詰まったバッグが置いてあります。おそらく、店の売上金でしょう。
ヴァレリー:「ヴァンパイアのカマリラに属していても、自由に暮らしている者はいる。君たちを傷つけようとしてここに来た訳ではないのだよ。」と言って、手に持ったナイフを隠します。(笑)
ST:「ディビッドが言ってたわ、ケイティフは決してカマリラには受け入れられないと。私たちは私たちで暮らしていく。」これは本当だよ。連れていくと、彼女らはまず間違いなく殺されるだろうね。
ヴァレリー:忘れちゃダメよ、彼女らを連れて行くんだから。(笑)
ジェイスン:ちなみに、彼女らを見逃した場合、我々の立場は危うくなるんだろうね?
アレックス:今度は俺らが追われるわ!
ジェイスン:「他のところに行ったら、もっとひどい目にあうかもしれんぞ。」
アレックス:「ディビッドに会ったのが君たちの不運だったんだ。おとなしく来てくれれば何とかして貰えるように頼んでみようじゃないか。」
ST:無責任な発言だあ。(笑)「説得力ゼロだわね。少なくとも、私たちは私たちの意志でここを出ていく。」
ジェイスン:困ったな、携帯電話でアーサーに指示を仰ごう。電話します。
ST:はい、出ます。「私だ。」
ジェイスン:「ジェイスンです。ディビッドを殺した犯人を見つけました。彼が無断で作った同族達だったようです。」
ST:アーサーはちょっとおかしそうに鼻で笑って、「所詮、ケイティフのすることか、我々カマリラの者が首を突っ込むことでもなさそうだ。」よそ者同士の争いなどには関与しなくてよいということでしょう。
ジェイスン:「わかりました。こちらで処理いたします。」電話を切る。「君たち、行っていいそうだ。」と3人に言います。
ST:「行っていいのね、だけど、」彼女は言います「少なくとも出発は今日の夜になってからね。」