”Rattus Cartus”
”Rattus"というボードゲームの、カードゲーム版です。
カードゲームといっても、得点コマなどの小さなコンポーネントは一通りそろっています。
黒死病が蔓延する中世ヨーロッパを舞台に、次の国王の座を狙う王子たちが支援者を獲得せんと奔走します。
「農民」「聖職者」「貴族」のような各階級で各々の影響力を伸ばしていくのですが、無理をし過ぎるとネズミカウンターが手元に溜まっていきます。
このネズミカウンターが多いと、ゲームの一番最後に黒死病にかかって死んでしまいます。(=敗北)
黒死病に冒されないギリギリのところで最大のパフォーマンスを出すことができたプレイヤーの勝利です。
非常にとっつきにくいルールですが、覚えるべきことは多くないので一度ゲームが回りだすとスピーディに展開します。
ゲーム自体はなかなか好評だったのですが、得点コマが小さすぎて、得点を得る際に配置を崩してしまうことがしばしば。
しかも得点カウンターの積み上げ順が得点に関係してくる(!)ということが発覚し、「えーっ!もう正しい順序わからないよ!」という状況になってしまいました。
得点カウンターに関しては自作する方がよいかもしれませんね。
”小早川”
ごく単純なルールのカードゲームです。
しかし勝つのはそう簡単ではありません。
手札は1枚のみ、手札の数字の大小を見て勝負するか降りるかを決めます。
勝負は一番大きな数字を出したプレイヤーが勝ち、掛け金となっていたメダルを手に入れることができます。
しかし場には「一番小さな数字に味方する”小早川”カード」がオープンされています。
小早川カードの数字が大きければ、勝負がひっくり返る可能性が高くなります。
そして各プレイヤーは1度だけ手札の交換か、小早川カードの上書き(山札からめくる)を行うことができます。
この小早川カードの存在で、俄然勝負の行方が読めなくなります。
誰でもすぐに覚えられるルールにもかかわらず、思うように勝てるようにはならないという、ままならなさがこのゲームの面白さにつながっています。
”ホテルサモア”
各プレイヤーはリゾートホテルのオーナーになり、各国から集まる観光客を相手に一儲けします。
観光客は、イギリス人、ドイツ人、日本人、ノルウェイ人の4種類。(なぜこの4種類なのでしょう?旅行好きの国民?)
観光客が到着すると、各ホテルは宿泊費を提示します。
宿泊費の安い順に観光客を獲得することができますが、あまりに安い値段をつけると儲けにつながりません。
また、宿泊費が手に入るのは最初の1回だけなので、「なるべく早く帰ってもらう」という工夫も必要になります。
利益の一部を使って設備投資することで追加の料金を得られたり、宿泊客の特性(セレブ、富裕層、カップル等…)を上手く組み合わせるという作戦もとれるようになっています。
ゲームに勝つためには、しっかりと作戦をたてて進めていく必要がある、じっくり系のゲームです。
一方でゲームのテーマとしては明るく楽しいものですので、プレイ中も暗くならず盛り上がって遊べる作品でもあります。
高天原さんの”ちんあなごっこ”
http://blog.livedoor.jp/atckt/archives/46765275.html
ちんあなごを捕まえて水族館を作ろう!というコンセプトの可愛いカードゲームです。
うさぎ、かっぱ、かわうその3種類のハンターの力を借り、最も多くのちんあなごを集めたプレイヤーが勝利します。
しかし、手番1回につきいずれかのハンターは”うみの監視員”に妨害されてちんあなごを集めることができません。
”うみの監視員”は各プレイヤーが持ち回りで担当します。
また、鮫マークの入ったちんあなごカードを取ってしまったプレイヤーは、次に取ったちんあなごカードを裏向きにして、”うんちカード”に変えなければいけません。
”うんちカード”は、表に描かれたちんあなごと同じ点数のマイナス点として計上されます。
簡単なルールながら、他のプレイヤーの動きを読んだり、マイナス点を可能な限り低く抑える工夫などが求められるゲームになっています。
それにしてもイラストがユニークかつ可愛いので、プレイ中も自然と笑いがこみ上げてくる、そんな作品です。
G-S.T.Fさんの“お見合い大作戦”
各プレイヤーは結婚相談所のスタッフたちとなり、結婚を希望する女性たちへお相手を斡旋します。
女性の希望する条件に合ったカードを手札から出せれば、そのプレイヤーが得点を得ることができます。
個性豊かなキャラクターと、どこか懐かしい感じのするイラストがプレイを盛り上げてくれます。
ルールは簡単なので、誰とでも手軽に遊ぶことができる、パーティ向けの作品となっています。
”神道”
”日本神話学習カードゲーム”とされています。
ルールは供物カードを使って神様カードを競り落とす、所謂オークションゲームなのですが、競り落とした神様で「役」をつくることで高得点をゲットすることができます。
役の種類は「国産みの夫婦」「天岩戸」など、日本神話のエピソードにちなんだものになっており、遊びながら日本神話の世界を楽しむことができる作品になっています。
イラストやカードのデザインが今風でしっかりデザインされているのが素敵です。
大人から子供まで遊べるデザインということですが、実際に子どもとテストプレイした時にもすんなりと理解して楽しむことができました。
ルールと一緒に古事記解説書も付属しているので、日本神話に興味を持つきっかけとしては、かなりクオリティの高いゲームだと思います。