まずは軽くウォーミングアップも兼ねて、「キャプテン・リノ」をプレイ。
このゲームはカードでタワーを作り、高く積み上げていくゲームです。
プレイヤーは手番毎に次の階の壁と屋根を設置しなければいけません。
設置する壁の形状は、前のプレイヤーが置いた屋根に書かれている模様に従う必要があります。
当然タワーを倒壊させたプレイヤーが敗北するのですが、これはただのタワー積みゲームではありません。
プレイヤーが設置する屋根(=手札)には、「次のプレイヤーの手番をスキップ」「次のプレイヤーは手札を一枚増やす」など特殊能力があります。
これを活かし、一番早く手札を使い切ったプレイヤーの勝ちです。
小さな子どもでも容易に理解できるルールでありながら、他のプレイヤーとの駆け引きも楽しめる、対戦ゲームとして面白い作品になっています。
1プレイ10分以内。2人~5人で遊べます。
「ティンダハン」はフィリピンのフルーツ屋台をテーマにしたカードゲームです。
基本的なルールは、切り札ありのトリックテイキングゲームとほぼ同じです。
しかしこのゲームでは、カードをフォローする代わりに「フルーツ屋台へ店員を出す」という、まったく別の行動を選択することができます。
そうした場合、カードを出さないのでそのラウンドの勝利者にはなれませんが、ゲーム終了時に屋台から得点が得られる可能性があります。
ただし屋台に店員を出すことに躍起になりすぎると、手札が多く残ってしまい、ゲーム終了時にペナルティを受けます。(フルーツが売れ残る)
ラウンドの勝利点を狙うのか、あきらめて店員を出すことを選ぶのか、微妙な見極めが重要になってきます。
地味なルールですが、悩みどころが多く、あれこれ可能性を考えながらプレイするのが楽しい作品でした。
「ピット」はアメリカ発の歴史あるカードゲームです。
原作はなんと1903年ということで、実に100年以上前からあるゲームなんですね。
このゲームは商品の立会取引をモデルにした、スピーディーな交渉ゲームです。
同じ枚数のカード同士を、他のプレイヤーと交渉によって交換し、同じ種類のカード9枚をいちはやく揃えたプレイヤーの勝ちです。
交渉は全員一斉に行われるので、非常に賑やかなプレイになります。
気軽に遊べて大いに盛り上がる作品なので、当サークルでも定番のゲームとなっています。
9枚中7枚くらいまではあっという間に揃うので、つい枚数の揃ったカードに固執してしまいがちですが、その途端にカードが回ってこなくなります。
今回は積極的に揃ったカードを崩していったのですが、やはりそうした方が勝率は高いように思えました。
揃いそうなカードを待つか、それとも方向転換して他のカードを取りに行くのか、判断の瞬発力の必要なゲームです。
続いて「赤ずきんは眠らない」をプレイ。2013年日本のインディーズゲームです。
童話「赤ずきん」をテーマにしたカードゲームで、プレイヤー同士のブラフ対戦が楽しめる作品です。
プレイヤーはラウンドごとに、襲う側(狼)と、襲われる側(赤ずきん、親ぶた、子ぶた)に分かれます。
襲われる側のプレイヤーは、そのラウンド「おやすみなさい」か「トラップ」のどちらかのカードを伏せて出します。
「おやすみなさい」を選んだ場合、狼に襲われると得点を失いますが、襲われなければ得点が得られます。
「トラップ」を選んだ場合、狼に襲われても得点を失わずに済みますが、自身に得点は得られません。
逆に狼のプレイヤーは、誰を襲うか決めなければいけません。
もし襲った相手が「おやすみなさい」で眠っていた場合、狼は得点を得られます。
しかし「トラップ」だった場合は、逆に得点を失うことになります。
非常に簡単なルールですが、ゲームの進行状況に応じて作戦を変えなければ勝てないようになっています。
状況を考えて相手の手を読む思考力と、ここ一番でブラフをうつ度胸の両方が求められるゲームでした。
「キングダム」はドイツのデザイナー、ライナー・クニツィア氏の「市場のお店」というゲームのリメイク版です。
各プレイヤーは、裏に伏せられたタイルを1枚めくり、順に配置していきます。
タイルには得点が得られるものと、ペナルティを受けるもの、特殊な効果のあるものの3種類となっています。
できるだけ得点の高い土地に自分の城を置き、ライバルの城の近くにペナルティのタイルを置かねばなりません。
ここまでだと地味な陣取りゲームという印象なのですが、ゲームをひっくり返すような特殊なタイルも用意されています。
例えば、高得点が期待できるエリアに首尾よく城を築いても、ドラゴンの来襲であっという間に無駄になることがあります。
あるいは、あまり得点が伸びないと思われたエリアでも、金鉱の登場で一気に高得点になる場合もあります。
今回のプレイでも、高得点なエリアに立派な城を築いたプレイヤーが集中的に妨害に遭っていました。
城を早く建てすぎると他のプレイヤーからの妨害を受けやすく、逆に待ちすぎると城を建てるタイミングを失います。
そんなジレンマが苦しくも楽しいゲームになっています。
こちらもライナー・クニツィア氏のゲーム「ノミのサーカス」の日本オリジナルリメイク版です。
手番プレイヤーは、山札からカードを好きなだけめくります。
好きなタイミングでめくるのを止め、めくったカードから1枚を手札にすることができます。
ただし、めくったカードが既に出たカードと同じ色のものだった場合、手札にすることができません。
こうして集めた手札を使って、同じ数字のカード3枚セットとして得点にするか、手元に残してゲーム終了時の得点にします。
めくったほうがいいのか、止めたほうがいいのか。
3枚セットを作ったほうがいいのか、手元に残したほうがいいのか。
ジレンマたっぷりのカードゲームです。
ルールとテーマはあまり繋がりが無さそうに思えますが、素敵な「なつのたからもの」がテーブルに並ぶのは楽しい光景ですね。
このゲームのイラストは「ティンダハン」と同じイラストレーターさんが描いています。
「ごきぶりポーカー」は2004年ドイツゲーム大賞準候補作品。
日本でも人気の高い、定番カードゲームです。
なつのたからものとは打って変わって、ゴキブリ、サソリ、ハエなどのイヤ~な害虫のカードが揃っています。
これら害虫のカードをできるだけ他のプレイヤーに押し付け、最初に同じカードを4枚押し付けられたものが負けるというゲームです。
手番プレイヤーは自分の手札から一枚を選び、いずれかのプレイヤーに「これは○○です」(害虫の種類)と宣言しながら出します。
出されたプレイヤーはカードの内容を確認し、さらに他のプレイヤーに向けて「これは○○です」と宣言しながら出します。
(ここで宣言する害虫の種類は変えても変えなくてもよい)
最後にカードをまわされたプレイヤー、あるいは勝負に出ると決めたプレイヤーは、その宣言が嘘か本当かを見抜かなければいけません。
宣言が本当かウソかを考え、「はい、これは○○です」もしくは「いいえ、これは○○ではありません」と返答しながらカードを公開します。
本当か嘘かを見ぬかれた場合、カードを出されたプレイヤーの前にカードが置かれます。
逆に見抜かれなかった場合は、カードを出されたプレイヤーの前にカードが置かれます。
こうしてブラフを駆使しつつ害虫のカードを押し付け合い、同じ種類の害虫が4枚揃ったプレイヤーの敗北となります。
序盤はどのような宣言でもできるので、嘘を見抜けるかどうかはほぼ運にかかっています。
しかし後半になるにつれ場に出ているカードが増えることで、ブラフを見破るヒントも増えることになり、思考力が求められる展開に変わっていきます。
こういう深みのあるルールが、この作品をただのブラフゲームではない傑作にしているのだと言えるでしょう。
カードは嫌な害虫ばかりですが、そのイラストは意外に愛嬌があってなかなかお洒落です。
頭を使うゲームが続いて疲れたら、「エルダーサイン」の出番です。
このゲームはずばり運ゲー。サイコロをゴロゴロ振って楽しめる大味なゲームです。
現代でも人気の高いオカルト作品群、クトゥルフ神話(架空の神話体系)をテーマにした作品で、全員で協力してミッションを達成します。
プレイヤー達は「探索者」カードから1名のキャラクターを選び、邪悪な「旧支配者」の封印を目指すのです。
今回選ばれた「旧支配者」は「蛇神イグ」。
用意されている「旧支配者」の中では弱いものですが、その分復活までの時間も短めです。
結果、復活まであと少しということろで「旧き印」を集めることに成功し、勝利することができました。
ボードゲームとRPGの中間とも言える作品だけに、普段からRPGを楽しんでいるメンバーには馴染みやすいゲームのようです。