今回は1998年に日本語版が出版された、キャンペーン・シナリオ「ミスト・オブ・ビトレイアル」をプレイしました。
アースドーン日本語版展開の数少ないサプリメントのひとつで、当サークルでも1998年にプレイしています。
(リプレイ・ライブラリにその時のリプレイが掲載されていますので、ぜひご一読を。)
このプレイレポートでは、シナリオの内容が分かるような記述があります。
これからこのシナリオをプレイ予定の方は、ご注意ください。
ガノフィル : オブシディマン武人
(プレイヤー … あゆみん)
ビブリ : ウィンドリング理論魔術師
(プレイヤー … こばちゃん)
トット・クロウクテイル : トゥスラング盗賊
(プレイヤー … きたちゃん)
ゲームマスターおよびプレイレポート作成 … コニタン
遭遇1 : トゥリーム村に到着して
(概要)
トゥリーム村に到着したキャラクターたちは、妙に友好的な歓迎を受ける。
その実は、怪物退治を請け負った別のアデプトと人違いをされていたのだった。
村に到着すると、不自然なほど友好的な歓迎が3人を迎えました。
前回、前々回のプレイでは、同じような導入でいきなりホラーな展開になったため、ガノフィルのプレイヤーが強く警戒し始めます。
(主に今回のGMのせいです)
しかしビブリのプレイヤーは、宿屋で出された食事を遠慮せずに頂いてしまうというマイペースぶり。
村長のトゥランの話を聞き、どうやら人違いをされていることに気づいた3人ですが、怪物退治はアッサリ請け負うことになりました。
特に報酬を釣り上げようとしたり、怪物退治を嫌がることもない模範的なアデプトぶりでした。
遭遇2 : いざ怪物退治へ
(概要)
怪物退治を請け負い、村の西に向かう。
トゥリーム村を脅かしていた化け物とは、ホラーによって作られた魔法生物ジェフスラだった。
怪物が出るという、西の村外れまで案内された3人。
シナリオでは足あとを追って探索するのですが、今回はその場で野営をして怪物がやってくるのを待つという展開に。
トットが見張りをしている番にジェフスラを登場させることにしました。
音もなくやってくる怪物ですが、トットの知覚力チェックが成功。不意打ちは免れます。
怪物の正体はホラーの作った魔法生物、ジェフスラ。巨大な蜘蛛のようなモンスターです。
呪文防御力が高く、いくつかの特殊能力を持った厄介な敵です。
PC3人に対しジェフスラ2体は難しいだろうと予想していましたが、PC側のダイス目がよく、意外にもあっさり勝利してしまいました。
(それでも前線で戦っていた武人は満身創痍でしたが。)
その後、ジェフスラの巣で不思議なアミュレットを見つけ、ビブリのプレイヤーが首尾よく村長のトゥランにアミュレットのことを訪ねます。
(なんという模範的な展開…)
トゥランからヘイブンのハイアモンを紹介された一行は、傷を癒して早々に出発したのでした。
遭遇3:ヘイブンの町
(概要)
トゥリーム村を発ったキャラクターたちは、パーレインスの遺跡に近い都市ヘイブンへと到着する。
ヘイブンにやってくるなり、PCたちは買い物に出かけます。
トゥリームまでは十分に買い物ができる場所を提供していなかったため、ここぞとばかりに冒険に必要なアイテムを買いあさります。
「買い物をするにはハイアモンの信用状が必要」としてもよかったのですが、時間の短縮のため割愛しました。
遭遇4:ハイアモンを訪ねて
(概要)
トゥリーム村で見つけたアミュレットの鑑定を頼むため、魔術師ハイアモンを訪ねる。
ハイアモンは鑑定の代わりに、「鮮血の森」の番人タカリスまで「永遠の花」を届ける仕事を依頼する。
「永遠の花」と「鮮血の蔦」を交換し、これを持ち帰らなければならない。
ハイアモンとの会談は特に大きな問題もなくクリアできました。
アミュレットの鑑定に加え、ちゃっかり剣の鑑定(最初の冒険で手に入れた魔法の品物)をハイアモンに頼んで交渉成立となります。
PCたちは「鮮血の森」までの約700マイルの旅に出かけることになりました。
(鑑定の代わりとは言え、長旅に出かけるのは割に合わないという気持ちもあったようですが。)
遭遇5:荒野を越えて
(概要)
旅支度を終えて「鮮血の森」までの旅に出発する。
買い物を先に終えていたので、この遭遇では食料などを買うだけにとどまります。
ここで誰かに見張られていることをそれとなく伝え、不安を煽っておきました。
遭遇6:待ち伏せだ!
(概要)
旅の途中、セラの密偵に雇われた野盗に待ち伏せされる。
旅の前半は「穏やかな天気」「暖かい気候」などのキーワードで安全な旅を強調しますが、ここで一転して待ち伏せを受けます。
シナリオどおり、「木々に覆われた森からの威嚇射撃」「大勢の野盗に取り囲まれた雰囲気」で降伏を促しますが、PCたちは頑としてゆずりません。
当然戦闘になりますが、ここで登場するのは大して強くない野盗が3人だけ。(敵の登場人数はPCの人数と同じということになっています。)
言うまでもないことですが、数ターンで武人のガノフィルに蹴散らされてしまいました。
しかも気絶や逃亡にとどまらず、肉塊にされる有様。(気絶値の手前から一気に死亡値を超えるダメージをもらってオーバーキル。)
オブシディマン武人には決して喧嘩を売るな、と言い伝えられるほどの鬼気迫る戦いぶりでした。
遭遇7:内陸交易所
(概要)
「鮮血の森」までの中間地点にある交易所で骨を休めるキャラクターたち。
しかしセラの密偵が企てた夜襲によって危機に立たされる。
内陸交易所では、食事をとっている一行を怪しげな男が見ているというシーンで危険が迫っていることを匂わせます。
久しぶりの宿屋でそれぞれ個室に案内されるPCたちですが、その夜に一斉に夜襲を受けます。
ここで登場する敵はオークのならず者がなんと8人。しかも遭遇6で登場した野盗よりずっと実力が上です。
正直、ここでなぜこんなに強力な敵を出すことになっているのか理解に苦しみますが、PCたちがどう切り抜けるのか興味があったのでそのまま登場させました。
まず夜襲に気づくかどうかの判定では、3人とも知覚力判定を成功させます。
戦闘が始まって最初のターンで、一人では形勢不利と判断したビブリが窓から飛んで逃げると宣言。
(ウィンドリングは体が小さく、飛行能力があるのでこの行動は可能です。)
そのままガノフィルの部屋の窓から侵入し、ガノフィルと合流します。
ここでトットのプレイヤーが機転をきかせ、「強盗だーっ!」と大きな声で助けを求めます。
人のいない場所での野営中などであれば意味のない行動ですが、ここは大商人が取り仕切っている交易所。保安官も存在します。
この行動によって、数ターン後にオークたちは撤退するということにしました。
ビブリを襲ったオークたちは荷物を漁り始めますが、「永遠の花」はガノフィルが保管していたため無駄骨に終わります。
ガノフィルとトットは何とか善戦して荷物を守りますが、防具を装備していない上に多勢に無勢。幾度なく危機に陥ります。
最終的には襲撃者のオーク2名が気絶、1名が死亡というところで撤退しました。
何とか無事に切り抜けたPCたちですが、思わず「ハイアモンに危険手当をもらっておくんだった」という台詞が出ていました。
遭遇8:壊滅した商隊
(概要)
「鮮血の森」まであと少しの場所で、壊滅した商隊を見つける。
何か大きな怪物に襲われたようだ。
旅の途中、煙と血の匂いがすることをプレイヤーに伝えます。
トットのプレイヤーは、トラブルに紛れて何か金品が手に入ることを期待しますが、めちゃくちゃに破壊された商隊を見て気が変わったようです。
実はここでは敵は登場せず、状況だけのやりっ放しイベントなのですが、プレイヤーたちを怖気づかせるには十分効果的だったようです。
遭遇9:<鮮血の森>
(概要)
いよいよ「鮮血の森」に到着したキャラクターたち。
鮮血エルフたちと出会い、森の奥へと足を踏み入れていく。
「鮮血の森」では、森の入り口付近から明らかに雰囲気が変わるということを強く伝えました。
プレイヤーたちは鮮血の森に足を踏み入れることを躊躇しますが、先ほどの壊滅した商隊を見て引き返すのも危険と判断したようです。
鮮血エルフとの出会いでは、特に挑発的な態度をとることもなく大人しく忠告に従っていました。
遭遇10:<血の番人>との出会い
(概要)
鮮血の森の「血の番人」であるカロウリンとタカリスに会う。
タカリスからは「鮮血の蔦」を準備する代わりに、ある仕事を手伝ってほしいと持ちかけられる。
「血の番人」カロウリンの歓迎に、訝りながらも素直に受け答えをするPCたち。
しかしタカリスへの贈り物が「永遠の花」だということはしっかり伏せていました。
そしてタカリス登場でカロウリンとの間の確執を匂わせる演出の後、本題へ。
交渉相手のタカリスが「鮮血の蔦」を用意していないこと、ここで更に仕事を依頼されることを知ったプレイヤーたちは不満を漏らし始めます。
ここまで素直に仕事をこなしていましたが、確かに長く危険な旅のゴールにしては少し辛すぎる展開です。
(以前のプレイでも、プレイヤー達の不満が爆発したシーンです。)
とは言え、ここは鮮血の森でありPCたちに選択権はないということを演出して次のシーンへ進んでもらいます。
「君たちは奴隷商人を許せるかね?セラの奴隷商人フェギス・クルという男が、鮮血の森の付近で略奪を繰り返しているらしい…」
後半へ続く…
「ミスト・オブ・ビトレイアル」は15年以上前に発表されたシナリオ集です。
その内容は一本道であり、「今風」ではないと感じられるかもしれません。
しかし、詳細な状況描写やシナリオを取り巻く人や物の設定など、細かい部分まで丁寧に作りこまれている良作です。
今回のプレイでは、プレイヤーもそれぞれ工夫をこらして各遭遇を乗り越えており、GMとしても再プレイしてよかったと思える内容でした。
後半では更に厳しい試練が待ちうけています。
近いうちに完結までプレイしたいと思います。