トンネルズ&トロールズ(旧日本語版)をプレイしました。
※写真右側が旧日本語版(社会思想社)、左側が新日本語版(新紀元社)
今回は旧日本語版ルールブックに収録されていた、「トロールストーンの洞窟」を元にしました。
改変内容は以下のとおりです。
モンスターのMRは下げず、ダンジョンの構成はそのまま使いました。
ガウリン : ドワーフ戦士。ハレックの従兄弟。ブラジオン大好き。
プレイヤー : ナッキー
ハレック : ドワーフ戦士。ガウリンの従兄弟。「ザ・バーサーカー」の異名を持つ。
プレイヤー : きたちゃん
エルライア : エルフ魔術師。エルロイルの妹。兄より聡明。
プレイヤー : あゆみん
エルロイル : エルフ魔術師。エルライアの兄。ネコ語が得意。
プレイヤー : チャッピー
ターニヤ : 商人の老女。冒険者の息子が「トロールストーンの洞窟」で行方不明になり、探索を依頼する。
レナート : ターニヤの息子。仲間と一緒に「トロールストーンの洞窟」の宝を見つけに行ったまま行方不明になる。
1.キャラクター作成
プレイヤーは4人。「戦士×3、魔術師」か「戦士×2、魔術師×2」かという話になります。盗賊は要らない子扱いのようです。
戦士の防御点2倍は強力ですが、MRが拮抗あるいは上回っている敵に勝てないという弱点もあります。
魔術師の<これでもくらえ!>は、敵戦力を直接削ぐことができるほぼ唯一の方法なので、魔術師の役割は重要なのです。
相談の結果、「戦士×2、魔術師×2」ということになりました。
次に種族ですが、ドワーフの「体力度×2、耐久度×2」に注目されます。このボーナスは戦士にとって非常に有利です。
魔術師に関しては、エルフの「知性度×3/2」が人気でした。知性度は魔法の強力さを決めるためです。
レプラコーンも検討されますが、魔法が体力を消費する以上「体力度×1/2」はキツすぎるという結論に。
人間、フェアリー、ホビットは要らない子扱いでした。
そしてプレイヤー・キャラクターが完成します。
ガウリンとハレックは従兄弟同士のドワーフで、どちらも貧乏ながら強力な戦士です。
エルロイルとエルライアは兄妹のエルフで、魔法の扱いと言語学に習熟しています。
珍しい亜人種のペアで結成されたパーティですが、ダンジョンで一山当てるだけの力と幸運を兼ね備えた冒険者たちです。
2.トロールストーンの洞窟まで
路銀の尽きた一行は、旅先の街で手っ取り早く稼げる仕事を探します。
酒場の張り紙には次のように書かれていました。
「急募!行方不明者の探索。危険あり。高報酬。戦える者。 商人 ターニヤ」
まさにうってつけの冒険!と4人は喜び勇んで商人であるターニヤのもとへ参上します。
ターニヤの話では、探して欲しい行方不明者とは彼女の息子であるレナートであるとのことです。
レナートは冒険家であり、仲間を連れて数週間前に「トロールストーンの洞窟」へ出かけてしまいました。
「トロールストーンの洞窟」は昔魔法使いが住んでいたという洞窟です。
言い伝えでは今でも召使のトロールが宝を守っているということですが、モンスターの巣食う危険な場所となっています。
「息子は私が与えた翡翠のネックレスをしています。命は無くともせめて形見だけでも見つけ出してください。」
悲壮な表情のターニヤに、必ずレナートを連れ戻すと約束して4人は洞窟へ出発しました。
3.魔法の扉とゴブリンとの戦闘
洞窟に入ってすぐ、大きな扉が目の前に立ちふさがります。
扉には大きな一つ目と、力強い手、それから大きな口がついており、ドワーフ語でこう書かれています。
「この扉は力か金貨に従う。ほかはだめだ!」
文無しの4人は金貨を取られてたまるかと、門の腕に力比べを挑みます。
これにはハレックが名乗りを上げ、自慢の腕っ節を披露しようとしますが、なんと失敗。
どうやら力の入れどころを間違ったようです。
従兄弟のガウリンが挑戦し、首尾よく勝利をおさめることができました。
扉が開くと、そこには4匹のゴブリンが待ち構えていました。
エルロイルは「死の刃」の呪文をハレックのサーベルにかけ、戦闘に備えます。
(ガウリンのブラジオンは刃の武器ではないため、「死の刃」がかけられませんでした。)
魔術師が<これでもくらえ!>を使うまでもなく、冒険者側が勝利をおさめました。
ドワーフたちは死んだゴブリンのポケットをくまなく調べ、少額の小銭を手に先に進みます。
4.毒か亀裂か
ゴブリンとの戦いがあった場所から、道は左右に大きく分かれていました。
まず右の道を選んだ4人は、大きな水たまりが広がる部屋に出ます。
水たまりの水は異様なほど黒く、水たまりの向こう側には奥に続く道が見えています。
ガウリンは迂闊にも、愛用のブラジオンを水たまりに浸けてしまいます。
ジュッという音と煙を立てて、ブラジオンの先が傷んで壊れてしまいました。(修正-2)
水たまりの脇を通って先に進むことはできますが、幸運度で1レベルのセービング・ロールが必要です。
失敗すると水たまりに落ちてしまいます。
ドワーフたちは先に進むことを提案しますが、エルフの兄妹はこの場所を通ることを嫌がります。
(彼らは幸運度がドワーフほど高くなく、ガウリンのブラジオンが傷むのを見て落ちるのを恐れたのです。)
押し問答の末、一旦道を引き返して左側の道を行く事になりました。
ところが左の道の先には、6メートルの幅の亀裂によって道が分断されていました。
飛び越えられない距離ではありませんが、亀裂は深く、落下すれば命はありません。
今度は重い鎧を着込んだドワーフたちがジャンプで渡ることに反対します。
結論が出ないまま、4人は再度水たまりにやってきます。
エルフの兄妹は、この場所を観察していれば極力落ちずに通っていける道が分かるはずだと主張します。
GMは、知性度で2レベルのセービング・ロールに成功すれば落ちずに渡れることにしました。
エルフたちはこの判定に成功し、うまく渡ることができました。
(ドワーフの二人組は幸運度でさっさと渡ってしまっていました。)
5.銀の大蛇
水たまりを越えて奥に進むと、更に道が左右に別れていました。
4人は右の道を選び、先に進んでいきます。
20メートルほど進んでいくと、空気が不自然にひんやりとしてきます。
道の果てには開けた場所があり、そこには銀色の鱗をまとった大蛇が居座っていました。
大蛇のそばには見たこともない量の銀のかけらが山となって積み上がっています。
大蛇は襲いかかってはきませんが、宝に近づくものがいれば容赦なく攻撃するでしょう。
しかし宝の山に目が眩んだドワーフたちは、怯むことなく武器を手に襲いかかりました。
大蛇は非常に強大であることが予想されたので、エルフの兄妹は<これでもくらえ!>をかけます。
このラウンドの戦闘は大蛇の側の圧勝であったものの、防具に阻まれて重傷をあたえることができません。
しかも、2人の魔術師の<これでもくらえ!>のダメージを全部受ける必要があります。
これで大蛇のモンスターレートは激減し、冒険者側にも勝機が見えてきました。
続くラウンドでも拮抗状態ながら、大蛇の側が戦闘でほんの少し勝ってしまいます。
そこでエルライアは2回目の<これでもくらえ!>をかけることにします。
体力消費のためこれをかけると彼女は動けなくなりますが、大蛇のモンスター・レートはさらに低下します。
ドワーフたちは弱った大蛇をあっという間に始末し、宝の山をせっせと袋に詰め始めました。
6.明かりがない!
魔法で消費した体力を回復するため、その場でしばらく休憩をする4人。
しかし、お金がないため3本しか持って来なかった松明の残りが心許なくなってきます。
4人は一旦引き返し、明かりを買い足してからもう一度戻ってくることにします。
もと来た道を引き返す前に、水たまりから左の道へ進んでみます。
ここから更に道は左右に分かれていましたが、亀裂のあった道につながることを予想し、左に進みます。
道を進んでいくと、突然天井と壁から数本の槍が飛び出し、全員を襲いました。
素早く身をかわしますが、何本かの槍に当たってしまいます。
ドワーフの戦士は防具の扱いに慣れているため、これをすべて防いでしまいました。
しかし、エルフの兄妹は傷を負ってしまいました。
黒曜石でできた槍は美しく、金貨に匹敵する価値があるような品でした。
ドワーフたちはここでも宝物(?)を回収することに余念がありません。
7.吸血コウモリ
罠のあった道を更に進むと、開けた場所に出ます。あの6メートルの亀裂もそこにありました。
その時天井から騒々しい音とともに、10匹あまりの吸血コウモリが4人に襲い掛かってきました。
コウモリは小さく、強敵ではありません。しかしその数が多い場合はかなりの脅威になります。
パーティは最初のラウンドの戦闘に負け、ダメージを受けました。
状況が厳しいことを認めたエルフの兄妹は、各々1匹ずつ吸血コウモリに向けて<これでもくらえ!>を使います。
2匹のコウモリが一瞬で塵になって消し飛び、戦況は冒険者側に傾きはじめます。
数ターンの膠着状態を経て、ついに吸血コウモリを追い散らすことに成功しました。
吸血コウモリのいた部屋には散らばった犠牲者の骨や装備品がありました。
ドワーフたちはやはり銀貨や銅貨を拾い集め、1枚の銅貨も残さずに去って行きました。
8.一時撤退
松明が残り少なくなってきたために、4人は来た道を急いで引き返しました。
洞窟を出て街まで戻ってきたあと、まずは洞窟で見つけた宝物の換金です。
大蛇が持っていた銀の山は2000個、金貨にして200枚の価値がありました。
また、黒曜石の槍は1本金貨5枚で売却することができました。
懐が暖かくなった4人は、松明の代わりにランタンと油を買うことにします。(これらはとても高価です)
ガウリンは壊れたブラジオンを修理し、あの6メートルの亀裂を安全に渡るべく長い板切れを調達してきます。
食事をとって十分に休んだ一行は、元気を取り戻して再び「トロールストーンの洞窟」へと入って行きました。
9.スフィンクスのリドル
黒い水たまりに二度と近づきたくない4人は、街で調達した長い板切れを亀裂にかけて無事渡り切ります。
槍の罠があった通路を抜けて、その先の通路をさらに進んでいくと、大きなスフィンクスの像が現れます。
スフィンクスの手にはトロールの姿をした黒い石が握られており、後ろにそびえる扉には石をはめ込む窪みがあります
スフィンクスはなぞなぞに答えられたなら、手に持っているトロールストーンを渡そうと提案しました。
「ドラゴンはなぜ、昼間から寝ているのか?」
これにはプレイヤーが頭をひねる必要がありました。
なかなか正解が出ず沈黙が続いたため、GMがヒントを出します。
「ドラゴンは昼間は寝て、代わりに夜に起きている。」
つまり、ドラゴンはナイト(Night:夜、Knight:騎士)と戦うために起きているというわけです。
このヒントでピンときたエルロイルが正解を言い当て、見事トロールストーンを手に入れることができました。
10.トロールと黄金
トロールストーンをはめ込むと、その扉は低い音をたてて開き始めます。
その奥にはまばゆいばかりの黄金の山と、それを守るように立ちふさがるトロールの姿でした。
ドワーフたちは黄金に目を奪われ、トロールを叩きのめそうと武器を準備し始めます。
しかし、もっと賢いエルフの兄妹はトロールの首に翡翠のネックレスがかかっていることに気づきました。
不審に思ったエルロイルは<魔法感知>でトロールに魔法がかかっていないか確認することにします。
そして恐ろしい事実に気づいたのです。
トロールには魔法の呪いがかかっており、この場所の宝を敵から守り続けなければいけません。
さらに、このトロールを殺したものには呪いが降りかかり、殺したはずのトロールに自身が変身してしまうのでした。
そうするとこのトロールはもともとあの商人の息子、レナートだったのでしょう。
エルフたちは慌ててドワーフを制止し、トロールを殺してはいけないことを説明します。
しかしこうなった以上、依頼主には形見のネックレスだけでも持ち帰る必要があります。
4人は話し合った末、ドワーフが戦ってトロールを弱らせ、隙を突いてネックレスを奪い取ることしました。
プレイヤーはトロールが強敵だと思い込んでいますが、実際はモンスターレートが36しかありません。
第一ターンでドワーフの2人だけが戦闘に参加したのは幸運でした。
あっという間にトロールは瀕死の重傷を負ってしまいます。
GMがトロールが血を流しながらがっくり膝をついたと言うと、ドワーフたちは慌てて武器を投げ捨てました
その隙にエルロイルがトロールの首からネックレスをちぎり取ることに成功しました。
おまけに4人はトロールが弱っているのをいいことに、黄金の山から一掴みずつ宝を持ちだしたのでした。
11.帰還
冒険者達はターニヤのもとを訪れ、翡翠のネックレスを渡します。
しかし4人は、レナートがたどった運命については何も話しませんでした。
息子の死を知らされたターニヤはひどく悲しみますが、トロールに変身したと聞かされるよりはマシでしょう。
形見を持ち帰ったということで、4人には報酬が満額支払われます。
彼らはいつかトロールにかけられた呪いを解く方法を見つけ、あの洞窟へ戻ろうと決意します。
レナートが母親に再会する可能性はまだ失われたわけではありませんし、ドワーフは黄金の山を諦められないのです。
「トンネルズ&トロールズ」はD&Dと並んで最初期のTRPGとして有名であり、日本語版も早くから出版されていました。
D&Dほど頻繁にプレイされることはなかったのですが、改めて遊んでみると実によくできたシステムだと実感します。
ルールブック掲載の「トロールストーンの洞窟」はダンジョンのお手本にふさわしいものですが、
今回プレイしてみてそのボリュームもちょうどよく仕上がっていることが分かりました。
しかし、魔法が体力を消費することや(レプラコーンはこの理由で敬遠されました)、戦闘が膠着しやすいなどの不満点はあります。
これらについては7版で改善されているようなので、次はぜひ7版のルールでプレイしてみたいと思いました。
ゲームマスター及びプレイレポート執筆 : コニタン