今回のシナリオは、JUSTIN ALEXANDERさんのウェブサイトに掲載されたシナリオ作成法をもとに作成しています。
また、この記事の日本語訳がpirokiさんのブログに紹介されており、こちらも大いに参考にさせていただきました。
この場をかりて両氏に感謝いたします。
トマル:ドワーフLv4
プレイヤー:いそさん
過去のプレイエピソードから方向音痴という設定を持つ。
ガモス:ファイターLv4
プレイヤー:きたちゃん
迷うことなくトゥハンデットソードを装備したリアル・ファイター。
レオーネ:クレリックLv4
プレイヤー:あゆみん
パーティ最高の筋力18を誇るいかにもリプレイに登場しそうな怪力乙女クレリック。
レゾ・メェン:マジックユーザーLv4
プレイヤー:チャッピー
マジックアイテムちょうだいが口癖のクール・マンチキン。
ウェブの呪文で戦闘を水入りにするのが得意。
今回のシナリオの舞台は、イラルアム首長国連邦のマキスタン首長国です。
セレニカ道のどこか途中にあるハラジという交易町ではじまりました。
冒険者たちのもとにケルヴィンのティシウスと名乗る商人が助手のテオスを連れてやってきます。
ティシウスは、自分たちを故郷まで護衛してくれる信用のおける数名の冒険者を探しているとこのとでした。
一行は、この依頼を引き受けることにしました。
ティシウスいわく、荷物の数は多くはないが、なかに古代の遺跡から発掘された魔法の貴重品が含まれているとのことでした。
あくる日の早朝、冒険者たちが待ち合わせの場所の貸倉庫に向かうと、雇われの警備兵は眠りこけ、倉庫の鍵は開け放たれ、荷物は無くなっていました。
そのうえ、倉庫の中で休んでいたはずの助手の姿も見えません。
遅れて到着したティシウスはひどく取り乱し、冒険者たちに盗まれた荷物の発見と姿を消した助手の捜索を懇願するのでした。
冒険者たちは倉庫付近で見つけた3つの手がかりを元に捜索を開始します。
まず、倉庫から一番近い東門で聞き込みを開始。
やる気のなさそうな門番から、明け方前に数頭のラクダを率いた謎の集団が町を出たことを教えてもらいました。
そこで一行は、町の警備隊長であるムラードにかけあい、この謎の集団を部下に追跡してもらえるように依頼しました。
次に、倉庫の魔法の鍵を管理しているはずの警備主任のハフェズ宅を訪問します。
警備主任は不在でしたが、目の不自由な妹ファティアと話をして、
この数日ハフェズが雰囲気の悪い人たちとたびたび面会し、声を潜めて何か話し合っていたことと、彼女が兄の秘密めいた動向の理由を心配していることをしりました。
日没になり、いったん宿屋に戻った冒険者のところに、ムラード隊長があらわれ、追跡の結果を報告してくれます。
「賊は白骨谷に向かったようだ。あそこは呪われた亡者のさ迷う土地。アル・カリムの名にかけて部下を危険な場所に送り込むことはできん」というものでした。
冒険者たちは、倉庫にあった荷物の量から考えて、街を出た一団は囮ではないかと推理します。あるいは、少なくとも荷物の大部分は町のどこかに隠されているのではないか。
また、テオスの行方も判りません。テオスが主人を裏切った可能性は捨てきれませんが、まだ証拠が不十分です。
残った手がかりは倉庫裏の溝で拾った『腕』です。剣で切断されたであろう『腕』には特徴的な入れ墨があり、行方知れずのテオスのものでないことは間違いありませんでした。
翌日、冒険者は『腕』の持ち主を探すことにしました。町の物騒な地区での聞き込みによって、『腕』の持ち主が簡単に判明しました。
“ヒバリ殺し”のブザーは某有力族長の息子ですが、一族の嫌われ者で勘当されていて、その道では有名な悪党です。
彼の入れ墨が、切断された腕のものとそっくりだ、ということなのです。
さっそくブザーの屋敷へ向かいます。“ヒバリ殺し”のブザーは小悪党丸出しの男で、冒険者の取り出した『腕』を見た途端こう叫びます。「あのクソガキの仲間か! 生きて帰さねぇ!!」
そして、ごろつきやゆすり屋たちからなる屋敷の護衛兵に攻撃を命じました。
怒り狂ったブザーは(残された左腕で不器用に)青い煙の込められたガラスの小瓶を床にたたきつけ、下等な風の精霊まで呼び出します。
大乱闘の末、形勢不利と見たブザーは逃亡を図りますが、冒険者に捕まってしまいます。屋敷の秘密の隠し場所からは、盗まれた荷物の大半が見つかりました。
ブザーの告白により、事件の概要が明らかになります。
一夜明けてから、冒険者たちは装備をととのえ白骨谷に出発しました。
半日ほどの旅でたどりついた白骨谷の廃墟のなかで、魔法の品の正当な持ち主と主張する謎の貴婦人と対峙しました。
彼女がベールを外すと、血も凍るようなミイラの顔があらわれました。そして瓦礫の陰から、盗掘屋のなれの果てであるゾンビ、グールが飛び出てきました。
冒険者たちは、不意打ちにかなりの苦戦を強いられますが、まさに万事休すといった時、魔法使いの使ったワンダーエッグからパンサーが出現。
徐々に形勢を逆転させていきます。その後、麻痺から立ち直った僧侶の祈願力と戦士たちの獅子奮迅の戦いによって、辛くも勝利を得たのでした。
こうして、盗まれた魔法の品々を取り返すことができました。そして廃墟の一室から、誘拐されたテオスを救い出しました。
町に帰還してみると、ムラード隊長からハフェズの逮捕のしらせが届きます。
すべての経緯が判明し、ハフェズが魔法の鍵をブザーに渡した理由もわかっていましたので、冒険者たちはムラード隊長に事情を説明し、ブザーの罪について情状酌量を願いました。
ムラードは口髭を捻りながら思案していましたが、「勇敢で知恵のある君たちに免じて願いを聞いてやろう」と言ってくれました。
それからテオスとティシウスの再会を祝い、二人から感謝の言葉を送られます。
とりあえずセッションはここで終了です。
ゲームマスターおよびプレイレポート執筆: ナッキー