この日は大雨で風も非常に強い中、6人のメンバーが集まりました。
・丹生 仁八 13世代ヴェントルー
野心家のフィクサー プレイヤー:ナッキー
・直良 アルバート 13世代トレメール
導師の研究の助手をしている学者の青年 プレイヤー:いそさん
・椎名 結羽 13世代トレアドール
モデルをやっている見目麗しい女性 プレイヤー:ゆらゆく
・江場 流 12世代マルカヴィアン
廃墟となった精神病院で「開業」している妄想持ち プレイヤー:チャッピー
・忍坂 蓮 13世代ギャンレル
一匹狼のギャンブラー。導師はカマリリャ内の実力者 プレイヤー:あゆみん
日本国、大阪府。とある街―
寝処である精神病院の近くで血まみれの死体を見つける江場 流と忍坂 蓮。
殺しを楽しむかのように切り刻まれた姿と、首筋には牙のあと…
血族の仕業である。仮面舞踏会の掟を知らぬか、あえて無視するものか。
パーティ会場で人を探している美しい女性、椎名 結羽。
彼女は行方不明の姉―もちろんヴァンパイアとしての―を探していた。
もう数週間も連絡がとれていない。姉に何かあったのではないか。
彼女はパーティをあとにし、姉のマンションへ向かった。
丹生 仁八と直良 アルバートは「霞」という名前の血族を探していた。
椎名 結羽の姉である。彼女は数週間前から行方をくらましている。
彼女の動きをあやしんだヴェントルー氏族からの命令で、彼女の行方を追っていた。
それは、霞の「父」であるトレアドール氏族を、組織内で失脚させることを狙った動きであった。
結羽とアルバートは、霞のマンションで鉢合わせた。
アルバートは使命を隠し、結羽に接触するが、彼女は姉のことを話さない。
姉の部屋に侵入した結羽は、そこで真っ赤に塗られたカンバスを見つける。
カンバスに触れ、血族としての力で残された記憶を辿っていく結羽。
絵を描いているのは霞だ、彼女は画家だった。
カンバスにはベッドに寝そべる人の絵、傷口から血が流れて…
彼女は笑みを浮かべながら赤い絵の具を叩きつけるように塗っていく。
彼女が着ているのは真っ赤なドレス…
やがて浅黒い肌の男がやってきて、彼女を連れ去っていく。
流と蓮は死体を隠し、敵の姿を追っていたが、二体目の死体を見つけてしまった。
遠くの方に赤いドレスの女を見つける流。手にはナイフ、顔は血まみれだ。
すぐに追いかけるものの逃げられてしまう。
女が乗り込んだ車の運転席には、流のかつての下僕である和也の姿があった。
仁八は流と接触し、死体の話と女の姿の情報を得る。
流、蓮は仁八とアルバートを経由して結羽に接触し、彼女の姉である霞が「掟」を破っていることを告げる。
姉のことを諦めきれない結羽は、「赤いドレス」のせいで姉がおかしくなってしまったと言う。
結羽は霞が親しくしていた「煌」と呼ばれる若い血族を訪ねた。
そこでは酷く怯えた男が彼女を迎える。
「彼女が俺を迎えに来るって…”あたらしい仲間”と、今夜…」
一刻の猶予もないと判断したアルバートの血族の力で、精神を支配される煌。
闇に紛れて組織の禁忌を犯した霞を待ち受ける一団。
数時間後に現れたのは赤いドレス姿の霞と、肌の浅黒い男であった。
結羽は姉の説得を試みるが、姉はニヤニヤと笑いながら手に持ったナイフをヒラヒラさせて言う。
「あなたも私と一緒にいらっしゃい、結羽。今よりもっと楽しい、本当に楽しいことをしましょう。
あたらしい仲間と。」
影から不意打って飛び出す流、素早く霞に組み付いて動きを奪う。
続いて蓮の攻撃で負傷させ、アルバートの精神支配で体の自由を奪う。
霞と共に現れた男は組織の掟を破壊せんとする敵、サバトの一員であった。
激しい戦いの末、ついに男は蓮の獣の爪に引き裂かれることになる。
結羽は霞のドレスを剥ぎ取り、もう一度説得を試みる。無駄だと知りながら。
ドレスはきっかけでしかなかった。サバトの狂乱を求める心はずっと前から彼女に燻っていたのだ。
人間を狩るヴァンパイアと、血族内での権力争いに明け暮れるヴァンパイア、どちらが本当の血族の姿か?
結羽は虚しい説得を続け、仁八はヴェントルー氏族の「長老」たちに報告するため電話をとった。
日本が舞台ではヴァンパイアの雰囲気が出ないのではないかと思いましたが、
このゲームを体験したことのないプレイヤーさんもいたので、「もうひとつの現実」を強調するためにあえて舞台を大阪としました。
ゲームの雰囲気を伝えるため、プレイ前に時間をかけてじっくり説明しました。
キャラクター作成にもかなり時間がかかりましたが、ゲームのイメージは掴んでもらえたのではないかと思います。
ただ、5人のプレイヤーということもあり、キャラクター同士をうまく絡めることができなかったと思います。
情報の出し方、タイミングともに今ひとつのマスタリングだったような気がします。
時間の配分も、ゲーム開始までにかなり時間がかかったとは言え、やや想定をオーバー気味でした。
次回の課題として、ルール・サマリーの追加作成と、プレイヤーへの情報の渡し方を考えておきたいと思います。
ストーリーテラーおよびプレイレポート執筆: コニタン