お休みの一致したメンバーが三人集まり、まったりゲーム会。
『藪の中』といえば芥川龍之介の短編小説が有名ですね。
小説『藪の中』は、藪の中で、胸もとを刺された男の死骸が発見される。男を殺したのは誰なのか。殺人事件の関係者が集められ当時の状況を証言、告白するのですが、その言い分は大きく食い違う。結局どれが真相なのか、誰が犯人だったのかは全てウヤムヤのまま……という物語です。
さて、『藪の中』のデザイナーさんがどの程度芥川の作品にインスパイアされたのか判りませんが、ゲーム『藪の中』は小説に負けず劣らずミステリアスな雰囲気を漂わせた作品です。
ゲームは、殺人現場を再現した4枚のカードで表わされます。死体を1枚、容疑者を3枚、伏せた状態で並べます。
カードの裏には数字が記されています。場に出ている容疑者カードの中で最も大きい数字が犯人です(条件によっては、「最も小さい数字」に替わることもあります)。
各プレイヤーはカードをめくって数字を見ることができます。ただし、めくって数字を確認できるのは2枚のカードだけです。加えて、「被害者のカードは見れない」、「右隣の人が『犯人です』チップを置いた容疑者カードは見れない」という二つの制限があります。そして、第一発見者(スタートプレイヤー)は、容疑者と被害者カードを入れ替えて、後続プレイヤーの推理を混乱させることができます。
こう説明すると犯人を当てるのは簡単に思えるかもしれません。
いくらカードの一部しか確認できないとしても、場に出ているカードは4枚だけですから、推理はそう難しいことではないように思えます。というか、そもそも、第一発見者に同調しておくのが、一番の安全策ということになりますよね……。
ここからが『藪の中』の厄介なところです。
このゲームでは、真犯人を当てるだけでは勝利できないのです。
実は、第一発見者の推理に同調した上で間違うと受け取らなければならない「嘘つきチップ」の数で、敗北が決まるからです。
すなわち、ゲームに勝利するためには、無難に犯人を当てるだけでなく、後続のプレイヤーを騙す必要があるということです。
「第一発見者は、先にカードを確認して犯人に目星を付けた後、現場を操作して後続プレイヤーの確認に制限を与え、いかにも犯人らしい容疑者に疑惑を残すようにし、そのうえで推理したふりをして間違った犯人を指摘する」ことになります。しかも、このハッタリを成功させるには、事前に正解を重ねることで信用を得ておく必要もあるという……。
おう、まさに真相は藪の中ですね(笑)。
というわけで、「誰かがいつか嘘をつく」というもやもやした雰囲気の中、虚々実々の心理戦が展開されていきます。
集中力を要求される頭の疲れるゲームではありますが、情報を操作して後続の人を罠に陥れたときの快感は、たまらないものがあります。
Mouse Guard RPGをプレイしました。
シナリオはルールブック所収の『Deliver The Mail』を使用しました。
キャラクターは、サクソン(PL:チャッピー)、リーアム(PL:ゆらゆく)でした。
『Deliver The Mail』は入門用のシンプルな構成のシナリオなのですが、今回はPCが二人だけということもあったのでしょう、障害の突破に次々と失敗し、ツイストまたツイストの連続、二人とも最後にはヘロヘロになっておりました。
泥水にはまったり、カラスに邪魔されまくったりしましたが、なんとか手紙の配達に成功。
途中、マウスガードたちが、ロッキングチェアを担いでアタフタするというな不思議な情景の見られるセッションとなりました。