任務の通達「配達」
今回のセッションの舞台はスマク港(Port Sumac)です。
我らがマウスガードたちは、スマク港の代表団体である「船長会議」から、スマク港から徒歩にして1
日ほどの距離にあるジャック岬まで荷物の輸送を依頼されました。
ジャック岬では現在灯台が建設中で、小さな住居地に労働者たちが暮らしています。
今回の任務は、鍋などの金物や測量機などの荷物を、灯台建築現場の主任である建築家ギルドの頭へ届けるというものです。
第一の障害「海岸沿いの旅行」
ジャック岬までつづく海沿いは、困難な地形の連続です。
起伏の激しい崖ぞいの道、行くてをさえぎる入り江の湿地帯、岩だらけの海岸、など。
そうのえ全員が大きな荷物を背負っていかなければなりません。
GMはこの障害を「〈道案内〉Ob5」であると宣言しました。
そして「この先に小さな漁村があるそうだから、そこで小船を借りることもできる」という代案も提示します。
マウスガードたちは、漁村で小船をチャーターすることに決めました。
(サディーは『サクソンに相談を持ちかけ』て「運命点」をゲット。)
ほどなくして漁村に到着した一行ですが、期待に反して人の姿が見えません。
砂浜には壊れた小船が放置されています。村が無人となった理由はよくわかりません。
そこでGMが新たに障害を指示します。
「小船を修理するのに〈船大工〉Ob3、船に乗って海岸沿いに移動するのに〈道案内人〉Ob3、操船と安全な船旅に〈偵察兵〉Ob3が必要です。」
サクソンは、「なんだか理不尽だなあ!すなおに陸路に戻るかい?」と提案しますが、海関連の技能が得意なサディは海路案にがぜんノリ気です。
この障害は連続判定で解決します。
連続判定は、各判定の結果に関わらず2つ以上の判定を連続解決して結果として適用します。
まず、サディが小船の修理を〈船大工〉で判定。ケンジーは「金具の修繕なら手伝えるよ」と〈鍛冶屋〉で援助。
じつはサクソンも〈大工〉技能をもっており援助ダイスを差し出します。
しかし、判定は失敗。続く〈偵察兵〉と〈道案内人〉の判定はサディの〈知恵:海岸〉の効果もあり、2つとも成功しました。
判定に失敗したので、GMは2つの選択のどちらか選ぶことになります。
1つはツイスト(状況の変化と新たな障害の決定。)、もう1つは当初の目的は達したが「状態」にペナルティを与える、というものです。
ここでGMは「状態ペナルティ」を選択しました。
「さいわい天気もよく、海は穏やかです。崖を横目に眺めながら、船旅は快適に進みます。
日が暮れたときは適当な場所に上陸してキャンプするのでしょう。でもね、少しづつ浸水が始まった(笑)」
3人は交代で小船の底に溜まりだした海水を汲み出します。(「鍋があるぞ!」)
「そろそろジャック岬が見えてきます。
水汲みでへとへとになったので全員「疲労」を受けてください」とGM。
サディとサクソンは、災いの原因を「きっとケンジーの鍛冶仕事のせいにちがいないよ」と小声で話し合っていました。
第二の障害「上空の影」
ジャック岬の突端に石造りの四角い灯台が見えてきました。
灯台の岬からゆるやかに坂を下った海岸ふきんのくぼ地には天幕や小屋が数戸建っているのがわかります。
波のうちよせる狭い海岸には小さな二隻の小船が陸揚げされています。
一行が海岸にむかって舵をきると、作業員の一人がこちらに気づき、手を振ります。
やがて数人が小屋から姿を現し、こちらに注目しはじめました。
「歓迎されてるみたいだ」とケンジーがほほえみます。
「でも、何か様子が変じゃない?」とサディ。
そういわれてみると、さっきより雰囲気が慌ただしくなった気がします。
耳をすませると、風に乗って彼らの声が聞こえてきました。
「気をつけろ! 気をつけろ! うえだ! 空をみろ!」
サクソンが舌打ちをしながら剣に手をかけるのと同時に、空から黒い影が小船めがけて舞い降りてきました。
小船を襲ったのは1羽のカササギでした。カササギは荷物を掴んで飛び去ろうとします。
(カササギは光るものを集める習性があると言われています。小船の修理をカササギのデーターはルールブックに載っていないので、GMはカラスCrowを参考に自作しました。)
カササギの襲撃は対抗判定で処理します。
同時に判定をおこない(厳密にルールに従うとGMが最初にサイコロを振ります。)、成功した個数が多かったほうが勝者となります。
カササギの【本能 Nature】は6です。サクソンが「剣を抜いて追い払う」と宣言。
〈戦士〉技能6で判定します。結果はカササギの勝利。荷物は盗まれてしまいました。一瞬の出来事でした。
判定に失敗してしまったので、この障害でも失敗裁定が発生します。
しかし、GMは「荷物が盗まれた」という結果はツイストとして十分である考え、プレイヤーたちに「次ぎのセッションは荷物の奪回になります」と宣言して、この遭遇を終了させました。
なんとか、灯台までたどりついたマウスガードたちでしたが、疲労困憊したうえ、大切な荷物も失ってしまいました。
建設現場の代表者であるドラ親方は、一行の苦労をねぎらい、ゆっくり休める寝床と暖かい食事を提供してくれました。
こうして各自が回復テストに成功。状態ペナルティの「疲労」を消すことができました。
それから3人は、カササギ退治に備えて、役立ちそうな装備の調達に向かいます。
場所が場所だけにたいしたアイテムは見つかりませんでしたが、それでも、サクソンは盾を、サディは短剣をもう1本手に入れることができました。(【資産】の判定に成功)