クトゥルフ神話TRPG (Call of Cthulhu)
2004年アメリカ 第六版 (第一版は1981年)
デザイナー: サンディ・ピーターセン、リン・ウィリスほか
「クトゥルフ神話TRPG」は、架空の神話体系「クトゥルフ神話」をテーマにしたホラーRPGです。
「クトゥルフ神話」は、1920年~30年代に活躍したアメリカの怪奇小説家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの作品群がもとになっています。
ラヴクラフトの作品に共通する独特の世界観は、彼と親交のあった同時期の作家らを大いに魅了し、彼らの作品間で共有されることになります。
それらはやがて「クトゥルフ神話」と呼ばれるものになっていきました。
ラヴクラフト自身の生前は不遇でしたが、その作品と「クトゥルフ神話」は現代においても根強い人気を誇っています。
「クトゥルフ神話」をもとにした最初のTRPG(卓上ロールプレイングゲーム)は、1981年の「Call of Cthulhu」第一版(ケイオシアム社)です。
ここで紹介する「クトゥルフ神話TRPG」は、2004年に発売された「Call of Cthulhu」第六版の日本語翻訳版となっています。
「クトゥルフ神話TRPG」では、プレイヤーたちは「探索者」と呼ばれる者を演じることになります。
「探索者」は、何らかの理由で怪奇事件に関わることになる登場人物を意味します。
身に降りかかった怪奇事件について調べ、その恐るべき真実について知ってしまう立場なのです。
「探索者」たちは、事件の裏に潜む怖ろしい力に対抗すべく戦うことになるのかもしれません。
あるいは、命からがら逃げ出すことが精一杯かもしれません。もしかするともっと悲劇的な結末もありえるでしょう。
「クトゥルフ神話TRPG」では、ボードゲームのように「探索者」の目的や勝利条件が決まっているわけではありません。
キーパー(KP)と呼ばれる参加者が物語の骨格になるシナリオを用意し、プレイヤーたちはそのシナリオにそって即興でゲームを進行させていきます。
「クトゥルフ神話TRPG」ルールブックには、クトゥルフ神話を元にしたシナリオ作成に必要な設定やデータが網羅されています。
言わば「材料」が揃えられている状態ですので、KPはこれらを使って自由にシナリオを作成するというわけです。
プレイヤーたちはシナリオにそって「探索者」の行動を決定したり、プレイヤー間で情報共有しながら物語の結末へと向かっていくのです。
「クトゥルフ神話TRPG」では原作の舞台となっている1920年代と、現代の両方をサポートしています。
「現代」をベースにして遊べるTRPGという側面も、この作品が長く支持されている理由の一つと言えるでしょう。
日本でも人気の高い作品であり、数多くのサプリメントが発売されています。
また、ニコニコ動画などの動画投稿サイトでは、この作品を元にした紹介動画やリプレイ動画もたくさんアップされています。