酔いどれ猫のブルース (Katzenjammer Blues) 1998年ドイツ (復刻:2013年日本)
デザイナー: ライナー・クニツィア
プレイヤー: 10歳以上 / 2〜6人
プレイ時間: 30分程度
ルール難度: やや易
「酔いどれ猫のブルース」は、ドイツゲームのヒットメーカー、ライナー・クニツィア氏によるカードゲームです。
オリジナル版は1998年ですが、2013年に日本のニューゲームズオーダーさんより復刻版が発売されました。
カードには猫カードとネズミカードがあります。
ネズミカードは単純に得点を表すカードですので、1枚=1点となります。
猫カードは、1~5までの数字が付いているものと、J(ジョーカー)のカードがあります。
さて、このゲームの目的ですが、同じ数字の猫カードを4枚揃え、「カルテット」を作ることでネズミカード(得点)を手に入れることです。
そのためには猫カードを集める必要がありますが、その方法は「競り」となっています。
各プレイヤーは6枚ずつ手札を持ってゲームをスタートします。
残りの猫カードは山札にして、中央に配置します。
ゲームが始まったら、山札から1枚ずつ猫カードを表向きにしていき、それまでに出た数字と同じ数字のカードか、あるいはジョーカーがめくられたらストップします。
こうして表向きにされたカードの全てを商品として「競り」がスタートするのです。
競りに使うカードも競られる側のカードも、同じ猫カードですので、言うなれば「お金でお金を競る」という感じでしょうか。
入札する際は、以下の組み合わせのうちいずれかで宣言しなければいけません
そしてその価値は、「枚数の多い方」が上です。
枚数が同じなら、「数字の大きい方」が上となります。(ただしバラは1よりも下)
したがって、入札するには「前のプレイヤーが宣言した枚数より上か、同じ枚数で数字が上」の組み合わせを宣言しないといけません。
こうして、最も高い値をつけたプレイヤーが競りに使った猫カードを捨て札にし、表向きにめくられた猫カードをすべて取得します。
赤字になるような値をつけるべきではありませんが、場合によっては思い切って値を吊り上げる必要もあります。
そうして競りに勝ったプレイヤーだけが、続けて「カルテットを作る」ことができます。
同じ数字の猫カードを4枚出すことで、その数字と同じ枚数のネズミカードを得ることができるのです。
競りに勝たなければ「カルテットを作る」こともできず、ネズミカード=勝利点を得ることもできません。
このゲームの悩ましい点です。堅実すぎても勝てないため、時には損をしてでも競りに勝つという選択が必要となってくるのです。
ところで、ジョーカーの猫カードが何枚か含まれています。
このカードはいわゆるオールマイティーで、「どの数字としても使える」という強力な猫カードです。
ところがジョーカーに頼りすぎると、ゲーム終了時にペナルティとしてマイナス5点されてしまいます。
そしてジョーカーのペナルティを被るのは、「ジョーカーを使った枚数+手札に残ったジョーカーの枚数」が一番多かったプレイヤーだけです。
ジョーカーは4枚セットで「0点のカルテット」と宣言することで、ペナルティ無しで捨て札にすることもできます。
ジョーカーをできるだけ避けるのか、ペナルティを承知でジョーカーの効果を最大限に活用するのか、という選択にも頭を悩ませることになるでしょう。
シンプルな競りゲームですが、どの行動にもジレンマを誘発するようなルールになっており、考えどころは多いです。
どこかひょうきんな猫のイラストとは裏腹に、ゲーマー向けの「渋い」カードゲームになっています。