村の人生 (Village) 2011年ドイツ
デザイナー: インカ・ブラント&マルクス・ブラント
プレイヤー: 12歳以上 / 2~4人
プレイ時間: 90分程度
ルール難度: やや難
「村の人生」は、2012年ドイツ年間ゲーム大賞エキスパート賞受賞作品です。
各プレイヤーはそれぞれひとつの家族を受け持ち、家族の一員を様々な場所に配置することでゲーム上のリソースや勝利点を得ていきます。
いわゆる「ワーカープレイスメント」と呼ばれるジャンルのボードゲームとなっています。
プレイヤーは自分の家族の「農場」と「家族」を受け取ってゲームをスタートします。
プレイヤーは各手番に、以下の場所へ家族を派遣したり、リソースを支払ったりします。
最終的には勝利点を多く集めたプレイヤーの勝ちですが、勝利点を集めるためのアクションを成立させるには、以下のようなリソースを手に入れなければいけません。
各プレイヤーは、適切な場所に家族を配置しながらリソースと勝利点を集めていくのですが、アクションを重ねる度に「時間」が過ぎていきます。
そしてその「時間」が一定を超えると、最も古い世代の家族1人がこの世を去ることになるのです。
家族が減ってしまうと、実行できるアクションが減ることにつながるので当然損失となりますが、一方ではよい面もあります。
ボードには「村の紳士録」があり、これはこの世を去った家族とその功績を記録したものです。
この世を去った家族は、「村の紳士録にまだ空欄がある場合に限り」そこへ記録されることになります。
こうして紳士録に載った家族の人数に応じて、ゲーム終了時にたくさんの勝利点を得ることができるのです。
ただし、紳士録には各アクションごとに記録できる人数の上限が決まっています。
例えば、「評議会」の欄に載ることのできる人数は2人まで、「教会」の欄に載ることのできる人数は3人まで、という風にです。
空欄が埋まってしまうと、それ以降に世を去った者は掲載されず、ただ「墓地」に埋葬されるだけとなり勝利点は得られません。
紳士録に掲載されるのは早い者勝ちですので、「早く世を去るほど紳士録に掲載されやすい」ということになり、ここにこのゲームの面白さがあります。
つまり時間が過ぎて家族を失うのは「損失」である一方、勝利点を得るためには「ちょうどよいタイミングでこの世を去る」ことが非常に重要なのです。
こうして各アクションを繰り返し、この世を去る家族が増えていくことで「紳士録」もしくは「墓地」が次第に埋まっていきます。
そうしてそのどちらかがいっぱいになった時点でゲーム終了です。
それまでに手に入れた勝利点に、各アクションの成績による勝利点(評議会や教会での地位、旅で訪れた都市の数など)と、紳士録の掲載人数による勝利点を加えて、最終的な勝利点を計算します。
手番に実行できるアクションの種類が多く、覚えるルールも多岐にわたるゲームです。
プレイ時間も90分から2時間くらいまでかかることがあり、ボードゲームの中でも「重たい」部類に入るでしょう。
しかし個々のルール自体は「リソースを支払って別のリソースや勝利点を得る」というだけのシンプルなものですので、そこまで複雑ではありません。
アナログゲームに馴染みのない人にはとっつきにくい印象があるかもしれませんが、実際にプレイしてみると案外難しくないと思われます。
じっくりと頭を使いながら進めていく、非常に完成度の高い大人向けのボードゲームと言えるでしょう。