ローズ・トゥ・ロード (The Wander Roads to Lord) 2010年日本
デザイナー: 門倉直人
「ローズ・トゥ・ロード」シリーズは、日本におけるRPG黎明期から活躍されている門倉直人氏によるTRPGシリーズです。
本作品は初代ローズ・トゥ・ロードの発売(1984年)から25周年を記念して2010年に発表されたものです。
「ローズ・トゥ・ロード」という題名ですが、正式には「The Wander Roads to Lord」、通称「Wローズ」と呼ばれます。
そのゲーム内容は従来の作品とは大きく異なり、「言葉」を中心としたルールとなっています。
プレイヤーたちは「アムンマルバンダ」と呼ばれる魔法使いを演じ、幻想世界を「逍遥」(Wander)する旅人となります。
そうして旅を通じて出会った人、場所、出来事と「言葉」を使って通じ合うことで、そのキャラクターだけの物語を作り上げるのです。
本作品のルールのうち、最も印象的なのは「言葉決め」というものです。
キャラクターの作成やイベントの解決には必ず「言葉」を伴うのですが、この「言葉」を決める方法として
という2つの方法が用意されています。
特におすすめしたいのは後者の方法です。
プレイした物語の雰囲気に合った物語を選ぶことで、より真に迫ったセッションとなるでしょう。
全ての判定やゲーム進行、シナリオさえも「言葉」を中心としたデザインになっている作品です。
「D&D」のようなウォーシミュレーションゲームをルーツに持つTRPGとは根本的に異なるため、そのようなゲームに慣れ親しんだプレイヤーは戸惑うかもしれません。
しかし、TRPGは「言葉」によるコミュニケーションを根幹としているものです。
「言葉」を扱い、「言葉」によって物語を作り上げていくというこのゲームは、実は最もTRPGらしいゲームなのかもしれません。